※本ブログでは記事中に広告情報を含みます
🔶今日のアニメの徒然小道では、1985年にTV放送されたアニメ『小公女セーラ』(プリンセスセーラ)の当時のTV放送、および配信先動画視聴(U-NEXT)からの感想(懐想、考察記)の投稿です。
【小公女セーラ:作品の概要】
『小公女セーラ』(プリンセスセーラ)は、1985年1月6日から12月29日まで、フジテレビ系列で毎週日曜19:30 - 20:00(JST)に全46話が放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメです。「世界名作劇場(ハウス世界名作劇場)」の第11作目にあたります。
英語表題は"A Little Princess Sara"。表題の『小公女』には『プリンセス』というルビがふってあるため『プリンセス・セーラ』とも呼称されています。
昭和60年度厚生省児童福祉文化奨励賞、昭和60年度文化庁子供向TV用優秀映画賞受賞をしています。
原作はフランシス・ホジソン・バーネット(バーネット夫人)の児童文学『小公女』(A Little Princess)。
それまで全体にソフト路線だった「世界名作劇場」シリーズの中にあって、いじめを扱うなど異彩を放つ作品です。
原作ではセーラが7歳でミンチン学院に入学してから、およそ6年間の話であるのに対し、10歳で入学してからの1年間程度の話になっているなど、本作品でも各キャラクターの設定やストーリーに原作との相違点があります。登場人物ではベッキーやラビニアの扱いが大きくなっている他、セーラの味方としてオリジナルキャラクターのピーターが設定されています。登場人物の年齢差も異なり、原作ではセーラとラビニアの年齢差は6歳(本作品では3歳)、セーラとベッキーの年齢差は5歳(本作品では同い年)で、いずれもセーラよりも年上の設定です。
【小公女セーラ:ストーリー】
時は19世紀の後期。1885年、10歳のイギリス人少女、セーラ・クルーは、インドで富豪である父、ラルフ・クルーの一人娘としてなに不自由のない生活を送っていました。父の故郷であるロンドンにきて、寄宿学校に入学します。
父の希望もあって、入学したミンチン女子学院では特別寄宿生として優遇されますが、それを自慢する事もなく、それどころか、母を亡くして寂しがるロッティの母親代わりになったり、田舎から雇われて来たメイド・ベッキーの不始末をかばうなど、持ち前の優しさで人気者になります。ところが、それまで生徒達のリーダー的立場であったラビニアと、貧しい育ちから成り上がったミンチン院長のコンプレックスを刺激する形になってしまい、2人から嫉妬や悪意、憎悪に満ちた感情をぶつけられるようになります。
セーラの11歳の誕生祝いの最中、インドにいる父が破産の末、熱病により死去したという知らせがもたらされます。
ダイヤモンド鉱山への投資などを回収出来なくなった事に激怒したミンチン院長は、最初はセーラを学院から追放することを考えますが、世間体を考え、学院の使用人として無賃金で働かせる事にするのでした。屋根裏部屋に移されたセーラは、使用人たちやラビニアらによる執拗ないじめを受けながらも、ベッキーやアーメンガードを始めとする心ある味方に支えられ、耐えてゆきます。
そんな中、学院の隣の屋敷にクリスフォードという紳士が越してきます。
彼もインド在住のイギリス人だったが、病気の療養、そしてある少女を捜すためにロンドンに住まいを移したのでした。クリスフォードはある事からセーラに関心を抱き、使用人に命じて夜間にこっそりと豪華な食事を届けさせるのでした。
