◆日本のテレビアニメ昭和徒然史(77回)烈死!!🎇編の今回は、1982年(昭和57年)下期(7月~12月放送開始分)PARTⅠをご紹介します。
【The❤かぼちゃワイン】
『The♥かぼちゃワイン』は、三浦みつるによる日本の漫画作品であり、それを原作とするテレビアニメ、劇場版アニメ、実写オリジナルビデオのタイトルです。
講談社『週刊少年マガジン』掲載の読切短編『武蔵とエル』が原型となっていて、キャラクターを練り直して、同誌で連載がスタートしました。1981年4・5合併号から1984年26号まで掲載されました。ここではアニメ作品『The♥かぼちゃワイン』をご紹介します。
主人公の青葉春助は、チビで女嫌いの硬派です。そんな青葉春助に一目ぼれしたのが、大柄なヒロイン「エル」(Lサイズにちなむ)こと朝丘夏美のSLコンビが繰り広げるドタバタラブコメディ作品です。原作漫画とアニメでは途中から別のストーリー構成になっています。
文庫本のあとがきに「宮崎美子さんの出演されていたカメラのCMの中で(いまのキミはピカピカに光って)と言うフレーズと映像に強いインスピレーションを受けてかぼちゃワインと言う作品を執筆するきっかけになりました。つまり当時の宮崎美子さんがLのモデルと言うことになりますかね」と人気のCMにインスピレーションを受けたことを述べています。
▲宮崎美子 MINOLTA なつかしいCM 1980年
当時、最初にこのCMをご覧になったかた、「オ~~~❤」ため息でませんでしたか?
それと本作のタイトルですが、三浦さんがある日テレビで聞いた「カボチャは身体に良い」というフレーズがなぜか印象に残って、「かぼちゃはいい」➡「かぼちゃワイン」と発想したものであるとかないとか(^^)
【The❤かぼちゃワイン・制作、放送データ】
企画:栗山富郎
原作:三浦みつる
音楽:東海林修
製作担当:菅原吉郎
チーフアニメーター:石黒めぐむ、松本清
チーフデザイナー(美術設定):内川文広
チーフディレクター:矢吹公郎
テレビ朝日プロデューサー:加藤守啓
特殊効果:大橋清、中島正之
編集:千蔵豊➡ 望月徹➡福光伸一➡吉川泰弘
録音:田中英行➡佐藤守
音響効果:伊藤道広
選曲:田中英行
撮影:佐藤隆郎、菅谷英夫、山口義文、大野正明、奥水隆
演出助手:三谷章夫、楠美直子、金山通弘、松原明徳
製作進行:三谷章夫、山寺昭夫、堀川和政、西山明彦、釘丸篤、渡辺寿、米谷良知、藤本芳弘、竹之内和久、根岸弘、中村実
美術進行:御園博
仕上進行:中村正弘
現像:東映化学
制作:テレビ朝日、東映動画
放送期間: 1982年7月5日~1984年8月27日 全95話
放送局:テレビ朝日系列
▲The・かぼちゃワインOP~(Lはラブリー)ED~(青葉春助・ザ・根性)~フルHD~追加~伊藤アキラ先生追悼~心よりお悔やみ申し上げます~伊藤アキラ先生のご冥福をお祈りします!
