日本のテレビアニメ昭和徒然史~㉖回目のご紹介の前に、
1974年の忘れられない思い出の一つ・・・
★ 1974年(昭和49年)10月14日、プロ野球界で一人の、スーパースターが、引退しました。読売巨人軍の長嶋茂雄さんです。私ももの心ついた時から、ジャイアンツの試合を見るたび、あのしなやかなフィールディング、打席でのスバ抜けた集中力とカン、素晴らしいプレーに何度も感動したものです。
引退後のテレビでのインタビューか何かで、「華やかな野球人生だったと思うのですが、有終の美で飾られた感想はいかがですか?」と問われた時、長嶋茂雄さんの第一声が印象的でした。「いやあ~、感想ってないですよ。もう辛くて辛くてねえ~。仕方がなかったですよ。むしろ、苦しんだことのほうが多かったです。楽しみは少なかったですよ。」厳しかったプロの世界で、この言葉であります。私にとっては、心に残った名言でした。
▲長嶋茂雄 引退セレモニーで伝説の引退スピーチ(1974年10月14日)
本作は『マジンガーZ』の続編となっており、マジンガーシリーズの第2作にあたります。スーパーロボット・グレートマジンガーは『マジンガーZ』の最終回で窮地に陥ったマジンガーZを救出するシーンで初登場し、そのまま本作『グレートマジンガー』へとストーリーがつながっています。
『グレートマジンガー・放送データ』
放送期間:1974年(昭和49年)9月8日~1975年(昭和50年)9月28日
放送局:フジテレビ系列
放送時間帯:毎週日曜日19時 ~19時30分 全56話
制作:東映動画・旭通信社製作のロボットアニメ。
平均視聴率:22.8% なお、前作マジンガーZは40話頃より、30%に迫る高視聴率であったとされています。
〔グレートマジンガー・ストーリー〕
マジンガーZを開発した兜十蔵博士は、息子である兜剣造博士が、実験中の事故で瀕死の重傷を負ったため、サイボーグとして息子を再生させます。その後、来たるべきミケーネ帝国との戦いにそなえ、兜剣造博士は、十蔵の設計したマジンガーZをベースに、パワーアップさせたグレートマジンガーを研究開発します。孤児であった剣鉄也と炎ジュンを引き取り、スーパーロボットのパイロットとして育成しながら戦いの日に備えていました。
息子・甲児がマジンガーZでドクター・ヘルと戦っている間、剣造はその戦いを見守ることしかできなかった。だがドクター・ヘルの敗北後、地底に潜んでいたミケーネ帝国が地上侵略へと動き出します。ミケーネ帝国の「戦闘獣」は、Drヘル率いる機械獣とは比べ物にならない強度と攻撃力を備えていました、その「戦闘獣」の前にマジンガーZは、たちまち窮地に追いつめられ、パイロット兜甲児も瀕死の負傷を負い、絶望に落とされたその時、ついに兜剣造はグレートマジンガーを出撃させます。鉄也のグレートマジンガーは、初出撃で3体の戦闘獣を一蹴してミケーネ帝国の前にその力を示すことになります。以後、マジンガーZに代わってグレートマジンガーが地上を防衛する任に就き、ミケーネ帝国との新たな戦いが始まったのです。
なお、前作『マジンガーZ』の主人公・兜甲児はアメリカ(ワトソン研究所)へ留学したという設定となり、本作中にはほとんど登場しません。ただし、終盤で、パワーアップされたマジンガーZと共に日本に帰国。再登場しピンチに落ちたグレートマジンガーを助け、グレートマジンガーとの共闘しミケーネ帝国に立ち向かいます。
また、次作『UFOロボ グレンダイザー』では、兜甲児は、登場することになります。
🧐グレートマジンガーは、ロボットメカの設定としては、マジンガーZを超えてはいますが、前作Zでは毎週のように、街や都市が"破壊される”印象が凄かったとの印象があるのですが、本作グレートマジンガーでは、その破壊という点が抑えられていたのかな?という印象が強いです。調べてみると、1974年という年は、戦後高度成長期の中で、戦後初のマイナス成長の年です。ひょっとしたら、こういう時代背景からの影響を受けていたのだろうかと個人的に考察しています。
以降のロボットものは、かなりロボットそのものの設定(たとえば合体ものが増えてくる)を表現することにポイントがおかれている作品が多くなっていきます。
▲おれはグレートマジンガー
オープニングテーマ「おれはグレートマジンガー」
