◆日本のテレビアニメ昭和徒然史~㊶宇宙海賊登場編。今日は1978年(昭和53年)上期(1月~6月放送開始分PARTⅠ)の作品紹介です。
【ペリーヌ物語】
『ペリーヌ物語』は、フランスの小説家エクトール・アンリ・マロのアン・ファミーユ』(En famille、「家族と共に」の意)が原作。邦題は『家なき娘』または、『家なき少女』。日本アニメーション制作のテレビアニメーション作品です。「世界名作劇場」の第4作に当たる。1978年文化庁こども向けテレビ用優秀映画作品賞を受賞。
◆ペリーヌ物語・放送データ
原作:エクトール・アンリ・マロ
監督:斎藤博・腰繁男
脚本:宮崎晃・加藤盟・佐藤嘉助
キャラクターデザイン:関修一
音楽:渡辺岳夫
制作:フジテレビ、日本アニメーション
放送期間:1978年1月1日から12月31日
放送局:フジテレビ系列
放送時間帯:毎週日曜19:30 ~20:00(JST) 全53話。が放送された、
制作:日本アニメーション
◆ペリーヌ物語・あらすじ
父を亡くし、旅の途中で母も失ったペリーヌは、フランス・マロクールで織物工場を経営する祖父ビルフランの元に身を寄せようと旅を続けていた。しかしペリーヌは、祖父が優しさやいたわりを知らない孤独で冷徹な人間であることを知る。
オーレリィと名を変えマロクールでの生活を始めたペリーヌは、ビルフランに通訳の才能を認められ、孫であることを知らせないまま秘書を務めることに。やがてビルフランは、ペリーヌの優しい心に触れていくうちに人を思いやる心を持つようになる。
そして冬のある日、ペリーヌはついにオーレリィでなく、本当の孫として祖父と再会を果たすのでした。
【魔女っ子チックル】
『魔女っ子チックル』は、永井豪とダイナミックプロ原作の魔法少女アニメ作品です。
◆魔女っ子チックル・放送データ
原作:永井豪とダイナミックプロ
監督:久岡敬史(チーフディレクター)
脚本:馬嶋満、田村多津夫、篠崎好、富田祐弘、曽田博久、酒井あきよし、三宅直子、辻真先、相原道子、原島将郎、田口成光、山本優、雪室俊一、安藤豊弘、金春智子、鷺山京子
音楽: 渡辺岳夫
放送期間:1978年3月6日から1979年1月29日
放送局:テレビ朝日系列
放送時間帯:毎週月曜 19:00 ~19:30 全45話。
制作:テレビ朝日、大広、東映
アニメーション制作:日本サンライズ
◆魔女っ子チックル・ストーリー
小森チーコは、小学5年生に進級する女の子。ある日、親友であるミヨちゃんが北海道に引っ越すことになってしまいまうす。チーコは自分の誕生日にお別れのパーティーを開くことをミヨちゃんと約束したのに、誕生日の前日に断りもなくミヨちゃんは北海道に行ってしまいます。
ショックを受けたチーコは、ふと通りがかった本屋に立ち寄ったところ、綺麗な絵本が店頭に置いてあった。チーコはこの本を欲しいと感じたが、本屋の店員によれば、その本は既に売れてしまったとショックを受けてしまいます。
チーコが帰宅し、父の冬吉、母の春子、妹のヒナとの家族四人で誕生パーティーを祝っている時に、冬吉から誕生日プレゼントがわたされました。
そのプレゼントは、チーコが本屋で見つけた絵本だったのです。店員が言った「男の人」とは父の冬吉だったのである。
チーコが部屋でその絵本をそっと開いてみると、なんと、絵本の中から助けを求める女の子の悲鳴が聞こえてきました。なんと、絵本の世界の中で怪獣に追いかけられているのです。チーコが助ける方法を尋ねると、その女の子は「クルンカクルンカテコポコテン!」という呪文を唱えるようチーコに促した。チーコがその呪文を唱えると、絵本から女の子が飛び出してきたのです。彼女こそが魔法の国の「魔女っ子チックル」だったのである。チックルはいたずらが過ぎたために絵本の世界に封印されていたのでした。
最初は「この世に魔法使いなんかいるはずがない」とチックルのことを疑っていたチーコも、やがてチックルと仲良くなり、魔法の力で小森家の双子の姉妹として生活することになりました。こうしてチックルチーコの「ラッキーペア」が誕生したのであった。 (第1話「ラッキーペァー誕生」より)
以降、学園生活を送るチックル。熱血先生に美人女教師、厳格な教頭に温厚な校長、ガキ大将、意地悪なお嬢様とその取り巻き、あこがれの上級生などなど、いろいろな人々と、さまざまな事件や経験を体験する。
最初はいたずらをしては騒動を起こしてばかりのチックルでしたが、次第に人助けのために活躍するようになります。チックルを諫めていたチーコとは、本当の姉妹のように仲良くなっていった。チックルが魔女っ子であることは人々に知られてはいけないのだが、チーコの実妹ヒナだけは、チックルが魔法を使用するのをたびたび目撃しており、魔女ではないかと疑っている。とはいえ、遊んでくれるチックルに結局は懐いていた。
