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劇場アニメ映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』

日本のテレビアニメ昭和徒然史
03 /30 2022
◆◆『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』は、日本のSFアニメーション映画です。テレビアニメ『超時空要塞マクロス』(1982年~1983年放送)の劇場用作品です。略称は「愛おぼ」または「愛・おぼ」。「マクロスシリーズ」の確立後は、「初代マクロス劇場版」とも呼ばれています。
1984年7月21日より、東宝洋画系映画館にて公開されました。製作費は約2億円、観客動員数は約85万7600人、配給収入は7億円。キャッチコピーは「それは時空を超えたラブソング」「ミンメイ 最大戦速(マクロスピード)!!」

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【超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか・制作、公開データ】
製作:大西良昌、吉田健二
原作:スタジオぬえ
原作協力:アートランド
脚本:富田祐弘
ストーリー構成、脚色:河森正治
キャラクターデザイン:美樹本晴彦
プロダクションデザイン:宮武一貴
メカニックデザイン協力:出渕裕、かがみあきら、原田則彦、石津泰志、河森正治
作画監督:美樹本晴彦、板野一郎、平野俊弘
作画監督補:島田英明、飯田史雄、垣野内成美、増尾昭一
原画:庵野秀明、青井清年、井口忠一、宇田川一彦、門上洋子、北久保弘之、木上益治、窪秀巳、合田浩章、斉藤格、西城隆詞、篠崎俊克、瀬谷新二、多賀一弘、高橋資祐、矢吹愛弓、中村孝、福島喜晴、藤高栄光、丸山政治、三坂徹、森川定美、森本晃司、本猪木浩明、山口宏、結城信輝、橋本とよ子、沢田早苗、浜崎博嗣、前田真澄、水村良男、菊池市松、村田充範、郷敏治、川又浩、吉田忠勝、窪詔之
美術監督:宮前光春
カラーボード:宮前光春、西田稔
美術監督補:本田修、佐藤広明
撮影監督:橋本和典
音楽:羽田健太郎
音響監督:本田保則
演出:秋山勝仁、笠原達也
制作協力:アニメフレンド
企画、制作:ビックウエスト、竜の子プロダクション、毎日放送、小学館
配給:東宝
プロデューサー:井上明、岩田弘、榎本恒幸
監督:石黒昇、河森正治
公開:1984年7月21日
上映時間:115分
製作国:日本
言語:日本語
製作費 2億円
配給収入 7億円(『キネマ旬報』2月下旬決算特別号 No.904、キネマ旬報社、1985年、119頁。)
愛おぼ解説
【作品解説】
『超時空要塞マクロス』の人気を受けて、1982年末にテレビシリーズの放送延長とともに映画化企画があがりました。1983年から1984年にかけて、後番組『超時空世紀オーガス』の制作と並行しながらの準備、進行が進められています(『MACROSS THE MOVIE』、小学館、1984年、388頁。)
監督はテレビシリーズのチーフディレクターを務めた石黒昇氏と、メカニックデザイナー出身の河森正治氏が共同で担当しています。河森さんはテレビシリーズ第17話「ファンタズム」や第27話「愛は流れる」の演出(「黒河影次」名義で絵コンテ担当)を認められて抜擢されています。ストーリーは河森さんの初期構成案をもとに、富田祐弘が準備稿を執筆。これと河森さんが描いたイメージボードをベースにして、石黒氏と高山文彦さんが絵コンテを切り、河森が最後に全体のトーンをまとめるというプロセスで構成されています(「DOCUMENT OF MACROSS No.004 劇場版愛・おぼえていますか資料編」『ニュータイプエース Vol.11』特別付録、角川書店、2012年、3 - 5頁)

公開当時はテレビアニメのダイジェスト映像をもって劇場版とする作品が多かったが、本作は全編新作フィルムとして制作されました。「アイドル歌手リン・ミンメイの歌によって文化を知らない異星人との星間戦争に決着がつく」というコンセプトを保ちながら、テレビシリーズ第27話「愛は流れる」までのエピソードを再構成しています。敵が男のゼントラーディと女のメルトランディという2種族に分かれて争っていることや、クライマックスで流れる歌が、太古の流行歌であることなど、設定を大きく変更しています。