作詞 - 小池一雄 / 作曲・編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - 水木一郎、コロムビアゆりかご会
【ウリクペン救助隊】
〔ウリクペン救助隊・放送データ〕
『ウリクペン救助隊』(ウリクペンきゅうじょたい)は、
放送局:フジテレビ系列局で放送されていたテレビアニメである。
制作:ユニマックスとタツノコプロが共同制作。権利はMK COMPANYが所持。全132話(全22回)。
放送期間:1974年9月30日から1975年3月29日
放送時間帯:毎週月曜 ~土曜 18:55 ~19:00
〔ウリクペン救助隊・ストーリー〕
ウリクペン王国の動物たちによる救助隊「ウリクペン救助隊」が、森の動物たちを災難から救助するという作品です。「ウリクペン」の名は、当初のメンバーであるウサギ、リス、クマ、ペンギンからによるものです。
本作は、ウリクペン救助隊の出動シナリオを1週間かけて描くスタイルがとられていて、毎週土曜日にはその週に最も早く到着できた救助隊員に「今週の功労賞」が与えられる模様を放送していた。
▲ウリクペン救助隊OP
●前期オープニングテーマ「がんばれ!ウリクペン救助隊」
作詞 - なかたにくにお / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 水木一郎、コロムビアゆりかご会
【破裏拳ポリマー】
★『破裏拳ポリマー』(はりけんポリマー)は、NET日本教育テレビ(現在のテレビ朝日)系で放送されたテレビアニメ作品です。全26話。
〔破裏拳ポリマー・放送データ〕
関東地方での放送期間:1974年(昭和49年)10月4日~1975年(昭和50年)3月28日まで、
関東地方での放送時間帯:毎週金曜日18時00分 ~18時30分
●同時ネットではなかったため、地域によって放送期間・時間は異なっています。
◆『破裏拳ポリマー』は、1974年の前期に終了した『科学忍者隊ガッチャマン』『新造人間キャシャーン』に続いて製作されたタツノコSFアクションヒーロー第3弾となります。
1973年に映画界で、ブルース・リー主演の『燃えよドラゴン』が大ヒット、大成功をおさめたため、大カンフーブームが巻き起こりました。本作は、その影響を受けて、主人公の顔がブルース・リーをモデルにしたものになりました。また、アクションの際のかけ声もブルース・リーを意識したものとなりました。演じた曽我部和恭(当時・曽我部和行)は、ブルース・リー風にとの注文を受けて、ブルース・リーの映画を何回も見に行ったというエピソードが残されています。
🧐科学忍者隊ガッチャマン、新造人間キャシャーンは、タツノコらしいシリアスな雰囲気の作品でしたが、当時、この破裏拳ポリマーを最初に見た印象としては、かなりPOPなコメディー調に仕上がっているのには驚きました。舞台となっている都市の名前も「アメホン国ワシンキョウ市」とか、1話ごとに変わる敵のキャラ集団も一風変わっていて、この作品の世界観にはちょいと笑えます。
◇設定(破裏拳ポリマーに関する設定はかなりマニアックな設定には驚愕~)
●まず、破裏拳ポリマーの破裏拳の意味ですが、これは柔道3段・空手3段の腕前を持つ鎧武士(鬼河原武)がポリマーの性能を引き出すために編み出した我流の拳法、これが「破裏拳流」です。
空手や柔術などをベースにした格闘技を融合し、それを極めた拳法です。回転や遠心力を利用した動きで敵の裏を破り、多数の敵を効率的に倒す戦術を持っています。基本的にスピードを生かした戦法を使うのですが、敵に隙を与えないためと、転身の制限時間内(46分1秒、1秒ってなんなのでしょうか?(笑))に敵を倒さなければならないことから生まれた拳法といえるでしょう。
使用時の直前、溜めに入る形で「破ー裏けーん」と叫び、技の使用中はブルース・リーばりの怪鳥音を口にします。
主に多様する技は、高速で動くことによって自己の幻影を見せ、敵を幻惑・翻弄させて倒す「幻影破裏拳」(オープニングテーマ「戦え! ポリマー」の歌詞にも登場する)、片手で持ち上げ高速回転させて投げ飛ばす「真空片手独楽」、回転しながら多数の敵を蹴り倒す「回転蹴り」、ジャンプした反動を利用して何度も敵に蹴りを浴びせる「反動三段蹴り」などがある。殺傷力の高さゆえか、武の転身前には使われることはありません。
★ポリメット