しかし、この『魔法』のような現実はミンチン院長の知るところとなり、セーラは窃盗の疑いを掛けられて屋根裏部屋を追い出され、馬小屋で寝泊まりさせられるようになってしまいます。学園でハロウィンパーティーが行われた日、ラビニア達のロッティに対するいたずらが原因で、ジャック・オー・ランタンの火から馬小屋が火事になってしまいます。セーラは放火犯に仕立て上げられたあげく、ミンチン院長によって学院を追放されてしまうのでした・・・
行き場を無くしたセーラは、もともと専属の御者だったピーターの家に居候しつつ、街頭でマッチ売りを始める。一方、ミンチン女学院には差出人不明のセーラ宛の贈り物が届けられ、ミンチン院長は、アメリアに命じてセーラを学院に戻す。その豪華な贈り物から、「セーラを支援する富豪」の存在を感じ取ったミンチン院長は態度を豹変させ、セーラに優しく接するようになる。
やがてセーラは、屋根裏に舞い込んだクリスフォード邸のサルを返すため、クリスフォードの屋敷を訪れることになり、そこで、贈り物の主がクリスフォードであること、クリスフォードが捜していた盟友ラルフの娘がセーラであることがあきらかになるのでした。実はラルフの死後にダイヤモンド鉱山は成功し、ラルフへの破産宣告もクリスフォードにより差し止められ、セーラに莫大な遺産と世界有数のダイヤモンド鉱山の発掘経営権の半分が遺されていたのです。そして、ラルフの盟友クリスフォードの莫大な財産も、後継ぎがいないため全てセーラに譲り渡されることになるのでした。セーラを連れ戻そうとクリスフォード邸を訪れたミンチン院長は、事実を知って驚愕するのでした。
翌日、ミンチン女学院にセーラの使いが訪れる。裁判にかけられるのではないかと慄くミンチンだったが、セーラの答えはミンチン学院に10万ポンド(当時の時代で日本円で二十数億円)もの寄付をし、生徒として学院に戻るというものだった(原作では、ミンチン院長と対立して学院を去ります)。そして苦労を共にしたベッキーと屋敷で暮らす事になったセーラは、意地悪をして反省したラビニアと和解することができました。そして、ダイヤモンド鉱山の正式な所有権委譲と両親の墓参りのため、遠くインドへの旅路につくのでした。
【小公女セーラ:主なキャスト】
声の出演
- セーラ・クルー:島本須美
- ピーター:坂本千夏
- ミンチン院長:中西妙子
- ロッティ・レイ:渡辺菜生子
- ラビニア・ハーバート:山田栄子
- ベッキー:鈴木みえ
- アーメンガード・セントジョン:八百板万紀
- アメリカ先生:梨羽由記子
- クリスフォード:仲村秀生
- ラムダス:田中秀幸
- ジェームス:郷里大輔
- モーリー:向殿あさみ
👆自分が貧困だったからっといって、人をいじめていいものか!と観ている自分が叫びたくなるミンチン院長です
★『小公女セーラ』・懐想、考察記
辛い境遇に陥ったセーラが周囲からの陰湿ないじめに耐えながら、それでも健気に生き抜く姿に日本中のアニメファンを感動させた作品です。原作はフランシス・ホジソン・バーネットの「小公女」です。
当時、私、成人ながら、本作はまってみていました。
アニメ作品とはいえ、ミンチン院長の極めて強欲かつ頑固な性格。支援目当てのセーラを特別扱いといい、セーラの家が破産すると態度を一変させ、セーラを使用人の身に落としただけではあきたらず、さらに食事もろくに与えず、奴隷さながらに無給でこき使う。
物語が進むにつれてセーラへの扱いは、ベッキーにまで及び輪を掛けて酷くなっていきました。しかも、セーラの莫大な遺産が入るとなると態度をコロリと変えます。
どんなことがあっても、くじけないセーラの強さは何なのか?
