◆日本のテレビアニメ昭和徒然史~㊻多彩な1979年編の今回は、1979年(昭和54年)上期(1月~6月放送開始分PART1)の作品紹介です。1979年はアニメ作品の歴史の中でも、名作あり、長寿作、人気作誕生ありとかなりバリエーションの増えた年ではなかったかなと思います。
【野ばらのジュリー】
『野ばらのジュリー』は、1979年1月4日から同年4月5日まで東京12チャンネル(現在のテレビ東京)で放送されたテレビアニメ作品です。全13回。放送時間(JST)は毎週木曜19:30~20:00。麒麟麦酒一社提供アニメシリーズ『キリン名曲ロマン劇場』の第1作。
野ばらのジュリー・放送データ
原作 :丹野雄二(DAX。「原案」名義)
企画: 丹野雄二(DAX)
脚本 :才賀明ほか
監督 :葛生雅美
出演者: 一城みゆ希、川島千代子、三ツ矢雄二、奈良岡朋子ほか
制作:プロデューサー 丹野雄二(DAX)
制作 :東京12チャンネル、ダックスインターナショナル
放送期間 :1979年1月4日~同年4月5日 全13話
🧐名曲クラシック音楽を主題に新規のドラマを構成する「名曲ロマンシリーズ」の第一弾作品です。本作は、楽才シューベルトの楽曲「野ばら」が元となっています。
第一次世界大戦の傷跡も癒えないウィーン。両親を戦災で失った11歳の少女ジュリー・ブラウンは、叔父カールに引き取られます。優しい叔父夫婦や従兄弟たちとの新生活になれるジュリーですが、時代はかつてない不況を迎えようとしていました。そんな中、ジュリーの明るさは、周囲の人々の心に勇気と希望の光を灯すのでした。番組の趣旨通りに、全編を通じてクラシックが効果的に多用され、独特の格調を獲得する作品に仕上がっています。
▲Julie, La Rosa Silvestre - OP Japones HD
●オープニングテーマ
「野ばら」 作詞 - ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ / 作曲 - フランツ・シューベルト
エンディングでも使用時期有り。
●エンディングテーマ
「山のヨーデル」 チロル民謡
【赤毛のアン】
『赤毛のアン』は、1979年1月7日から12月30日まで、フジテレビ系列で毎週日曜19:30-20:00(JST)に全50話が放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメ。「世界名作劇場」の第5作目にあたります。厚生省児童福祉文化賞受賞しています(1979年)。
赤毛のアン・放送データ
原作: L・M・モンゴメリ
監督: 高畑勲
脚本: 高畑勲、千葉茂樹、神山征二郎、荒木芳久、ほか
キャラクターデザイン: 近藤喜文
音楽 :毛利蔵人
アニメーション制作 :日本アニメーション
製作 日本アニメーション、フジテレビ
放送局 :フジテレビ系列
放送期間 :1979年1月7日~1979年12月30日 全50話
アン ー 山田栄子
マシュウ ー 槐柳二
マリラ ー 北原文枝
ダイアナ ー 高島雅羅
ナレーター ー 羽佐間道夫
赤毛のアン・あらすじ
🧐『赤毛のアン』の簡単なあらすじをご紹介します。主人公アン・シャーリーは、赤毛でやせた女の子です。幼い頃に両親を亡くしたことで、孤児院で過ごしていました。 しかし手違いから、農作業の手伝いに男の子を引き取るはずだったマシュウとマリラ兄妹に引き取られ、プリンスエドワード島にあるグリーンゲイブルズで生活することになります。
アンはとても空想家でおしゃべり好きな女の子です。育ての親となるマシュウやマリラの家から学校に通い、近隣の人達やクラスメイトと共に、美しい島の暮らしを存分に楽しんでいます。でも、かんしゃくもちのアンは、容姿をけなしたリンド夫人にくってかかったり、赤毛を「にんじん」とからかったギルバートの頭を石板で叩いて絶交したり、様々な騒動を引き起こします。
アンは、そそっかしいところもあり、葡萄酒をいちご水と思い込み、ダイアナに飲ませて酔っぱらわせたり、数々の失敗をします。その度に大騒ぎになりますが、持ち前の明るさで乗り越え、多くの人々に愛されながら成長していきます。
頑張り屋でよく勉強するアンは成績優秀で、「にんじん」とからかわれて以来絶交しているギルバートとは、宿命のライバルでもあります。二人で成績を競い合ったりする中、アンは教師になろうと決心し、クイーン学院を受験し、ギルバートと共に首席で合格します。シャーロットタウンにあるクイーン学院では、ステラ・メイナードやプリシラ・グラントなど新しい友人もでき、さらに勉学に励み、大学に進むエイブリー奨学金も受賞します。
