◆日本のテレビアニメ昭和徒然史(54回)ふしぎな旅編の今回は、1980年(昭和55年)上期(1月~6月放送開始分PARTⅠ)の作品紹介です。
【トムソーヤの冒険】
『トム・ソーヤーの冒険』は、1980年1月から12月まで、フジテレビ系列で放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメ作品です。「世界名作劇場」の第6作目にあたります。
原作はアメリカの作家・マーク・トウェインの長編小説『トム・ソーヤーの冒険』(The Adventures of Tom Sawyer)。
【トムソーヤの冒険・放送データ】
原作:マーク・トウェイン
監督:斎藤博
脚本:宮崎晃ほか
キャラクターデザイン:関修一
音楽:服部克久
アニメーション制作:フジテレビ・日本アニメーション
放送局:フジテレビ系列
放送期間 1980年1月6日~1980年12月28日 話数 全49話
放送時間帯:毎週日曜19:30~20:00
【トムソーヤの冒険・作品概要、特徴】
物語の舞台が、1840年代の開拓時代のアメリカである事を含め、基本的には原作に沿った内容です。部分的に改変されているエピソードも存在する。放送当時の日本では、未成年で問題とされる飲酒・喫煙の描写はカット、一部では物語の時系列も異なり、本作品では後半の第38話でインジャン・ジョーのロビンソン先生の殺人が起きるが、原作ではトムがインジャン・ジョーの殺人を目撃するのは、前半の第9章辺りからとなっています。
また前番組『赤毛のアン』と同様に、同じ原作者の別の作品からエピソードや登場人物を引用している部分もあります。例えば第30話で登場するハックの父親は、原作の続編に当たる『ハックルベリー・フィンの冒険』に登場する人物で、続く第31話でポリーおばさんが、トムらのいたずらで数が数えなくなるエピソードも、同じく『ハックルベリー・フィンの冒険』のサリーおばさんのエピソードを置き換えたものです。
【トムソーヤの冒険・ストーリー】
時代は19世紀半ばのアメリカ。ミシシッピー川沿いの田舎町「セントピーターズバーグ」に住む少年トム・ソーヤーは、いたずらが大好きな男の子です。親友のハックや仲間たちと森で野ブタを捕まえたり、川で海賊ごっこをしたり、毎日ワクワクするような冒険が大好きです。ある日、トムとハックは深夜の墓場で恐ろしいならず者のインジャン・ジョーが殺人を犯すのを目撃してしまいます。インジャン・ジョーは無実のマフ・ポッターに罪を着せようとするが、トムはマフを救うため、勇気を出して裁判所で目撃したことを話します。しかし、インジャン・ジョーは、トムの証言のさなか、裁判所から逃げ出してしまい、行方知れずとなってしまいます。
その後、ハックの新しい住処探しに幽霊屋敷へ出かけた二人は、インジャン・ジョーが、莫大な財宝を運び出すところを目撃します。夏休みの終わり、洞窟探検に出かけたトムは、ベッキー・サッチャーと二人で道に迷ってしまい、洞窟に隠れていたインジャン・ジョーに捕まってしまうが、二人を探しにきた保安官に助けられます。そして、インジャン・ジョーが隠していた財宝をハックと二人で発見し、大金持ちになる。しかし、二人は相変わらずいたずらばかり繰り返しの毎日なのでした。
▲トム・ソーヤーの冒険 第1話「トムとハックとブタ騒動」
●オープニングテーマ
「誰よりも遠くへ」 (読み:だれよりもとおくへ)
作詞 - 山川啓介 / 作曲・編曲 - 服部克久 / 歌 - 日下まろん
●エンディングテーマ
「ぼくのミシシッピー」
作詞 - 山川啓介 / 作曲・編曲 - 服部克久 / 歌 - 日下まろん
※作品舞台がニューオーリンズに近いため、オープニングテーマや挿入音楽は、ジャズの影響を受けたものが多いです。『金髪のジェニー』、『ケンタッキーの我が家』、『故郷の人々』(いずれもスティーブン・フォスター作詞・作曲)も度々使用されています。また、オープニングテーマ・エンディングテーマは、挿入歌としても使われることが多かった。
【森の陽気な小人たちベルフィーとリルビット】
『森の陽気な小人たち ベルフィーとリルビット』は、1980年1月から同年7月まで東京12チャンネル(現在のテレビ東京)で放送されていたテレビアニメです。タツノコプロと東京12チャンネルの共同製作。全26話。
【森の陽気な小人たちベルフィーとリルビット・放送データ】
原作:柳川茂、宮田知行、タツノコプロ
監督:林政行(チーフディレクター名義)
脚本: 山本優、佐藤和男、酒井あきよし、小山高男(小山高生)、三宅直子 ほか
キャラクターデザイン:下元明子、森田浩光
音楽:渡辺岳夫
アニメーション制作:タツノコプロ