河森さんは作品のテーマについて、「生まれも育ちもちがう複数の人物が、その差を乗り越えてひとつになり得るか」と述べている。その世界観を視覚化するため、宮武一貴がデザインラインを再編し、現用兵器的な地球系、深海生物的なゼントラーディ系、無機工学的なメルトランディ系に色分けしています。また、「デカルチャー」などの異星言語を考案し、画面に翻訳テロップを付けるという手法を用いています。
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キャラクターデザインにおいても、前述の宮武さんのデザインラインの系統に沿ってリメイクされ、劇場で視聴する際の角度も考慮した頭身へと変更されたといわれています(とくに地球側キャラクターが顕著に表れています)
作画では美樹本晴彦(地球側キャラクター)、平野俊弘(異星人キャラクター)、板野一郎(メカアクション)ら作画監督が中心となり、テレビシリーズの代表的な話数よりもさらに絵の密度を上げるとともに、スケジュールなどの問題により維持できなかったクオリティの統一を図っています。
キャラクターのタッチはじっくりした芝居の「間」にこだわるという演出意図から、テレビシリーズよりも落ち着いたものに変更されています。また、空中戦シーンでは大気圏内と宇宙空間での機動の違いや、パイロットごとの操縦の個性の違いまで表現しています。
音楽においては、作曲家の羽田健太郎氏が、新たにBGMを作曲。作中のシーンに合わせて、ミンメイ役の歌手飯島真理が歌う劇中歌を配置しています。加藤和彦、安井かずみ夫妻が提供した主題歌『愛・おぼえていますか』は、劇中においてもクライマックスの大戦闘を終結に導くキーナンバーとされました

【超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか、あらすじ】
遥か長い間、大宇宙で抗争を続ける巨人族の二大勢力、男のゼントラーディと女のメルトランディ。
西暦2009年、その戦火は地球にも及び、ゼントラーディ艦隊の奇襲を受けた地球統合軍の巨大宇宙戦艦マクロスは、フォールド(超空間跳躍)による脱出を試みますが、動力不調から太陽系外周部へと予期せぬ移動をすることになります。

地球を離れる際に避難した5万8千人もの民間人は、広大な艦内に市街地を建設して生活を営み始めることになります。地球への自力帰還をめざし、土星の衛星タイタンから物語は始まります。
マクロス艦内でデビューした人気歌手リン・ミンメイのコンサート当日、ゼントラーディ軍ブリタイ艦隊の追撃部隊が襲来する。可変戦闘機バルキリー隊のパイロット一条輝は市街地に侵入した敵機を追いながら、戦闘に巻き込まれたミンメイを救助する。ふたりは艦内閉鎖区画に閉じこめられ、輝は憧れのアイドルと親しくなるが、芸能マスコミにスクープされ、厳格な上官早瀬未沙から独断行動を咎められる。それでも輝はミンメイのお忍びデートに付き合い、芸能生活に疲れた彼女を元気づけるため、バルキリーの複座練習機に乗せ土星の輪の遊覧飛行に連れ出す。しかし、ゼントラーディ軍の追手に捕まり、連れ戻しに来た未沙らともどもゼントラーディ艦に収容にされる。彼らは捕虜尋問のなかで、ブリタイら巨人が地球人のありふれた生活習慣に驚き、特に男女の愛情表現(キス)に衝撃を受けるということに気付きます。
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輝と未沙は敵艦からバルキリーで脱出するがフォールドから弾き出され、マクロスより先に地球にたどり着く。マクロスの出航後、ゼントラーディ軍の爆撃で地上は焦土と化し、生命は死に絶えていたのです。軍人としての使命を失い、気落ちする未沙と、彼女の前であえて気丈にふるまう輝。荒廃した地球を1か月間放浪するうちに、ふたりは寂しさを分かち合い、互いに愛しあうようになる。
輝と未沙は海上に出現した巨大宇宙移民船の廃墟を調査し、先史銀河文明プロトカルチャーの情報を得る。太古の時代に単体生殖技術が進んだ結果、男と女のプロトカルチャーが争い始め、ふたつの巨人戦闘種族が生み出されたこと。争いを望まず戦火から逃れた男女のプロトカルチャーが地球に立ち寄り、地球人の祖先に遺伝子操作を施したあと、この移民船を遺してまた去っていったことなど。暮らしの跡が残る居住区で、未沙はプロトカルチャー文字の"詞"が刻まれたメモリープレートを発見する。
一方、ミンメイはゼントラーディ基幹艦隊司令ゴル・ボドルザーのもとへ連行される。ミンメイの歌声を聴いたボドルザーは巨人たちが失った「文化」を地球人が持っていることを悟り、一時的にマクロスと休戦。保存していたプロトカルチャーのメモリープレートに刻まれていた"曲"をミンメイに歌わせ、カルチャーショックでメルトランディを屈服させようと企む。
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地球に帰還したマクロス艦内で、輝と未沙はミンメイと再会を果たす。輝への愛を自覚していたミンメイは、生き別れになっていた間に結ばれた輝と未沙にショックを受け、ふたりの前から行方をくらます。おりしも、メルトランディのモルク・ラプラミズ司令もプロトカルチャーの文化を得んと、大艦隊を率いて地球周辺宙域に出現。ボドルザーは歌が未完成なことを知ると、休戦協定を破り、マクロスとメルトランディへの総攻撃を指示する。ゼントラーディ対メルトランディの艦隊決戦の火ぶたが切られ、ボドルザー旗艦から放たれた主砲の直撃でラプラミズは消滅します。