ところが、大学進学という夢に胸を膨らませていたその矢先、突然マシュウが心臓発作で亡くなります。年老いたマリラをひとり残してはおけないと考えたアンは、大学への進学をあきらめ、近くの村の教師になる決心をします。
しかし、アンの事情を伝え聞いたギルバートが、すでに決まっていたアヴォンリーの学校の教職を譲ります。この出来事がきっかけとなり、長い間仲違いしていた二人は、ついに仲直りすることになるのですが・・・
▲赤毛のアン 第1話「マシュウ・カスバート驚く」
日本アニメーション・シアター チャンネル登録者数 5.12万人
●オープニングテーマ「きこえるかしら」
作詞 - 岸田衿子 / 作曲・編曲 - 三善晃 / 唄 - 大和田りつこ
●エンディングテーマ「さめないゆめ」
作詞 - 岸田衿子 / 作曲・編曲 - 三善晃 / 唄 - 大和田りつこ
『タイムボカンシリーズ ゼンダマン』は、1979年2月から1980年1月までフジテレビ系列で、全52話が放映された、タツノコプロ制作のテレビアニメ作品です。
タイムボカンシリーズ ゼンダマン・放送データ
原作:タツノコプロ企画室
総監督:笹川ひろし
脚本:小山高男ほか
キャラクターデザイン:天野嘉孝
メカニックデザイン:大河原邦男
放送局:フジテレビ系列
放送期間:1979年2月3日~1980年1月26日
話数 全52話
★『タイムボカン』と『ヤッターマン』のヒットを受けて制作された、好評の「タイムボカンシリーズ」3作目となります。タツノコプロ創業者である吉田竜夫氏が、前作の放送期間中に死去したのに伴い、本作品からは竜夫の後を継いでタツノコの社長に就任した吉田健二氏が、制作者としてクレジットされています。また善玉2人の声優に三ツ矢雄二氏と、当時新人だった滝沢久美子さんを新たに登用、さらに前作まで主題歌の歌唱を手がけていた山本正之も、声優として参加、悪玉サイドにメンバーの増員が行われるなど、様々な変更点もみられます。
本作品では『タイムボカン』以来のタイムトラベル要素が復活し、「タイムトンネル」という設定を生かして過去の人物を呼び出した後、バトルの舞台を現代で行うという流れも時折見られました。また「行き場所」については、前2作のような「2クール目からの路線変更」は行われず、第2話の「浦島太郎」を皮切りに初期から「日本昔話」や「世界名作童話」が取り上げられている。ただし場所や人物の名称は『タイムボカン』のようにそのまま、もしくは『ヤッターマン』のように改変されていたりと、必ずしも一定している訳ではない。
毎回のハイライトである善悪のバトルに関しては、前半はファンファーレやゾロメカの流れを汲むシステムメカといった、前作のポイントを踏襲した面も見られたが、第36話以降はゼンダゴリラによるプロレスを主体としたメカ戦に落ち着いています。シリーズの象徴となった三悪のメカが爆発した際のドクロ雲は、本作品にてほぼ完成形となり、涙を流すバリエーションが登場しました。また、演出を担当した押井守をネタにした「オシイ星人」が登場したのも本作品です。
タイムボカンシリーズ ゼンダマン・ストーリー
🧐不老長寿の秘薬「命のもと」を探し出し、世界平和に役立てようと、紋者博士はタイムトンネルを完成させます。しかし、悪名高きアクダマトリオは、自分達の私利私欲のために「命のもと」を奪おうとします。そして、アクダマトリオは、タイムトンネルの別の入り口を見つけ、タイムトンネルに入ることに成功します。
紋者博士の孫であるさくらちゃんと、博士の助手である鉄ちゃんが善意のかたまり、ゼンダマンに変身し、アクダマトリオの野望を打ち砕くため、日夜戦い続けるのです。
▲ゼンダマン OP ED 【HD】
●オープニングテーマ「ゼンダマンの歌」
作詞・作曲 - 山本正之 / 編曲 - 神保正明 / 歌 - 藤井健
第38話からは、オープニング映像がゼンダゴリラ、ゼンダコトラ、ゼンダワンの映像に差し替えられたものが放送されました。アルバム『アニメの大王』には山本によるセルフカバー版が収録されている。
●エンディングテーマ「これまたアクダマン」
作詞・作曲 - 山本正之 / 編曲 - 神保正明 / 歌 - 山本まさゆき
各番締め「♪これまたアクダマン〜」のフレーズは、第7話から第35話まで(第32話は除く)メカ戦の決着後に行われた「勝利の確認」で、最後にゼンダライオンが歌って締めた。
第38話から第51話までは、アクダマンとニャラボルタが地球を抱えている場面に、「スタッフ一同がんばっています また見てね!」というテロップが添えられていました。
