少し、重たい部分のある投稿です。苦手な方はスルーしていただいて構いません。
今、私が身に着けている硬性コルセット(私は、あまりの硬さから鎧と名付けています。理由はただ一つ、人身交通事故により第一腰椎破裂骨折の保存療法のためです。
私と同じように、骨折あるいはその後のリハビリに悩んでおられる方のために何かのお役に立てればと以前に若干触れてはいましたが、詳細をこのたび、投稿したいと思います。
腰椎破裂骨折後は保存療法で対応することが多いです。
「保存療法」ってどんなものかと言えば、基本的にはギプスやコルセットで患部をしばらく固定するという方法が一般的です。
私のケースでは保存療法におけるコルセットを今年の2月から装着しています。(6月には外せる予定です)
しかし、万事何事にも一長一短があります。メリットがあればデメリットもあるわけです。私の保存治療もそうで、メリットとデメリットを天秤にかけ、治療を選択してゆく必要があります。つまり、デメリットのない完璧な治療方法というのは基本的に存在しないということです。
第一腰椎破裂骨折後、絶対安静期間中ににコルセットを作りました。装着期間については個人の骨折状態などから個人差はありますが、骨癒合が完成するまでコルセットを継続して使用することが必要となってきます。私の場合は骨癒合できれば、はずして社会生活はできます。状況によれば、経過とともに硬性コルセットから軟性コルセットに移行をするという保存療法のケースもあると聞いています。
☝これは正面から。以前は穴が少ないものが多かったのですが、通気性が悪く、夏場など、多汗時期になるとやっかいもので、表面は約3mmの硬性プラスチック、内側は5mmの厚さでスポンジ状、総重量は約1.5Kg、重さは体幹にあわせて作っていきますので、若干重量は個人差がでてきます。なお、この価格に関しては装具会社から約7万円ぐらいと聞いています。内側は5mmの厚さでスポンジ状のため汗を吸収しカビやカビ臭を軽減するために腹部側に大きな穴を作っています。また小さな穴の数も踏まれても壊れないように計算されたうえで作られています。
☝鎧を装着した私。下部がベルト部によく当たります。座位をすれば、下部が当たり、上部は脇の上部に食い込むように当たる。長時間使用すると筋肉痛をおこしやすくなります。入院が長期化すると再度作り直す必要があります。なぜなら、長期化することによって、体形が痩せてしまい、コルセットをモニタリングした時の体型ではなくなってしまうからです。しかもその変化が就寝時などコルセットが稼働するため、激しく筋肉痛を起こして眠れない夜が何度があり、そのたび鎮痛剤を使用しました。
☝これは背部。
☝これは左側面から。当初は装着しづらさからかなりイライラしました。(笑)
☝外出するときなどは、ベストを着用しています。
硬性コルセットを装着するメリット
1)背骨・腰部を守ってくれる
硬性コルセットの場合はかなり体幹の可動域が制限されます。コルセットによって動きの自由度が制限される。つまり、背部にに負担がかからないように固定がされるということです。
硬性コルセットの場合はかなり体幹の可動域が制限されます。コルセットによって動きの自由度が制限される。つまり、背部にに負担がかからないように固定がされるということです。
これは本来の目的である外固定をすることで、背骨や腰部にに過度な屈曲や回旋ストレスがかからないようにして破裂骨折の悪化を防ぐというメリットがあります。
2)早期離床を可能にさせる
コルセットを使用すると、多くの場合はベッド上で安静にしている必要はなく、翌日から歩行も可能となります。※医師の治療方針で多少変わります。
コルセットを使用すると、多くの場合はベッド上で安静にしている必要はなく、翌日から歩行も可能となります。※医師の治療方針で多少変わります。
硬性コルセットを装着するデメリット
早期離床や運動を可能とさせてくれるコルセットですが、装着をしていることによるデメリットもあります。
1)筋力低下
