◆◆1983年3月12日、アニメ劇場映画『幻魔大戦』が公開になりました。今回は本作の紹介記事です。
『幻魔大戦』は、1983年に公開された日本のアニメーション映画。平井和正と石森章太郎の共作による漫画『幻魔大戦』(以下漫画版)および平井による小説『幻魔大戦』(以下小説版)を原作とした、幻魔大戦シリーズ最初の映像化作品です。漫画版の全編と、小説版のうち角川文庫版で第3巻あたりまでの展開をベースにした物語に、オリジナルの結末を加えて物語を完結しています。
角川映画(旧・角川春樹事務所)による「角川アニメーション映画」第1作でもあり、実制作をしたマッドハウス黎明期の長編映画の一つでもあります。当時、角川春樹事務所所属のアイドルだった原田知世がタオ役で出演している。また漫画家の大友克洋氏が、初めてアニメーション制作に初めて参画した作品でもありました。
【幻魔大戦・制作、公開データ】
製作:角川春樹・石森章太郎
原作:平井和正・石森章太郎
脚本:桂千穂・内藤誠・真崎守
監督:りん・たろう
キャラクターデザイン・原画:大友克洋
作画監督:野田卓雄
作画監督補佐:富沢和雄
美術監督:椋尾篁
美術:男鹿和雄・窪田忠雄
撮影:八巻磐
スペシャルアニメーション:金田伊功
音楽監督:キース・エマーソン
音楽:青木望
音楽制作:角川レコード(販売元:キャニオン・レコード)
音響監督:明田川進
玩具&プラモデル制作:バンダイ
効果:佐々木英世・倉橋静男・柴崎憲治
編集:田中修
主題歌:ローズマリー・バトラー「光の天使(CHILDREN OF THE LIGHT)」
プロデューサー:明田川進
製作協力:角川書店・プロジェクトチームアルゴス・マッドハウス(アニメーション制作)・マジックカプセル
角川春樹事務所作品
配給:東宝東和
公開:1983年3月12日
上映時間:135分
制作国:日本
言語:日本
配給収入:10億6千万円
【幻魔対戦・ストーリー】
トランシルバニア王国の第一王女ルナ姫は、米国に向うジェット機に乗っていました。しかしジェット機は、宇宙から飛んできた物体と衝突して墜落してしまいます。空中に放りだされたルナは、自分が生きているのか、死んでいるのかもわからないような未知の空間の中で、宇宙のエネルギー生命、フロイの声が聞こえてきます。
フロイによると、宇宙の破壊者、幻魔大王の死の手が銀河系に伸びており、超能力を持つ者を集めて地球を救うために戦えというのです。そしてルナは、フロイによって遣わされたサイボーグ戦士ベガとともに同士を探し求めて飛びたつのでした・・・。
その頃、東京で、高校生の東丈が、野球部のレギュラーからはずされ、ガールフレンドの淳子にも冷たくされてやけになっていました・・・。ある夜、丈は淳子を新宿に呼びだします。夜なのに学制服で外出した丈に、淳子は「あなたの姉さんのの存在が大き過ぎる。暫く会わない方がいい・・・」と話します。原チャで走り去る彼女の後姿を寂しげに見送った丈は、ウサ晴らしに成人映画を観ようとして断られ、新宿ALTA附近をうろついていました。そこへ、ベガが現れ、丈を追いつめる。周囲の通行人は石のように動かない。建築中のビルの屋上に逃げた丈は、恐怖に錯乱すると、建築資材がベガめがけて飛んでいった。これはルナが、丈の超能力を調べるためにしかけたことで、その力は予想以上だったのです。
自分の力に驚く丈は、帰路、シャッターの降ろされた吉祥寺サンロード商店街で、マクドナルド・ハンバーガー・ショップの前にあったポリバケツの蓋を思うがままに飛ばした。数日後、ルナは丈とテレパシーでコンタクトするが、彼は怯えて自分の殻の中に閉じこもってしまっていました。その原因は、丈が小さい頃から、危険を感じると姉の三千子に頼っていたことにあると悟ったルナは逃避をやめて自立しろと説得し、結果地球を救う戦いに参加する決意をした丈は、この途方もない話を姉にすると、彼女は疑いもなく信用し、愛の力が宇宙を救うのだと話す。