▲【ゼンダマン】第1話「無敵はステキ! ゼンダマン」 ~タイムボカンシリーズ~ #タツノコ #名作アニメ #ゼンダマン #タイムボカン
面白いゼンダマン!ぜひ公式チャンネルで見よう~
【日本名作童話シリーズ 赤い鳥のこころ】
1979年2月~7月に、テレビ朝日系、シンエイ動画制作で、毎週月曜木下忠司の企画、音楽により、テレビ朝日開局20周年記念番組として『赤い鳥』に掲載された童話をアニメ化した『日本名作童話シリーズ 赤い鳥のこころ』が放映されました。第1回「天までとどけ」は1979年10月にミラノで開催された国際映画祭の短編アニメ部門の第1位に選ばれ、同年11月に国連から国際児童年のテーマにかなう作品として主人公「YAICHI」のタイトルで表彰されると同時に、ニューヨークのIYC映画祭でも上映されました。
🧐いわゆる名作文学のアニメ作品は、是非子供さんと一緒に、大人の方もみてほしいと思う時があります。いい話は、子供にも伝えたいと。まず、大人の私達が一生懸命見てみましょう。私たちも昔は、子供だったのです(^^)
▲【公式】アニメ 走れメロス『日本名作童話シリーズ 赤い鳥のこころ vol.19』【児童文学アニメ】
●オープニング「ルンルンルーの歌」
作詞 - 松山善三 / 作曲 - 木下忠司 / 編曲 - 宇都宮安重 / 歌 - 東京コンサーツ
●エンディング「この夢だれにあげようか」
作詞 - 松山善三 / 作曲 - 木下忠司 / 編曲 - 宇都宮安重 / 歌 - 東京コンサーツ
挿入歌「天までとどけ」(第一回放送 天までとどけ にて使用)
作詞 - 吉田絃二郎、木下忠司 / 作曲 - 木下忠司 / 編曲 - 宇都宮安重 / 歌 - 東京コンサーツ
【花の子ルンルン】
『花の子ルンルン』は、1979年2月から1980年2月まで、テレビ朝日系列で全50話が放映されたテレビアニメ作品です。『キャンディ・キャンディ』の後番組として製作・放映された。東映魔女っ子シリーズの1つに数えられています。
花の子ルンルン・放送データ
原作:神保史郎
脚本:城山昇、曽田博久、吉田義昭、他
キャラクターデザイン: 荒木伸吾、姫野美智
アニメーション制作: 東映動画
製作: テレビ朝日、旭通信社、東映動画
放送局 :テレビ朝日系列
放送期間 1979年2月9日~1980年2月8日 全50話
花の子ルンルン・ストーリー
🧐人間と花の精は、むかしはなかよく地球でくらしていました。ところが、人間は自惚れ、慢心し、自然をたいせつにしなくなりました。花の精たちは、虹色の雲のむこうの小さな星・フラワーヌ星にうつって自分たちの王国をきずきます。でも、そのうちの何人かは地球にのこって人間と結婚したのです。そして、花の精の血をずっとうけついできました。
フランスのいなか町で、おじいさん、おばあさんとくらす女の子ルンルン。そこへ、フラワーヌ星の国王の使者として、人間の言葉をしゃべる白ネコのキャトーと犬のヌーボがやってきます。そして、王子が次の王位につくために必要な「七色の花」をさがしてほしいとたのみます。花の精の血をひく「花の子」ルンルンにしか、さがせないからです。ルンルンはキャトーとヌーボといっしょに、七色の花をさがしてヨーロッパ各国を旅していきます。
『花の子ルンルン』は1979年2月から1年間、テレビ朝日系列で放映されました。主人公ルンルンの使う魔法は、念じた服に着替えられるという、ささやかな、しかし女の子にとっては夢のある魔法です。それに加え、海外旅行が今ほどポピュラーでなかった放映当時、あこがれのヨーロッパを旅してまわるというコンセプトが人気を呼びました。
物語の終わりには、その回にちなんだ「花ことば」が解説されます。この作品から生まれた言葉「ルンルン気分」を満喫できる名作です。
▲花の子ルンルン_op
オープニングテーマ
●「花の子ルンルン」
作詞 - 千家和也 / 作曲 - 小林亜星 / 編曲 - 青木望 / 歌 - 堀江美都子、ザ・チャープス
オープニングテーマとして使用される。主人公の名前ルンルンを繰り返す、軽快な曲である。
エンディングテーマ
●「女の子って」
作詞 - 千家和也 / 作曲 - 小林亜星 / 編曲 - 青木望 / 歌 - 猪股裕子、小林亜星
エンディングテーマとして使用される。小林亜星氏がアニソンを歌ったのは初。
なおOP・EDとも、ルンルンの衣装が変わった第35話以降も映像の変更はありませんでした。
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