製作:タツノコプロ、東京12チャンネル
放送局:東京12チャンネル
放送期間:1980年1月7日~同年7月7日 全26話
放送時間帯:毎週月曜 19:30~20:00 。
【森の陽気な小人たちベルフィーとリルビット・ストーリー】
🧐本作は一言でいうなら、メルヘンです。森で暮らしている、ファニット族のみなし子のベルフィーと、いつも元気なリルビット。この2人を中心に、大自然の中で動物たちと楽しく暮らす小人たちのお話と、ベルフィーとリルビットが繰り広げる冒険を描いています。
▲森の陽気な小人たち ベルフィーとリルビット 第1話「森のこどもまつり」
●「森もりへおいでよ」
作詞 - 保富康午 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - 大杉久美子、こおろぎ'73
●エンディングテーマ
「おやすみチュチュナ」
作詞 - 保富康午 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - 大杉久美子
『ニルスのふしぎな旅』(スウェーデン語:Nils Holgerssons underbara resa genom Sverige/ニルス・ホルガションの素晴らしきスウェーデン旅行」)は、スウェーデンの女性作家セルマ・ラーゲルレーヴが執筆した児童文学です。1906年に第一部、1907年に第二部が刊行されています。
14歳の少年ニルス・ホルガション少年が、妖精によって小人にされ、ガチョウのモルテンやガンの群れと一緒にスウェーデン中を旅するという話です。この物語は、本来、スウェーデンの子供達が自国の地理を楽しく学べる様にスウェーデンの国民学校教員協会の読本作成委員会が、セルマ・ラーゲルレーヴに執筆を依頼したものと言われています。
1955年以降2回、アニメーション作品が制作された他、1962年にスウェーデンにて実写映像作品が、2011年にスウェーデン・ドイツにて、実写およびCGによる映像作品も製作されています。
スウェーデンの20クローナ紙幣の表面には、作者セルマ・ラーゲルレーヴの肖像が、裏面にはモルテンに乗っているニルスの絵が印刷されています。またスウェーデンの地図制作会社Tele Atlas(英語版)社(2007年、世界三大メーカーの一つでもあるオランダのトムトム傘下になった)のロゴマークのモチーフにもなっています。
【ニルスのふしぎな旅・制作、放送データ】
原作:セルマ・ラーゲルリョーブ
チーフディレクター:鳥海永行
プロデューサー:神保まつえ、森島恒行、平井寛
企画:原正次、石川茂樹
作画監督:岡田敏靖
原画:岡田敏靖、高橋資祐、半田輝男、前田康成、田中亨、山崎隆生、他
動画チェック:上梨一也、藤田茂
仕上検査:小磯栄子、西香代子
オープニングアニメ:羽根章悦
エンディングアニメ:中村泰敏
キャラクターデザイン、作画監督:岡田敏靖
作画監督補佐:道下有希子、宮川洸二
美術監督:中村光毅
撮影監督:都島雅義
録音監督:斯波重治
特殊効果:朝沼清良
色指定:内田千代子
音楽:チト河内
背景:デザインオフィスメカマン、プロダクションアイ
仕上:アートキャッツ
撮影:緒方プロダクション
編集:戸田礼子
現像:東京現像所
調整:桑原邦男
効果:イシダサウンド
録音制作:千代田プロダクション
タイトルデザイン:杉澤英樹
制作デスク:伏川政明
製作担当:松本堯一
設定進行:木村房代
製作進行:久保真、神島功、阿部信雄
アニメーション制作:スタジオぴえろ
製作:学研
企画・制作:NHK(※再放送はノンクレジット)
放送局:NHK総合テレビ
放送期間:1980年1月8日から1981年3月17日 全52話
【ニルスのふしぎな旅・制作、あらすじ】
スウェーデン南部・西ヴェンメンヘーイに住んでいる少年ニルス。彼はわんぱくでいたずら好きなのですが、よく家畜をいじめてばかりいました。
ある日曜日の朝に、両親が教会に行って留守の間に、ニルスは妖精を見つけて捕まえます。しかし、妖精に魔法をかけられ、ニルスは小人にされてしまいます。小さくなったニルスは、動物の言葉は理解できるようになるのですが、普段いじめられていた家畜たちは、ニルスの小さな姿を見て、ここぞとばかりに復讐しにかかります。ガチョウのモルテンがたまたま通りかかったガンの群れに「飛べない鳥」とからかわれ、悔し紛れに飛び立ったところ、モルテンを捕まえようとしたニルスも一緒に飛び立ってしまいます。ニルスとモルテンは、ガンの群の女隊長アッカに認められ、ガンたちと一緒にラップランドを目指して旅することになりました。