だが、その後幻魔は淳子にまで乗り移り、丈に襲いかかります。彼はなんとか敵の攻撃をかわしたのはよかったが・・・。その頃、幻魔がニューヨークを襲い、市は廃墟と化し、超能力を持った黒人少年ソニーが、謎の炎に包まれ、それがどんどん膨張していた。その光景を呆然と見つめるルナ、ベガ、丈。そこでルナは各地の超能力者にテレパシーを送ると、サラマンダー、ヨーギンが集まり、皆の協力でソニーを救い、幻魔を追い払います。同じ頃、東京でも幻魔が大暴れてしており、ニューヨーク同様に廃墟と化しており、吉祥寺の丈の自宅では幻魔の手下、ザメディとザンビが三千子に襲いかかっていたのです。三千子はテレパシーでガスレンジに火を付け、一人を焼き殺すが、無残に殺されてしまったのです。東京に戻った丈は戦いに傷つき、医師のカフーに手当てを受けるが、実は彼こそ、幻魔を代表する地球総攻撃の指揮官であり配下であった。回復した丈は、超能力を持ったアサシンと少女のタオとともに、カフーを追い富士山に向かいます。丈たちよりも上手のカフーは二人を冷凍にするが、その時、死んだ三千子の霊(残留思念)が現れ、カフーを溶解し倒す。そして、集まって来たルナ、サラマンダー、ソニー、ヨーギンたちの力で、丈とアサシンが蘇生します。そのとき、火口から幻魔が現れ、「火竜」となり、全員に襲いかかります。圧倒的なパワーにはね飛ばされる丈たち。そこで、全員が輪になり、皆の力を戦士ベガに集中して立ち向かいます。これには幻魔もかなわず、一瞬にして氷となって砕け散った。
役目を終えて傷ついてしまったベガは、緑の水晶球となって、手をつないで輪になったルナ、丈、ヨーギン、サラマンダー、アサシン、タオ、ソニーたちの姿が空中に浮かんでいき「戦士ベガ」は永い永い眠りにつくのだった・・・
【キャスト】
東丈:古谷徹
ルナ:小山茉美
ベガ:江守徹
東三千子:池田昌子
沢川淳子:潘恵子
フロイ:美輪明宏
幻魔大王:佐藤正治
カフー:穂積隆信
ザンビ:永井一郎
ザメディ:滝口順平
江田四郎:塩沢兼人
ソニー・リンクス:林泰文
タオ:原田知世
ヨーギン:槐柳二
アサンシ:田中秀幸
サラマンダー:内海賢二
オライリー署長:寺田誠
丈の幼年時代:恵比寿まさ子
女占星術師:白石加代子
侍従長:宮内幸平
アナウンサー:矢田耕司
黒人ギャング:塩屋翼、塩屋浩三
若い女:加藤友子、青木典子
◆本作『幻魔大戦』、壮大な構想のもと、桂千穂 脚本 による アングラ舞台劇 の作風もあり、スタジオジブリのアニメーターであった今は亡き 金田伊功氏による火炎龍のスペクタクル、大友克洋氏による精密なスクリーン設計、ダイナミックなストーリ展開など 見所も多いアニメ映画作品なのですが、観念的に偏った描写?が何度もあり、なんともダイナミックな流れを止める ような結果に終始しており、個人的には思い出深い好きな作品なのですが、あくまで映画として 評価するなら、また続編あり?の初回作なのかな?と感じてしまうような作品です。
それでも、当時のアニメブームが追い風となって、同時期に公開していた 「ヤマト完結編」 や「クラッシャージョー」など興行的に大きく突き放したのは、内容の良さよりもやはり角川事務所の 宣伝効果の 大きさがあったからだと思います。
▲Harmageddon幻魔大戦
幻魔大戦、本編です👆
▲「光の天使(CHILDREN OF THE LIGHT)」

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