●オープニングテーマ「Lはラブリー」
歌 - かおりくみこ / 作詞 - 伊藤アキラ / 作曲 - 馬飼野康二 / 編曲 - いちひさし
●エンディングテーマ「青葉春助・ザ・根性」(1982年~1983年)
歌 - 古川登志夫 / 作詞 - 伊藤アキラ / 作曲 - 小林亜星 / 編曲 - いちひさし
「Pumpkin Night」(1983年~1984年)
歌 - 古川登志夫、横沢啓子 / 作詞 - 松本由佳里 / 補作詞 - 伊藤アキラ / 作曲 - 小林亜星 / 編曲 - いちひさし
「Pumpkin Night」は、放送1周年を記念して詩を一般公募しています。
【銀河烈風バクシンガー】
『J9-II 銀河烈風バクシンガー』は、1982年7月から1983年3月までテレビ東京で放送された、国際映画社制作のロボットアニメ作品です。「J9シリーズ」三部作の第2作の作品です。ストーリー構成のモチーフは、幕末時代の日本、新撰組の顛末です。『銀河旋風ブライガー』から600年後の世界を舞台に、幕末時代の動乱期をモチーフに「太陽系惑星内での動乱」として当てはめ、同じく新撰組をモチーフとした主人公達率いる「銀河烈風隊」の活躍を描いています。
本作は、山本正之氏による和風ロックなBGMや個性的なファッション、そして台詞回しが、けっこう時代劇がかっているところに特徴があります。個人的には好きなのですが、登場してくるキャラの設定はどれも癖が強い方だと思います。『銀河旋風ブライガー』で主役を演じた塩沢兼人・曽我部和行・森功至・麻上洋子の4人が、前作の彼らの演じた役のイメージを残した各主要キャラクターを演じており、この手法は次作『銀河疾風サスライガー』にも引き継がれています。
劇中で登場するロボットは、バクシンガーを含めすべてが量産型を前提としていて、戦闘シーン以外にも、「謝礼としてロボットを贈呈する」「交易衛星で新型のロボットの売買が行われる」「ロボットの生産・購入による予算のやりくりに頭を抱える」など、「モノ」として描写されていました。登場する敵組織も「悪の組織」ではなく、1人1人が志を抱える人間の集まりで、戦闘シーンにおいては、バクシンガーの戦闘と共に、バイクに乗った人間同士が熱い戦いを繰り広げるシーンも描かれています。なお本作でのバイク(コスモバイク)は空中や宇宙空間を普通に飛ぶ乗り物としてえがかれていて、宇宙を飛ぶ際も乗っている人間は特に宇宙服らしきものは身につけておらず、宇宙空間から大気圏突入しているシーンも多い。要は突っ込みどこがけっこうあります。ただし後半ではフルフェイスのヘルメットを装着して出撃しています。
しかし、本作の最後は、基本的に1話完結である『ブライガー』『サスライガー』とは一線を画した大河ドラマ的ストーリーにあります。
銀河烈風隊は史実の新撰組同様、だんだんと追いつめられて行きますが、それでも、主君を裏切ったり隊を逃げ出したりせず、「烈」の花火を壮大に打ち上げてほとんどの主要キャラクターが戦死してしまうという悲劇的な結末を迎えます。
しかし、彼らの活躍も史実同様に、後々の『サスライガー』の時代まで、語り継がれることになっていきます・・・
【銀河烈風バクシンガー・制作、放送データ】
製作・企画・プロデューサー:壺田重夫
原案・構成:山本優
音楽:山本正之
チーフディレクター:新田義方
キャラクターデザイン:小松原一男
メカニックデザイン:大西博
オープニング作画:荒木伸吾、姫野美智(荒木プロダクション)
チーフデザイナー:高島平
製作担当:今江修司
編集:井上編集
録音:斉藤恒夫
音響効果:佐藤一俊
サブプロデューサー:藤家和正
オーディオディレクター - 本田保則(第1話 - 第18話)➡四辻たかお(第19話 - 第39話)
製作業務:中出久美
製作事務:小田すみえ
制作:国際映画社
放送期間:1982年7月6日~1983年3月29日 全39話
放送局:テレビ東京ほか
▲銀河烈風バクシンガー OP「銀河烈風バクシンガー」
●オープニングテーマ - 「銀河烈風バクシンガー」
作詞 - 山本優 / 作曲・編曲 - 山本正之 / 歌 - 山形ユキオ、坂部悟 / ナレーション - 徳丸完
▲銀河烈風バクシンガー ED「アステロイド ブルース」
●エンディングテーマ - 「アステロイド・ブルース」
作詞 - 山本優 / 作曲・編曲 - 山本正之 / 歌 - 増田直美
【アンドロメダストーリーズ】