コルセットは背骨や筋肉の補助をしてくれているわけです。骨を守るためには必須ですが、それに体が頼ってしまっていると体幹部の筋力低下が起きる可能性があります。コルセットをしていれば姿勢がいいけど外した後に、自分の筋力で姿勢保持することができなければ結果的に背部・腰部にストレスがかかってしまいます。
2)呼吸が浅くなる
コルセットはぐるっと体を取り巻くようにして少し体幹部を圧迫します。
胸やお腹が圧迫されるとどうなるでしょうか?あまり気持ちのいいものではありません。呼吸が深く行えず、少し苦しいような感じもするかもしれません。
3)褥瘡などの傷をつくる可能性
特に硬性コルセットのような硬いもの場合、骨突出部との接触やせん断力で身体に傷をつくる可能性がありますので注意が必要です。
特に硬性コルセットのような硬いもの場合、骨突出部との接触やせん断力で身体に傷をつくる可能性がありますので注意が必要です。
4)精神的苦痛※
これは意外と多い問題です。数日なら我慢できるかもしれませんが、何か月も付けっぱなしの状態での生活はかなりのストレスです。人によってはうつ傾向になってしまう場合もありますので、その時はたとえ背骨を守るためであるとはいえ、対応が必要となります。
私の場合は、こんなことがありました。私に最初についてくれた担当のリハビリスタッフが事故で骨折してしまいました。リハビリ計画からはずれ、それでなくても気が滅入ってる私にとって大変なストレスになってしまいました。当然リハビリスタッフも穴が空いて困る始末。
そんな時、一人の中途で転職してきた作業療法士の若い彼が「俺もバイクに乗っています。私にツーリングを教えてください。遠出などしたことがありません。私にバイクに乗ってる姿を見せてください!私に任せてください!お願いですから、一緒に歩きましょう!」と語りかけてきた。
彼はチームを組み、私に付くリハビリスタッフを変えていくことで入院生活における変化をつけさせてくれた。入院をマイナスとしてでなく、一つの人生における転機なのだと前向きに考えるようになりました。
それから彼は1.5Kgの鎧をつけた私に両足に重りをつけた。彼は「患者様に負荷をかけてただで済むはずがありません。俺も背負います。」と言って、両足に4Kgの重りをつけて歩き出した。周りのスタッフも呆然としてただ見ているだけだった。退院した今でもあの時の光景が忘れられない。
やがて57歳を迎える私と30歳の彼。歳が違っても、しょせん、人対人である。彼は私に何かをぶつけてきた。こいつ!本気でぶつかってくる気か?
私の中の何かがはじけた感覚でした。あの頃を思い出してしまった。本気でぶつかって、この世を去っていった友達のことを・・・
それからは彼は、毎日「ほら!また足が~!」その気合が他のスタッフにも移っていった。女性スタッフの子までが足に重りをつけ「何やってんの?ピッチあげて!バランス崩れてるよ!くだらないことで悩むより歩きなさい!」本気のぶつかり合いが、あって生まれた信頼関係。
それからは、おかげで色々なリハビリスタッフや看護師さんたちとも話するようになり、逆に彼らの悩みや相談事も自分事として受けていくようになりました。
私が言いたかったこと。
痛みや症状を軽減、緩和することや目に見えることは解決方法は見つけることはできるかもしれません。でも精神的苦痛を解決する方法は、そう、ときに信頼、人の真心に触れることでしか解決できないときがあります。
長い人生、色々な悩みや苦痛を伴います。そんな時はまず考え込むより行動あるのみ。きっと活路は開けます。私はそう信じたい。抱え込まないでまず、心を開いてみましょう。
私もまだ完全にこの闘病生活が終わっているわけではありません。
骨が完全に癒合した時から今度は別の問題にぶち当たるかもしれません。でも、前向きに向かって行きたいですね。
プライベートにかかる部分もあるとは思いましたが、世間には不意・不慮の事故などで苦しいかたもあると思います。何かのきっかけになればと思い投稿いたしました。ご容赦くださいませ。
スポンサーサイト