季節は巡り、すっかり人間界に馴染んだチックルであったが、ある日、魔法界よりチックルを連れ戻すべく「オジャマ大王」を名乗る魔法界からの使者がやってきて、魔法界へ帰ることを促すが、チックルはこれをこばみます。やむなく大王はチックルが人間界にいられなくなるよう、騒動を起こします。たびたびチックルのことを疑問に思っていたヒナに続き、冬吉も、時折チックルが自分の娘ではないように感じることがあると言い出し始める。この時常にチックルをかばっていたのは、チーコの母、春子であった。その優しさに感動するチックル。
しかし大王の工作はついに小森家にまで及び、大王の魔法で台所を飛びまわった包丁が春子に迫ったその時、チックルは小森家の前で魔法を使い、春子を助けます。すべてを話し、小森家の人々に詫びるチックル。ヒナは、一緒に魔法界に連れて行くようチックルに願うが、それが無理であるとわかると、絵本を取り上げ、庭で行っていた焚火で絵本を燃やしてしまいます。大王はあわてて絵本に飛び込み、絵本からしか魔法界に戻れないこと、絵本が燃えれば魔法を使えなくなることをチックルに告げ、改めて魔法界への帰還を促す。しかし、チックルの意志は固く、また小森家も、チックルに家族のままでいてほしいと懇願する。絵本は燃え尽き、大王は「魔法使いのことはくれぐれも秘密」と言い残して、魔法界へと去って行った。
そこへ、大王の騒動でチックルが壊してしまった学校の飼育小屋の修理を手伝おうとする仲間たちが呼びに来る。改めて両親に「お父さん、お母さん行ってきます」と告げ、チックルは「人間界の住人」としての生活に戻ったのである。
▲魔女っ子チックル オープニングテーマ - 「魔女っ子チックル」
●オープニングテーマ - 「魔女っ子チックル」
作詞 - 永井豪 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 馬飼野俊一 / 歌 - 堀江美都子・コロムビアゆりかご会
●エンディングテーマ - 「チックルチーコのチャチャチャ」
作詞 - 渡辺岳夫[19] / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 馬飼野俊一 / 歌 - 堀江美都子・コロムビアゆりかご会
【宇宙海賊キャプテンハーロック(第一作)】
『宇宙海賊キャプテンハーロック』は、松本零士原作の漫画、それを原作とする同一タイトルのテレビアニメ作品です。
◆宇宙海賊キャプテンハーロック・放送データ
原作:松本零士
監督:りん たろう
アニメーション制作:東映動画
放送局:テレビ朝日系
放送期間:1978年3月14日 ~1979年2月13日 全42話
◆宇宙海賊キャプテンハーロック・テレビアニメストーリー
🧐原作と比較してアニメではオリジナルストーリー性が強く、結末がことなるので、共通の部分のみを紹介します。
2977年、退廃した人類の住む地球に、宇宙から、巨大な黒い球体が降ってきました。表面にはマヤ文明の象形文字風の意匠が円形に刻まれ、地球政府が無視したそれは「マゾーン」という宇宙からの侵略者が打ち込んだ、惑星の所有を誇示する「ペナント」だったのです。
その危険を警告しようとした台羽博士と親友であるクスコ教授は、ペナント打ち込みに先立って侵入していたマゾーンたちに、自分たちのことを世間に知らせまいとして殺されてしまいます。辛うじて生き延びた台羽博士の息子・正は、マゾーンに何ら手を打とうとしない地球政府に見切りをつけます。
彼は、宇宙海賊として知られていたキャプテンハーロックの宇宙戦艦アルカディア号に乗り込むことになります。台羽正という新たな仲間を加え、ハーロック及び40人の海賊とアルカディア号による、謎の侵略者マゾーンたちとの戦いがはじまったのです。
実は本作の視聴率は、平均視聴率6.9%と当時のゴールデンタイムのアニメとしてはかなり低かったのです。しかし、熱心なアニメファンによりテレビ局には絶賛の声が多く寄せられた。当時、確か打ち切りの話があって、私も友人と一緒に応援のテレビ局にレポートを送ったことがあります。
参考:山口康男『日本のアニメ全史 世界を制した日本アニメの奇跡』テン・ブックス、2004年、p.113。
日本国内での視聴率は振るわなかったものの、日本国外への販売も行われ、ヨーロッパでは人気を呼びました。フランスでは1980年に公共放送「アンテンヌ2」の子供向け番組『レクレA2』内にてハーロックの名をアルバトールに変え、『Capitaine Albator』として放送されました。同年にイタリアでも放送されました。
参考:清谷信一『ル・オタク フランスおたく事情』ベストセラーズ、1998年、p.41。
参考:古田尚輝『鉄腕アトムの時代 映像産業の攻防』世界思想社、2009年、pp.256-257。
🧐私もキャプテンハーロックの大ファンなのですが、一つ言えるのは、ファンはハーロックだけでなく、松本零士のオリジナルキャラクターには、共通の独特の宇宙観、世界観の中にあって、キャプテンハーロックだけでその魅力を伝えきれないという考え方があるのではないでしょうか?