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輝はミンメイを見つけ出し、未沙がメモリープレートから解読した歌詞を歌ってほしいと頼む。ミンメイは失恋に傷つきながらも、歌手としての誇りを胸に歌詞を受けとり、マクロス艦橋に用意されたステージに立つ。ミンメイが歌う『愛・おぼえていますか』が戦場に響き渡ると、男と女の巨人たちは秘めたるカールチューン(文化因子)を呼び起こされ、混乱に陥る。そして「ボドルザーを倒し、再び文化を取り戻すのだ」というブリタイの呼びかけに団結する。マクロスは両軍の援護を受けながらボドルザー旗艦内部へ侵入。輝はバルキリーを駆って旗艦中枢へ単機突入し、ボドルザーにとどめを刺す。

「大昔に流行した当たり前のラブソング」が時空を超えて平和をもたらし、ミンメイと未沙は、互いに顔を見合わせ笑顔を交わすのでした。


超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか[Vsub]

【超時空要塞マクロス ・その魅力はどこにある?】
日本のテレビアニメ徒然史も100回目近くになってきました。率直に本作超時空要塞マクロスの魅力というのは、どこにあるのか?簡潔に考えてみました。

個人的に考えてみるところ、やはりマクロスのTVシリーズが始まったときに、河森正治氏ら若いスタッフの皆さんが、「自分達が観たいものを作る」という実験的な方向性を持ち込んだところではないでしょうか。結果的に作品の視聴者層と世代感覚を共有することになりました。

SFビジュアル設定や精巧なデザインもうなづけますし、何より、ラストバトル部分にという一つのヒューマニズムあふれる設定が盛り込まれていて、視聴している人それぞれの感性に訴えかけてくる部分が多いのではないでしょうか。

マクロスが登場してくるまでのSFアニメには、ヤマトや999、あるいはガンダムに代表されるように、根底にメッセージ性を強く打ち出してくる部分があると感じています。それがよく出ているのが昭和のアニメだと思います。ところがマクロスにはそれが少なく感じるのです。メッセージ性の有無で作品の良しあしを評価しているのではなくて、「自分達が観たいものを一生懸命に作りました」、「感想を是非、聞かせてください。」といった作風を作品の根底に感じます。

この『超時空要塞マクロス』がアニメ作品の流れのなかで、一つの分岐点にもなっているように感じます。

UーNEXTで視聴できます


超時空要塞マクロス Macross IN 愛・おぼえていますか AI 4K 日語字幕 (MAD) (思い出シリーズ)
愛・おぼえていますか
作詞 - 安井かずみ / 作曲 - 加藤和彦 / 編曲 - 清水信之 / 歌 - 飯島真理
1984年6月5日、ビクター音楽産業より発売。オリコン週間シングルチャート最高7位を記録。

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のぶさん

55歳から短い脚で、二輪にまたがり、還暦峠も越えて、人生下り坂のアニメ好きジジイでございます。人生、特に極めることもなく、カラータイマーが点滅中(o|o)