ニルスはモルテンの背中に乗ってガンたちと共に空を飛び、様々な土地を訪れる。ニルスはアッカ隊長やモルテンをはじめガンの仲間に、時には励まされ時には厳しい叱咤を受ける。行く先々で様々な動物たちと出逢い、触れ合ううち、ニルスは次第に成長していきます。
やがて一行はラップランドに到着し、ひと夏を過ごす。秋になり、南のスコーネ地方を目指して再び帰路へと旅立ちます。ニルスの家が近づくと、アッカ隊長は、ニルスに妖精からの伝言として、元に戻るにはモルテンの命を生け贄に差し出さなければならないと宣告します。一足先にモルテンがニルスの家へ帰ると、ニルスの両親はモルテンを売るために絞め殺そうとしていたのです。ニルスは、思わずモルテンを殺してはいけないと叫び、気が付くと人間に戻っていました。
帰ってきたニルスが、勤勉な少年に成長したことに両親は大喜び。人間に戻ったことで鳥の背中には乗れず動物の言葉もわからなくなったニルスでしたが、夜明けと共に飛び去ってゆくガンの仲間たちに別れを告げたのでした。
🧐本作は、原作のもつ民話調が生かされていて、子供ばかりでなく大人も夢中になれる作品でしたね。私もけっこうはまってみていました。
▲ニルスのふしぎな旅 닐스의 신기한 여행 The Wonderful Adventures of Nils
🧐やっぱりこの歌は、加橋かつみさんですよね(^^♪
●オープニングテーマ - 「ニルスのふしぎな旅」
作詞 - 奈良橋陽子、藤公之介 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 歌 - 加橋かつみ
編曲 - チト河内(レコード・CDではクレジットされているが、オープニングと『みんなのうた』ではクレジットなし)
●エンディングテーマ - 「いつまでも友だち」
作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - チト河内 / 歌 - 加橋かつみ
🧐加橋 かつみ(かはし かつみ、1948年2月4日 - )さんは、日本のミュージシャン、音楽プロデューサーであり、ザ・タイガースの元メンバー。本名、高橋 克己(たかはし かつみ)。トッポさんとお呼びしたほうが、我々の世代には親しみがありますね。
【メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行】
『メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行』は、1980年(昭和55年)1月から同年7月までフジテレビ系列で放送されていたテレビアニメ。フジテレビとアカデミー製作の共同製作。全26話。放送時間は毎週水曜 19:00 - 19:30 (日本標準時)。
【メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行・放送データ】
原作:モーリス・メーテルリンク
企画制作: 西崎義展
監督・チーフディレクター :笹川ひろし
キャラクターデザイン・総作画監督:芦田豊雄
美術監督:伊藤主計
キャラクター原案:松本零士
音楽:宮川泰
作詞:山上路夫
音楽構成:日高仁、田村丸
音響監督:田代敦巳、本田保則
効果:石田サウンド
録音スタジオ:タバック ※ノンクレジット
録音:波多野勲(タバック)
編集:花井正明(タバック)
現像:東京現像所
オープニング・スキャニメイト:東洋現像所ビデオセンター ※ノンクレジット。
プロデューサー:山田哲久、栃平吉和(アカデミー製作)
制作:フジテレビ、アカデミー製作
放送期間:1980年(昭和55年)1月9日~同年7月9日 全26話
放送局:フジテレビ系列
放送時間帯:毎週水曜 19:00~19:30 。
🧐本作のスタッフ、すごいです。西崎義展・松本零士・藤川桂介・宮川泰・芦田豊雄という、ほとんど『宇宙戦艦ヤマト』を手掛けたスタッフで臨んだ、世界初の『青い鳥』のアニメ化作品です。
物語設定は、現代(1980年当時)に移して、母親が病気で入院、仙女ペリリュンヌからもらったメダルペンダント、光の精からもらった光の剣、スリッパを巨大化させた空飛ぶ乗り物、リッパー号でテレビ画面に飛び込んで様々な世界へ行くなど、新しい要素が盛り込まれていましたね。
▲メーテルリングの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行OP
●オープニングテーマ
「幸せのバビラトラリラ」
作詞 - 山上路夫 / 作曲・編曲 - 宮川泰 / 唄 - 福原みどり
●エンディングテーマ
「窓灯まど あかり」
作詞 - 山上路夫 / 作曲・編曲 - 宮川泰 / 唄 - 大須賀ひでき