『宇宙海賊キャプテンハーロック』は熱心なファン層が支えたと言っても過言でない作品といえます。
▲アルカディア号
ハーロックの乗艦にして本作の主役メカ。ハーロックの友人・大山トチローの手で設計された全長400mの海賊戦艦。艦載機としてスペースウルフ、ボレットなどを搭載する。武装は主砲パルサーカノン、速射砲スペースバスターなど。艦首に内蔵されたラム(衝角)を突き出して敵艦を貫通することもできる。
本作のアニメ終了後に公開された『999』劇場版では船体色を青から緑に変更し、船首を始めとしてデザインも大幅に変更されたアルカディア号が初登場した。
▲宇宙海賊キャプテンハーロック
2曲ともに、作詞 - 保富康午 / 作曲 - 平尾昌晃 / 編曲 - 横山菁児 / 歌 - 水木一郎
●オープニングテーマ - 「キャプテンハーロック」
ハーロックの地球や親友・トチローに対する想い(“明日のない星” “滅びてもいい”と思いつつもやはり俺は守って戦うよ)を歌った曲で、第3話でのマゾーンとの対艦戦では挿入歌としても使用されている。第17話では、劇中で酒に酔った魔地が機関室で音程を外しながら歌っていた。
●エンディングテーマ - 「われらの旅立ち」
「君が気に入ったなら 生きるためなら 戦うなら 男なら この船に乗れ いつか無くした夢がここにだけ生きている」という歌詞にあるように、ハーロックがアルカディア号への乗船を呼び掛けるものとなっていて、ロマンアルバムでは“物語中の登場人物のみならず、ハーロックが私たちに語りかけているように聴こえる。” と記述されている。エンディングの映像では宇宙へ飛び去るアルカディア号を見上げながらどこまでも追いかけてゆくまゆの姿が描かれています。
【闘将ダイモス】
『闘将ダイモス』(とうしょうダイモス)は、1978年4月1日から1979年1月27日まで、テレビ朝日系列で毎週土曜18:00 - 18:30(JST)に全44話が放送された、東映制作のロボットアニメ。
◆闘将ダイモス・放送データ
原作:八手三郎
監督 :長浜忠夫
キャラクターデザイン: 聖悠紀
アニメーションキャラクター:金山明博
メカニックデザイン:スタジオぬえ、出渕裕
放送期間:1978年4月1日~1979年1月27日
放送局:テレビ朝日系列局。
制作:東映、東映エージェンシー、テレビ朝日制作 全44話。
放送時間帯:毎週日曜 18:00~18:30 。
◆闘将ダイモス・放送データ
母星を失って巨大宇宙船で宇宙をさまよい、太陽系に現れたバーム星人。安住の地を求めて呼びかけた地球人との会見は、バーム星代表のリオン大元帥が何者かに毒殺されるという事件がおきてしまいます。後任のオルバンは、これを地球側の陰謀であるとして人類に報復宣戦。1999年、リオンの遺児リヒテル提督に率いさせた戦闘ロボ軍団で攻撃を開始します。
そこへ巨大変形ロボ「ダイモス」を駆ってバームのメカ戦士と戦う竜崎一矢は、戦いの中で、記憶喪失の少女エリカとで会います。いつしか2人は恋に落ちてしまいます。
しかし、実はエリカは、バーム星人であり、リヒテルの妹だったのです・・・
▲闘将ダイモス (OP&ED)
主題歌
●オープニングテーマ「立て! 闘将ダイモス」
作詞 - 八手三郎 / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - ささきいさお、コロムビアゆりかご会
●エンディングテーマ「エリカのバラード」
作詞 - あおいあきら / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - かおりくみこ、大倉正丈
【SF西遊記スタージンガー(第一作)】
『SF西遊記スタージンガー』は、フジテレビ系列局で放送されていた松本零士原作のテレビアニメ作品です。
◆SF西遊記スタージンガー・放送データ
原作:松本零士
監督 :芹川有吾(チーフディレクター名義)
脚本: 田村多津夫、富田祐弘、馬嶋満
キャラクターデザイン: 須田正己
放送期間:1978年4月2日~1979年6月24日
放送局:フジテレビ系列局。
制作:東映動画と旭通信社の共同製作。全73話。
