前の記事『ベンハー』で4Kデジタルリマスターで観たいと、一つの願望を書いたのだが、ふと、いったい4Kデジタルリマスターって、何だろう???画像が綺麗ってくらいの印象しか思ってなかったので、いろいろ自分なりに調べてみました。
よく過去に上映された、映画のデジタルリマスターとかHDリマスターという言葉はよく目にしていますが、4Kデジタルリマスターってどれくらい違うのか?そして何のためにこんなにデジタルリマスターを進化させていくのか?
色々調べてみると、究極のところ、映画フィルムの保存を次世代に映画文化を継承していくために、映画業界が総力をあげて取り組んでいるということです。過去においてもフィルムの消失によって幻の映画というのも数多く存在するそうです。
そいえば、今年、配送の仕事で梱包された詳しい中身はわからなかったのですが、とある映画館へお届けした時に「いや~、遠いところありがとうございました!なんせ昔のフィルムで云々…」てなことを~
と大変大事なものを運んだのだ、ということだけは理解できました。私も映画は大好きなので、ちょっとはお役にたてたのかと思うと感無量でしたね。
映画史に残る名作を4Kデジタルリマスター化することは急務となっています。フィルムそのものの素材が可燃性であるためのようです。
近年のレストア(修復)作業は、PCによって作業の効率化が図られていますが、スタッフによる目視での確認、細やかな修正が最終的には必要となるため、大変な集中力と根性のいる作業であることには変わりありません。1本の映画を4Kデジタルリマスター化するのにも、数か月はかかると言われています。これから、4Kデジタルリマスター版の映画を鑑賞する際には、こうした多くのスタッフの努力に感謝の思いで観賞したいと思います。
▲男はつらいよシリーズから。画像の色合い、深みが全然違いますね。(^^♪
今年12/24~公開予定の4Kデジタルリマスター版、作業完全密着『モスラ』。これをみると4Kデジタルリマスターの各工程部分のきめ細やかな技術が分かりやすく紹介されています。
多くのスタッフのかたの職人気質がうみだした技術を理解することができます。大げさな言い方ですが、我々、繊細できめの細やかな技術を積み上げてきた日本人にしかできない技術としか言いようがない、といっても過言ではない気がしていますが(^-^;
しかし、一定以上のAV視聴環境がない場合や、ユーザー側のこだわりがなければ、大きな違いを感じられないこともあるようです。必ずしも、認識可能なレベルでの効果を得られるわけではないようです。また、ノイズ除去、音圧補正、コントラスト・発色補正により「オリジナルの良さが失われた」と否定的な見方をされる作品もあるようです。
でも、次世代への映画文化継承保存のことを思えば、貴重な保存技術の一つといえることは間違いありません。

