◆日本のテレビアニメ昭和徒然史(73回)逆転、サヨナライッパツ編の今回は、1982年(昭和57年)上期(1月~6月放送開始分)PARTⅡをご紹介します。
【タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン】
『タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン』は、1982年2月から1983年3月までフジテレビ系列で、全58話が放送されたタツノコプロ制作のテレビアニメ作品です。
『タイムボカンシリーズ』の第6作目。前作『ヤットデタマン』に引き続き巨大ロボットが登場、また主人公もこれまでの少年少女から青年へと年齢を引き上げ、シリアスな作風となっています。視聴者の興味を惹くため、主人公のイッパツマンの正体など多くの謎が作中に散りばめられていて、さらにシリーズ初となる悪玉トリオの勝利や、黒幕への反抗、悪業の放棄などといった展開も含め、シリーズのマンネリを打破しようと様々な工夫が凝らされています。回によっては20%を越える視聴率を記録し、放送回数も好評につき本筋とは関係のない番外編的なストーリー3話分も含めた計6話分が延長されるなど、マンネリの声も上がりはじめていたタイムボカンシリーズの人気が息を吹き返すきっかけとなりました。また同時に、それまでの土曜18時台後半での放送が最後になるなど、本作品は様々な面で同シリーズの転機となりました。
主人公の声優は、シリーズのナレーションを長年に渡って担当した富山敬さんが演技することになり、代わってナレーションに起用されたのは鈴置洋孝さんです。独特の絶妙な語り口が物語を盛り上げています。本作品より、CM後にアイキャッチが挿入されるようになりました。本作品ではスキャニメイト演出は使用されず、トッキュウザウルスや弾丸ヘッド号、シャレコーベバギーなどの各メカニックの時間移動中のシーンは、透過光による効果などが使用されるのみとなっています。
本作品では野球用語が多用されているほか、第19話のベーブルースの野球中継回のようにベーブルースと少年の感動秘話が元ネタに使われたエピソードもあります。主題歌がプロ野球選手の応援歌として用いられたのも含め、何かと野球業界とも縁の深いキャラクターとなっています。
【タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン・制作、放送データ】
製作:吉田健二
原作:タツノコプロ企画室(連載誌 - 『てれびくん』、『小学館学習雑誌』)
企画:九里一平(タツノコプロ)、岡正(フジテレビ)
音楽:神保正明、山本正之
担当ディレクター:植田秀仁
シリーズ構成:小山高男
メインキャラクター:天野嘉孝
メカニックデザイン:大河原邦男
美術デザイン:岡田和夫
総監督:笹川ひろし
プロデューサー:井上明(タツノコプロ)、岩田弘(アニメフレンド)、内間稔(読売広告社)
サブキャラクター:上北実那、上北希沙
録音制作:ザックプロモーション
録音ディレクター:水本完、清水勝則
効果:加藤昭二(アニメサウンドプロダクション)
録音:金子芳博
現像:東京現像所
制作担当:山田良一、佐藤直人、中村正雄(アニメフレンド)、大野実(読売広告社)
制作デスク:佐藤直人
制作:フジテレビ、タツノコプロ
放送期間:1982年2月13日から1983年3月26日 全58話
放送局:フジテレビ系列
【タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン・ストーリー】
西暦1990年。国際企業番付で、常に業界トップの業績を誇る「タイムリース社」は、依頼があれば時空を越えて、過去、未来、現代の世界各地に荷物を届ける「タイム運搬」事業が好調の国際企業で~す。一方、業界第2位のライバル企業「シャレコーベリース社」のオストアンデル北部支社は、業績下降線の企業です。会長のコン・コルドーは、支社の重役3人に、タイム運搬の妨害という低レベルの対応を命じる~。重役3人が変身した「クリーン悪トリオ」に襲われたハル坊がピンチ通信を出すと、イッパツマンが必ず助けにやって来るのです~。
▲【逆転イッパツマン】 第1話「ピンチ一発大逆転!」(タイムボカンシリーズ ) #タツノコ #名作アニメ #イッパツマン #タイムボカン
