日本のテレビアニメ昭和徒然史~⑪早く大人になりたい編1968年下期(7月~12月放送開始分)のアニメのご紹介です。その前に、この1968年、こんなお菓子が誕生してたんですね。「はあああ~~」と三橋美智也さんが歌うアニメCMがたまらなく、のどかであります。」キャッチフレーズは「それにつけてもおやつはカール♪」。
▲'86-90 お菓子CM集vol.12 明治 カール
それでは日本のテレビアニメ昭和徒然史~⑪回目は、1968年下期(7月~12月分放送開始分)のアニメ紹介です。
【怪物くん】
『怪物くん』は、藤子不二雄Ⓐの漫画『怪物くん』を原作。1968年4月21日~1969年3月23日までTBS系列で、「不二家の時間」枠で放送されたテレビアニメ化作品の第1作にあたるモノクロ版の『怪物くん』及びその劇場版。15分2話構成で全48回(全96話)。
ユニークだったのは、本編中の登場怪物の解説及びエンディングのナレーションを、当時NET系の『日曜洋画劇場』の解説で人気を博していた映画評論家の淀川長治が担当していたことです。時には実写スチルで登場していました。
▲【MAD】怪物くん in ユカイツーカイ怪物くん
【サスケ】
TJC動画センター製作
1968年9月3日~1969年3月25日 全29話放送
『サスケ』は白土三平の代表作の一つ。真田幸村配下の甲賀忍者、猿飛忍者の一人であり、「猿飛の術」の使い手の父、『大猿』からあらゆる忍術を教えられながら、一人前の男としての成長を描いています。かわいらしい子供のサスケの絵柄とは裏腹に情け容赦のない展開で登場人物が死を描いたり、当時の漫画とは一線を画した作品であったと思います。
また、この『サスケ』では、作中で使用される忍術に、科学的な解説による種明かしがされていましたね。それが子供でもわかりやすく、丁寧に表現されていたのが凄かったですね。
▲サスケ 忍者の世界では常識は通用しない
【夕やけ番長】
『夕やけ番長』は、原作:梶原一騎・画:荘司としおによる日本の漫画作品、それを原作としたテレビアニメです。
漫画版は、『冒険王』(秋田書店)に、作品本編を連載し、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に、サイドストーリーを掲載する方式を採っていた。
1968年9月30日~1969年3月29日まで日本テレビ系列局で、毎週月曜 ~土曜 18:35 ~18:45 に放送。その後も、1969年3月31日から同年9月27日まで同じ時間帯に再放送されています。全26話(全156回)。
このテレビアニメ版では、赤城がキックボクシング部を創設する以前から木曽中に各スポーツ部が存在したりと原作漫画とは時系列や状況が異なっています。
▲夕焼け番長
【佐武と市捕り物控え】
『佐武と市捕物控』は、石ノ森章太郎による日本の漫画、また同作を原作としたテレビアニメ、テレビドラマ、小説。
江戸時代の江戸を舞台に、下っ引きの佐武と、按摩を営む盲目の市が、コンビを組んで殺人事件の解決に挑む、ミステリーの連作短編集。時代劇もの、ミステリーものに分類される。本来は岡引の配下の下っ引きを主人公にしたことが特徴。
1966年に『週刊少年サンデー』で連載を開始した。1968年に『月刊ビッグコミック』に連載の場所を移し、キャラクターデザインは、しばらくの間は漫画的なデフォルメがされた『サンデー』版のものを踏襲していたが、後にリアルなデザインに変更されました。同年、毎日放送をキー局としてテレビアニメ化され、その後テレビドラマ化、小説化もされています。
また、第13回(昭和42年度、1967年)小学館漫画賞受賞しています。
▲佐武と市捕物控 OP ED 【HD】 〈モノクロ
【バンパイヤ】(実写✙アニメ)
『バンパイヤ』は、手塚治虫が『週刊少年サンデー』(小学館)及び『少年ブック』(集英社)に連載した漫画作品で特撮テレビ番組化もされました。
第1部は『週刊少年サンデー』にて、1966年第23号から1967年第19号まで連載されました。手塚治虫本人がこれまでになく重要な登場人物となっているという特徴がありました。第2部はテレビドラマ放映開始時にメディアミックスとして、『少年ブック』にて1968年10月号から1969年4月号まで連載されたが、掲載誌の休刊により未完に終わりました。
1968年10月3日~1969年3月29日までフジテレビ系で全26話が放送されました。実写とアニメの合成のモノクロ作品です。バンパイヤの変身シーンと変身後の動物形をアニメーションで描いています。
パイロット版の制作は、放映前年の1967年春から開始、約8分半のカラー版パイロットフィルムが作られたが、予算の関係でモノクロ制作に変更され、同年5月ごろから第1話の撮影が始まりました。しかし、放送局やスポンサーの獲得に難航したことや、バンパイヤの故郷「夜泣き谷」の設定にテレビ局側からクレームが付き、第1話が三度にわたってリテイクされるなどの騒動に見舞われたため、全26話完成から半年後にようやく放映が開始された。
原作者の手塚治虫も実名で登場するため、当時の虫プロダクションの様子がうかがえるのも見どころです。
設定が原作とは若干変更されている。また、撮影が予定より延びたため、俳優との契約上のこと、テレビ放送上の制約から、変更された部分がありました。さらに、脚本監修の福田善之の降板によって第19話からは上記のように人間と和解したバンパイヤたちと、生き延びていた熱海教授と手を組んだロックとの対決に主軸を置いた勧善懲悪腸に路線が転換されました。
▲バンパイヤ,Vampire - Theme Song 『相棒』シリーズでおなじみの水谷豊さんのデビュー作でもあります。
【妖怪人間ベム】
『妖怪人間ベム』は、1968年(昭和43年)10月7日~1969年(昭和44年)3月31日までフジテレビ系列にて毎週月曜日19時30分 ~20時00分の時間帯で放送されました。全26話。
いつどこで生まれたのか、誰も知らない、人間でも動物でもない異形の怪物――それが「ベム」「ベラ」「ベロ」と名乗る3人の「妖怪人間」である。時には人々に迫害され、また時には友情を育みながら、いつか人間になれる日を夢見て彼らは世に仇なす悪と戦い続けていきます。
1話完結形式で、ベム、ベラ、ベロが3人で各地を放浪しながら妖怪を退治していく展開でした。同年にはフジテレビで先行して東映動画の『ゲゲゲの鬼太郎』が放送されていますが、本作はよりホラー色が強く、西洋的な異国の雰囲気が漂っています。この時期には他にも、『怪物くん』(TBS)、『怪奇大作戦』(TBS・円谷プロ)、『河童の三平 妖怪大作戦』(NET・東映)、『バンパイヤ』(フジテレビ・虫プロ商事)が放送されており、妖怪ブームの感がありました。
▲妖怪人間ベム -オープニング- 「人面の悪鬼」
妖怪人間誕生のオープニングのシーン。インパクト強し~!

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