武士が肌身離さず被っている赤いヘルメットのこと。オレガー・スッテル博士が自らの発明した高分子重化合物「ポリマー」により、地球上のあらゆる環境を克服する目的で開発した。
ヘルメット自体が、ポリマー粒子で作られ、顎の部分に内蔵されたマイクから登録された人物の声紋に反応して、ヘルメットに内蔵されているコンピューターに、形態・機能がプログラムされた6種あるマイクロカプセルのいずれかが挿入され、コンピューターの指示に応じてポリマー粒子が形質変化を起こして装着者の体を被覆し、強化服ポリマースーツ他、5種のメカ形態に「転身」する機能を持っています。動力源は磁気を用いた電磁フィールド。これはメカ形態の稼動・推進のみならず、ポリマースーツのトリッキーな動きを可能にするシステムとなっています。
ポリマー誕生の秘密が明かされた第17話作中にて全6種の転身解説シーンが存在し、ポリマースーツ・マシン・ドリル・ローラー・グランパス・ホークの順に登場する。この時ポリメット内に6本並んだマイクロカプセルの挿入も一番左(武士にとっては右端)から順に行われている。
しかし、このポリマースーツにはいくつかの弱点が存在します。まず皮膚呼吸が出来ないために転身には46分1秒という制限時間がある。また電磁フィールドを動力源としているため、電磁フィールドの停止してしまうマイナス50℃以下の極低温状態や、長時間電流を浴び続けて磁気が乱されて電磁フィールドが形成できなくなるなどの状態では、いずれも転身が解除されてしまう。特に後者は見破った敵が登場したことによって、ポリマーは窮地に立たされることになる。
▲破裏拳ポリマー OP ED 【HD】
●オープニングテーマ - 「戦え!ポリマー」
作詞 - 鳥海尽三 / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - ささきいさお、コロムビアゆりかご会
●エンディングテーマ - 「転身ポリマー」
作詞 - 酒井あきよし / 作曲・編曲 - 菊地俊輔(CDでは菊池俊輔)/ 歌 - ささきいさお、コロムビアゆりかご会
【ジムボタン】
『ジムボタン』は、ミハエル・エンデ(ミヒャエル・エンデ)著の児童文学『ジム・ボタンの冒険』を原作とするテレビアニメです。
制作:毎日放送とエイケンの共同製作。
放送期間:1974年10月4日~1975年3月28日までNET系列局で放送された。全26話。
★母を邪悪な魔神にさらわれ、恋人も小鳥にされてしまうという悲劇に見舞われながらも、母を救うために戦うドラマを描いています。原作の『ジム・ボタンの冒険』とは違う、ヒーロー作品となり、大幅なアレンジがされまました。
〔ジムボタン・ストーリー〕
「ナンデモランド」と呼ばれる島に洋裁の達人である母ニーナと2人きりで住む少年ジム。ジムは正義感は強いが、手の付けられない暴れん坊で、いつも学校をサボってばかり。発明家のルーカスが作った、笛で操る蒸気機関車「エマ」に乗せてもらっている。
実は、ルーカスがエマを作ったのにはそれなりの理由があったのです。ナンデモランドの北方の山奥に住み、ナンデモランドばかりでなく、世界中の人々を不幸に陥れようとする悪の王・魔神ドリンガーに対抗するために作られたものだったのです。
ルーカスの胸騒ぎは的中し、ドリンガー軍団第1の刺客・海賊キャプテンキット(下半身が飛行海賊船となっている海賊)が部下ブラックを連れて、ナンデモランド上空に現れます。石化爆弾でルーカスを始めとするナンデモランドの大人達を石に変え、ブラックが魔法銃で子供達を動物に変え、ガールフレンドのポッコも小鳥にされてしまいます。
さらにドリンガーはニーナの洋裁の腕に目をつけ、ニーナに妖力を発生出来る服を作らせるために、配下のコウモリ男爵にニーナをさらわせた。かくてジムは、自分の家に代々伝わるボタンを胸に、ポッコと自我を持つ機関車エマとともに、母親を取り戻すための旅にでます。
行く手には、次々とドリンガー軍団が襲ってきます。ジムは、ボタンを握り締めて発動する「ボタンパンチ」と、ボタンを投げつける「ボタンシュート」を武器とし、ドリンガー軍団と戦っていくことになります。
●オープニングテーマ「ジムボタンの歌」
作詞 - 保冨康午 / 作曲・編曲 - 越部信義 / 歌 - 堀江美都子、こおろぎ'73
●エンディングテーマ「ポッコちゃんが好き」
作詞 - 保冨康午 / 作曲・編曲 - 越部信義 / 歌 - 堀江美都子