▲逆転イッパツマン3C+1
オープニングテーマ「逆転イッパツマン」
作詞・作曲 - 山本正之 / 編曲 - 神保正明 / 歌 - やまもとまさゆき、ピンク・ピッギーズ
【吾輩は猫である】
『吾輩は猫である』は、夏目漱石の長編小説であり、処女小説です。1905年(明治38年)1月、『ホトトギス』にて発表され、好評を博したため、翌1906年(明治39年)8月まで継続しました。上、1906年10月刊、中、1906年11月刊、下、1907年5月刊。1982年2月17日、日生ファミリースペシャルでアニメ作品として放送されました。
★主人公「吾輩」のモデルは、漱石37歳の年に夏目家に迷い込んで住み着いた、野良の黒猫です。1908年9月13日に猫が死亡した際、漱石は親しい人達に猫の死亡通知を出しました。また、猫の墓を立て、書斎裏の桜の樹の下に埋めた。小さな墓標の裏に「この下に稲妻起る宵あらん」と安らかに眠ることを願った一句を添えた後、猫が亡くなる直前の様子を「猫の墓」(『永日小品』所収)という随筆に書き記しています。毎年9月13日は「猫の命日」です。
【吾輩は猫である・制作データ】
制作:フジテレビ、東映動画
製作:今田智憲
企画:栗山富郎(東映動画)、久保田栄一 (フジテレビ)
企画コーディネーター:大橋益之助 (大坂電通)
脚本:大原清秀
演出:りん・たろう
撮影:岡芹利明
キャラクターデザイン:はるき悦巳(猫)、小松原一男(その他)
作画監督:小松原一男
美術監督:椋尾篁
〔キャスティング〕
吾輩:山口良一
クロ:なべおさみ
マツ:向井真理子
チヨ:佐藤恵利
ベル:雨森雅司
ドン:柴田秀勝
珍野苦沙弥:坂上二郎
細君:増山江威子
水島寒月:野沢那智
とん子:小林綾子
すん太:工藤彰吾
春子:藤田淑子
金田:財津一郎
金田夫人:朝井良江
三平:寺田誠
小山:矢田耕司
森:郷ひろみ(特別出演)
青年:田中秀幸
書生:塩屋浩三・塩屋翼
婦人:恵比寿まさ子・山口奈々・宮崎恵子
▲千駄木にあった旧漱石邸(愛知県・明治村に移築保存)
『機甲艦隊ダイラガーXV』は、1982年3月から1983年3月まで、テレビ東京系列で全56回 が放送された、東映・東映動画制作のロボットアニメ。15機のマシンが合体して完成するロボット「ダイラガー」を擁する、地球人を中心とする宇宙艦隊の戦いを描いた作品です。
『超電磁ロボ コン・バトラーV』(1976年、テレビ朝日系列)から始まった、東映テレビ事業部の企画によるロボットアニメ路線の通算第7作目にあたります。前番組である『百獣王ゴライオン』までは、アニメーション制作を外部会社に委託していたが、本作品では関連会社である東映動画が担当しています。
【機甲艦隊ダイラガーXV・制作、放送データ】
企画:吉川進(東映)、及部保雄(東映エージェンシー)、斉藤侑(東映動画)
原作:八手三郎(連載誌 - 『テレビランド』、『てれびくん』)
シリーズ構成:藤川桂介
音楽:横山菁児
キャラクターデザイン:清山滋崇
メカニックデザイン:Y&K、出渕裕、原田吉郎
チーフデザイナー:椋尾篁 ➡窪田忠雄
チーフディレクター:森下孝三
製作担当:佐伯雅久
制作:東映、東映エージエンシー、東映動画
放送期間: 1982年3月3日~1983年3月23日 全52話
放送局:テレビ東京系列
【機甲艦隊ダイラガーXV・ストーリー】
地球人類が宇宙に進出している時代。友好関係にある地球、ミラ星、サラ星の三惑星連合は各惑星から選抜された銀河警備軍を設立します。安芸マナブ以下、15人のメンバーが搭乗する15機合体ロボ「ダイラガー」を搭載する母艦「ラガーガード」を含む艦隊を銀河系天体図作成の旅に送り出す。
しかし、その行く手には滅亡寸前の母星から可住惑星を探すガルベストン帝国が待ち受けていたのです。帝国内では平和に可住惑星を探すべきであると言う穏健派と乱世に出世を求める好戦派が争っていたが、好戦派が主導権を掌握してしまい、ガルベストン帝国は銀河警備軍と全面戦争に突入してしまいます。
三惑星連合艦隊は、ガルベストンと戦いつつ宇宙探査の旅を続け、ガルベストンの母星に辿り着く。三惑星連合艦隊とガルベストンの反乱軍により好戦派は倒されるが、同時に星が崩壊をはじめます。ラガーガードはガルベストンの住民を救出し、星から脱出する。
▲DAIRUGGER OPENING