放送時間帯:毎週日曜 19:00~19:30 。
★『西遊記』をベースにした石川英輔による小説『SF西遊記』を原案とするSFアニメ作品です。富田祐弘氏のアニメ脚本家としてのデビュー作でもある。
本作は、1970年代後半の『宇宙戦艦ヤマト』に始まった松本零士ブームに製作されました。前番組『惑星ロボ ダンガードA』から引き続き松本零士氏が、アニメ用の設定を描き下ろしました。また、それまでフジテレビの日曜19:00枠では『マジンガーZ』に代表される巨大ロボットアニメが続いていたが、本作で等身大のヒーローが活躍する路線へと転換されました。とはいえ、原典の孫悟空が巨大化できるという設定があるからなのか、『SF西遊記スタージンガーII』への改題とともに主人公クーゴが巨大化して戦う設定が追加されました。
この時期には、フジテレビ以外の局でも同じく『西遊記』をモチーフにした作品群が放送されており、日本テレビではドラマ『西遊記』が、TBSではザ・ドリフターズによる人形劇『飛べ!孫悟空』が放送されています(下段参考)。
◆SF西遊記スタージンガー・ストーリー
銀河系宇宙の中心である大王星から放射されるギャラクシーエナジーが弱まったため、宇宙の様々な星で天変地異が起こり、銀河宇宙は乱れに乱れ始めます。本来は善良であった宇宙生物までもが、スペース・モンスターとして凶暴化し、暴れまわっていた。
この事態の進展を止めるには、太陽系の惑星(地球)に住むオーロラ姫の力が必要だった。そこでオーロラ姫は銀河系の暴れん坊であるサイボーグ、ジャン・クーゴとドン・ハッカ、サー・ジョーゴを3騎士として従え、宇宙の平和を取り戻すため、スペース・モンスターや凶悪異星人と戦いつつ天竺(=大王星)を目指す旅を続けていくことになるのです。
▲スタージンガー OP&ED
「スタージンガーの歌」
作詞 - 伊藤アキラ / 作曲 - 菊池俊輔 / 編曲 - 青木望 / 歌 - ささきいさお、こおろぎ'73
第1話~第29話
「宇宙の戦士スタージンガー」
作詞 - 伊藤アキラ / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - ささきいさお、神代ユースコーラス
第30話~第64話
エンディングテーマ
SF西遊記スタージンガー
「姫のためなら」
作詞 - 伊藤アキラ / 作曲 - 菊池俊輔 / 編曲 - 青木望 / 歌 - こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会
(特設)
1978年は、
※この頃、TVで西遊記をモデルにした作品が、放送されています。ちょっと脱線するようですが、『スーパーモンキー孫悟空』と『西遊記』の2作をYouTubeでオープニング(OP)のご紹介をしてみました。『西遊記』での三蔵法師役の夏目雅子さん、めちゃ可愛いで~す。27歳の若さで亡くなられましたが、私、今でも大ファンです(^^♪
オープニングで使われた『モンキーマジック』を作ったプログレッシブ・バンド、ゴダイゴもこの頃から、翌年1979年の『銀河鉄道999』へと大ヒットを連発していきます。アー、懐かしい。👇
▲スーパーモンキー孫悟空 - ピンクレディーSuper Monky Songoku
『西遊記』をモチーフにしたドリフのメンバーを本家の登場人物にたとえ、メンバーそっくりの人形を登場させ、各メンバーが声をあてていました。原作の三蔵一行の4人に対してドリフは5人だったため、加藤茶は、彼の代表キャラクターである酔っ払いハゲ親父の「カトウ」役で出演した。
スーパーモンキー孫悟空。ピンクレディーとドリファターズと人形劇のオープニングコラボ。今の時代では考えられませんね~。
▲西遊記オープニング 「モンキーマジック」 演奏:ゴダイゴ
1978年は日中平和友好条約が調印された年であり、当時としては画期的な中国ロケが、中央広播事業局(現在の国家広播電視総局)による協力のもとで行われました。
●『西遊記』の平均視聴率は約19.5パーセント。最高視聴率は最終回の27.4パーセント。裏番組に大河ドラマ『草燃える』相手にこの視聴率。凄い(+_+)