それは『優しさ』だと思います。
ほんとに強い人間は『優しさ』からしか生まれてこないというメッセージ性を、この作品を通して感じます。
原作の世界でなら、それなりの想像の世界ですが、アニメで描写となると、表情、声、音楽など入ってきますから、当時このミンチン院長のいじめに対する抗議はすさまじかったものと思います。
この作品のエピソードとして、現実、このミンチン院長の声優は、女優の中西妙子さん(もう今では90歳代のご高齢と思いますが)が、演じていたのですが、劇中でセーラ(演者は島本須美さん)に対するイジメ行為がエスカレートすることで、視聴者からかなりの抗議が寄せられるようになり、抗議の対象が、キャラクターや制作スタッフのみならず、台本に従って演じているだけの役者である中西さんやラビニア役の山田栄子さんにも抗議の矛先が向けられ、カミソリ入りの手紙が送られるなどして苦悩し、山田さん共々「こんな役は二度とやりたくない」と愚痴を漏らすほど精神的に追い詰められたといい、同作にて共演した山田さんに至っては収録時に泣きながらセーラをいじめるシーンを演じていたと島本須美さんが証言しています。
ちなみにミンチン院長の設定は、金銭に対する執着が強いのは、過去の貧困が原因。
10歳前後で両親を失い、小さな妹のアメリアを連れて、叔母の家で働きながら慈善学校を卒業し、住み込みの家庭教師などを経て現在の学院設立までこぎつけたという苦労人である(第40話でアメリアにより語られます)。
そしてこのアメリアが姉であるミンチンのことをかばうように『姉はそんな人じゃないの』と泣きながら、話すシーン。私はこのシーンが大変好きです。
この作品が単なるいじめを取り扱った個性ある作品としてばかりでなく、人の人生、一生というものを考えさせているところにも大変な魅力があると思っています。
今の時代に『世界名作劇場』というTVアニメシリーズはありませんが、本作のようないじめを扱ったアニメ作品は、本作が最初で最後ではないかと感じます。『世界名作劇場』と名を打って家族揃って視聴できそうな作風に見えますが、意外と大人の方がグイグイ惹きこまれる作品です。
いじめ作品嫌いな方もいらっしゃるでしょうから👍-1でお勧め度👍👍👍👍
個人的な考察ですが、本作は1983年にNHKで放送されていた朝の連続テレビドラマ『おしん』(平均視聴率60%を超えていた作品)の影響を受けて製作されたのではないかな~とも感じたのですが(笑)。
👆ラストでは『次に会う時は大統領夫人よ!』と子供ながらに凄まじいライバル心を見せるラビニア・ハーバート。ラビニアのセーラに対するいじめは、代表生徒の座をセーラに奪われた嫉妬心からによるものです。このラビニアの嫉妬が、ミンチン先生のいじめに追い打ちをかけるようにセーラに襲いかかってきます。
【小公女セーラ:配信先(U-NEXT)視聴】
★『小公女セーラ』
(1985年、全46話、見放題)
👇下記バナー画像クリックで配信サイトへリンクしています。
U-NEXT会員登録済みの方であればそのまま視聴できます。会員登録がまだの方であれば、登録後視聴できるようになります。31日間無料トライアルサービス付きです。
【小公女セーラ:製作スタッフ、放送データ】
- 原作:フランシス・ホジソン・バーネット(『小公女』より)
- 製作:本橋浩一
- 製作管理:高桑充
- 企画:佐藤昭司(日本アニメーション)、久保田栄一(フジテレビ)
- 監督:黒川文男
- キャラクター・デザイン:才田俊次
- 美術設定:川本征平
- 美術監督:沼井信朗
- レイアウト監修:森やすじ
- 音楽:樋口康雄
- プロデューサー:中島順三(日本アニメーション)、石川泰平(フジテレビ)
- 撮影監督:森田俊昭
- 録音監督:小松旦弘
- オープニング作画:桜井美知代
- 企画・制作:日本アニメーション、フジテレビ
- 放送期間:1985年1月6日~12月29日 全46話
- 放送局:フジテレビ系列
【小公女セーラ:主題歌】
オープニングテーマ
「花のささやき」
作詞 - なかにし礼 / 作曲 - 森田公一 / 編曲 - 服部克久 / 歌 - 下成佐登子
エンディングテーマ
「ひまわり」
作詞 - なかにし礼 / 作曲 - 森田公一 / 編曲 - 服部克久 / 歌 - 下成佐登子
👇ランキングに参加しています。応援クリックよろしく
(^_-)-☆
👇ランキングに参加しています。応援クリックよろしく
(^_-)-☆
| 
PR
【U-NEXT会員登録について】
★最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
本記事バナー広告クリックからU-NEXTサイトへ。
【無料トライアル】
お申込みから31日間、月額プラン利用料(2,189円)が無料でお試しいただけるキャンペーンです。
特典として、最新作のレンタルやマンガの購入に使える600円分のポイントもプレゼントしています。
PR

★約19,400通の声から誕生した大人のニキビケア
PR
★最大10%還元される「ポイント機能」によって、利用すればするほどよりオトクにご購入!「colleize(コレイズ)」
PR
コメント