『アンドロメダ・ストーリーズ』は、竹宮惠子作・光瀬龍原作のSF漫画であり、アニメ作品です。月刊『マンガ少年』1980年11月号から1981年5月号および同社の月刊『デュオ』創刊号・10月号から1982年11月号に連載されていました。単行本は、全3巻がサンコミックス(朝日ソノラマ)から刊行されています。ここではアニメ作品を紹介します。
アニメ作品としては、1982年8月22日放映『24時間テレビ 愛は地球を救う』の枠内で放送されました(85分)。同番組のアニメ枠では、例年は手塚治虫が関与する作品が放送されていたが、前年の『ブレーメン4 地獄の中の天使たち』が納期に間に合わず、ほぼ未完成の状態での放映された事が問題になったため、この事態を重く見た日テレ上層部の意向で他社制作の今作が放映されました。今作の評価次第で翌年度の他社制作も検討されたのですが、読者層が限られ、かつ読者がアニメ化作品の完成度に厳しい少女漫画だった事が影響したのかはわかりませんが、視聴率が芳しくなく、翌年度からは再び手塚作品を放送することとなってしまった作品です。
また、2001年8月14日に、NHKのBS2の『BS夏休みアニメ特選』の枠で放送されていました。
実は、放送時点では、漫画はまだ連載中で、アニメで先にラストシーンが描かれることとなってしまいました。後続して完結した漫画のラストシーンには、アニメ版の主題歌『永遠の一秒』の歌詞が引用されています。アニメ版は、放送時間が限られていて物語は細部が省略されています。
【アンドロメダストーリーズ・制作、放送日】
製作:今田智憲
企画:吉川斌、都築忠彦、足立和
プロデューサー:堀越徹、田宮武
製作担当:大野清
演出:佐々木正光
脚本:辻真先
作画監督:清山滋崇
美術:田中資幸
音楽:大野雄二
主題歌「永遠の一秒」
作詞 - 山川啓介 / 作曲・編曲 - 大野雄二 / 歌 - STEVANY(ステファニー)
このステファニーとは1980年代初頭に活動していたシンガーソングライター、なかやまて由希の変名であり、同時期にアニメソングなどを歌っていたステファニー・ボージェスとは無関係。
録音スタジオ:タバック
現像:東映化学
制作:日本テレビ、東映動画
放送日:1982年8月22日 全1話(24時間テレビ 愛は地球を救う枠内・85分)
放送局:日本テレビ系列
【アンドロメダストーリーズ・あらすじ】
アンドロメダ星雲の片隅に位置する惑星アストゥリアス。コスモラリア王家の皇太子イタカは、王位についてアストラルタ3世となると同時に、アヨドーヤ王家のリリア姫と結婚式を挙げます。数日後、流星が降り、その中から飛び出した無数のコウモリが王宮に入り込み、宮殿内の人々の心が変化していきます。それはイタカにも及び、彼は次第に残虐な言動を始めます。王宮は、機械を生む工場に変貌し、機械のクモが大臣の体内に入って心身を支配していきます。
そんな中でリリアは双子を妊娠、出産します。双子は不吉とされていたため、双子の1人は、密かに剣闘士のバルガに託され、機械に追われ、バルガは赤ん坊を娼婦に預けるのでした。イタカは都を機械都市へと変えてしまい、国は荒廃してしまいます。アヨドーヤの王子ミランが妹リリアを案じ、迎えに来るのですが、機械がミラン達を攻撃します。リリアの息子の王子ジムサが、不思議な力を発揮して抵抗し、さらに現れた女剣士イルの助けで一行はアランシャンから脱出します。
一行は港から避難船に乗ったものの機械に攻撃されミランが殺されてしまいます。アヨドーヤも機械の支配を受けつつあり、ミランにそっくりな機械が、難民を攻撃します。ジムサの不思議な力が、居合わせたロブの心を捕らえ、彼の助けでジムサとリリアは砂漠へ逃れます。かくして約10年の時がすぎていったのです・・・
10年が過ぎ、そして、運命の歯車が再び、動き始めるのです
▲アンドロメダ・ストーリーズ
〔キャスト〕
ジムサ:古谷徹
アフル:小山茉美
イル:藤田淑子
イタカ:井上真樹夫
リリア:上田みゆき
ミラン:野沢那智
ベス:杉山佳寿子
アーク:塩沢兼人
バルガ:野田圭一
クフ(老師):柴田秀勝
ジムサ(幼年時代):川島千代子
ゴダイ(バルガの父):岸野一彦
タラマ(ジムサの乳母):麻生美代子
頭領:北川米彦
大法官:矢田耕司
ゴデム:佐藤正治
商人:寺田誠、戸谷公次
侍女:高木ゆう子、津島瑞、飯塚はる美
マザーマシン:増山江威子
女性ナレーター :中野聖子
ナレーション:金内吉男