●オープニングテーマ『銀河の青春』
エンディングテーマ『愛をつたえる旅』
2曲とも、作詞 - 藤川桂介 / 作曲・編曲 - 横山菁児 / 歌 - 川津恒一
『魔法のプリンセス ミンキーモモ』は、1982年(昭和57年)と1991年(平成3年)に放送された魔法少女アニメ作品です。葦プロダクション製作。総監督は湯山邦彦、原案・構成は首藤剛志。
なお、作中の夢の国の所在場所から、1982年のシリーズ(第1作)を「空モモ」、1991年のシリーズ(第2作)を「海モモ」として区別する呼称が存在します。
企画:佐藤俊彦
プロデューサー:大野実(読売広告社)、加藤博、梅原勝
原案 / 構成:首藤剛志
総監督:湯山邦彦
音楽:高田ひろし
美術監督:新井寅雄
音響監督:藤山房延
録音制作:ザック・プロモーション
撮影監督:福田岳志
キャラクターデザイン:芦田豊雄、みさきのあ、服部あゆみ
色彩設定:永江由利
録音:成清量
効果:加藤昭二(アニメサウンドプロダクション)
制作管理:佐藤訓史、古林明子
制作担当:庄司清
オープニング作画:わたなべひろし
色指定:ひろかわゆり、杉田泰子、北村則子
撮影:三晃プロダクション、旭プロダクション
編集:辺見俊夫、山崎昌三
タイトルデザイン:安食光弘
現像:東映化学
製作:葦プロダクション、読売広告社
放送期間:1982年3月18日~1983年5月26日(全63話)
放送局:テレビ東京系列
【魔法のプリンセス ミンキーモモ(第1作)・あらすじ】
この物語は、どこかの町に住む夫婦が、子供のいないさみしさを語る場面からはじまります。そこに夢の国フェナリナーサのプリンセス、ミンキーモモ(以下、モモ)が3匹のお供と一緒に空からおりてきます。そして夫婦はモモを、始めから自分たちの本当の子供であったかのように受け入れてしまうのです。
モモのパパとなった人物は、腕の立つ優しい獣医であり、噂を聞きつけたある牧場から往診を求められます。海外出張中のパパに代わりモモが牧場に向かうが、モモが子供だからと牧場主に相手にされませんでした。そこでモモは大人に変身する魔法で獣医の看護婦に変身、牧場の馬を治療し、さらに、牧場を悪者から救うために騎手に変身し競馬で活躍します。
第2話以降もモモは事件に遭遇するのですが、魔法で大人に変身するが、プロットそのものには決まったパターンがなく色んな展開を見せます。各回ごとにエピソードの主要人物となるゲストが登場し、モモはゲストの夢を叶えようと奔走します。モモが何かいいことをすると各回の最後にモモのペンダントが光り、その4回ごとに夢の国の王冠にハッピーティアと呼ばれる宝石(誕生石)が出現する。宝石が12個そろうと、夢の国が再び地球に降りてくると言われている(第4話)。
物語は第43話から第46話にかけて終盤を迎えます。モモは、魔法で他人の夢をかなえることはできないことを知り、その後魔法の力を失い、ついには交通事故に遭い命を落としてしまいます。そして、モモは人間に生まれ変わり、地球でのパパとママの本当の子供となります。モモが大人になり、自分の夢を叶えた時、最後のハッピーティアが出現し、夢の国が降りてくるだろうと語られ、『ミンキーモモ』の物語は46話で一旦、幕となります。
このあとも物語は続くのですが、物語の大筋は人々の夢と希望を奪うためモモを付け狙う悪夢との戦いが中心となっています。最終的には、後期(49話以降)のエピソード全てが、人間の赤ちゃんとなったモモの見る夢だったことが判明する。夢の中での戦いはモモ勝ちに終わり、前期最終話に帰結する形で物語は完結します。
基本的に女の子の人気が高い作品でしたが、男性(アニメオタク)でもけっこう人気がありました。脚本も何でもあり~で、作画もクオリティーが高かったと思います。けっこう感動させられるストーリーも多くて・・・モモ💛ナイス
▲魔法のプリンセス ミンキーモモ 前期OP (ver.A) [STEREO]
オープニングテーマ - 「ラブ・ラブ・ミンキーモモ」
作詞 - 荒木とよひさ / 作曲 - 佐々木勉 / 編曲 - 高田ひろし / 歌 - 小山茉美
▲魔法のプリンセス ミンキーモモ 前期ED [STEREO]
エンディングテーマ - 「ミンキーステッキドリミンパ」
作詞 - 荒木とよひさ / 作曲 - 佐々木勉 / 編曲 - 高田ひろし / 歌 - 小山茉美

