◆日本のテレビアニメ昭和徒然史(127回)テクマクマヤコン2編今回は、1988年(昭和63年)下期(7月~12月放送開始分)PARTⅠをご紹介します。
【ビリ犬】
『ビリ犬』(ビリけん)は、藤子不二雄Ⓐによる日本のギャグ漫画作品、及び主人公である架空の犬の名前です。テレビアニメ化され、アニメの続編も存在します。原作作品は、意外と古く、1969年に講談社の『たのしい幼稚園』・『ぼくら』にて連載されていたものです。その後、テレビ朝日系にて放映された『藤子不二雄Ⓐワールド』枠内で、『ビリ犬』のタイトルで1988年7月11日から1989年3月27日にかけてアニメ化されました。放送話数は全32話。
上記『藤子不二雄Ⓐワールド』枠消滅後は、独立した『ビリ犬なんでも商会』(ビリけんなんでもしょうかい)のタイトルで1989年4月10日から9月18日まで放映されていました。放送話数は全22話です。
なお、アニメの放映に合わせて、再度、『月刊コロコロコミック』(小学館)にて新作が連載されました。『ビリ犬なんでも商会』の放映以後は、アニメと同じ題名に改題されています。
「ビリ犬」第24話でガリ犬が抜けた(声を演じた山田栄子が出産・育児により短期間休業のため)あと、第25話からトド犬が登場。ガリ犬は「ビリ犬なんでも商会」の第一話で合流し、3人そろって改めてスタートを切った。
『月刊コロコロコミック』ではアニメの放送終了と同時に連載も終了。1989年10月号に掲載された最終回は最終回的な内容ではなく、11月号に続くかのようになっていたが、11月号で突然の連載終了になりました。
【ビリ犬・制作、放送データ】
原作:藤子不二雄Ⓐ
総監督:笹川ひろし
監督:西村純二
キャラクター設定:なかじまちゅうじ
美術監督:天水勝➡増田直子、川口正明
撮影監督 :山田廣明
録音監督:小林克良
音楽:稲川徹
プロデューサー:波多野正美、児玉征太郎、亀山泰夫
効果:松田昭彦(フィズサウンドクリエイション)
整音:柴田信弘
音響制作デスク:石井睦子
編集:岡安肇、村井秀明、中葉由美子、小島俊彦、川崎晃洋(岡安プロモーション)
タイトル:道川昭
文芸:滝原弥生
制作事務:古賀真貴子
制作デスク:小倉久美、千葉茂夫
制作協力:スタジオディーン、ライフワーク
制作:テレビ朝日、旭通信社、シンエイ動画
放送期間:1988年7月11日~1989年3月27日 全32話
放送局:テレビ朝日系列
【それいけ!アンパンマン】
『それいけ!アンパンマン』は、やなせたかしの絵本『アンパンマン』を原作としたテレビアニメです。
【それいけ!アンパンマン・一口概要】
皆様もよくご存じの本作『それいけ!アンパンマン』は1988年(昭和63年)10月3日に日本テレビで放送開始されました。企画した山崎敬之さんによると日本テレビサイドが提示した条件( アンパンマンが自分の顔を与えるという設定の改変と、スポンサーに内定していた山崎製パンからの「ばい菌をタイアップ商品にプリントできない」という見解からばいきんまんのキャラクターの削除。)をやなせが拒否し続けたために放送開始が2年近くも遅れたと言われています(『テレビアニメ魂』山崎敬之著、講談社 p200より)。
当初はテレビ業界的にかなり不安視されていたようで、スポンサーに内定していた山崎製パンが放送直前に降板したため急遽他の玩具会社などが提供することとなったり、ネット局も日本テレビなど数局のみで2クール(半年)・全24話で終了する予定だったなどと逆境の新発となりますが、1989年(平成元年)4月3日からは予想以上の人気を受けるため放送期間の延長が決まりました。そして現在に至るまで放映され続ける長寿番組として定着しています。
また、日本で現在放送されているテレビアニメでも『サザエさん』(フジテレビ系、1969年開始)と『ルパン三世』シリーズ(日本テレビ系、1971年開始。定期的な放送は一部の時期のみで、金曜ロードショーのテレビスペシャルなど年1回ペースでの新作放送)と、『ドラえもん』(テレビ朝日系、1979年開始。2005年にリニューアル)に次いで4番目、30分のレギュラー放送および話数では3番目に長い作品となっています。
まさか、ここまでの長寿番組になるとは・・・こうなったら、世界の大人も応援しよう
世界の子供たちのために、『がんばれ!!アンパンマン』
【それいけ!アンパンマン・あらすじ】
「パン工場」に住むパン作りの名人・ジャムおじさん。彼は“心を持ったあんパン”を作りたいと思っていたが上手くいかずに困っていました。ある夜、夜空の流れ星が、パン工場のパン焼き窯に降り注ぎます。この「いのちの星」があんパンに宿り、アンパンマンが誕生したのです。
アンパンマンは、困っている人がいればどこへでも飛んで行き、お腹を空かせて泣いている人には自分の顔を食べさせてくれる正義のヒーローです。しかし、そんなアンパンマンをやっつけるために誕生したのが、「バイキン星」からやって来たばいきんまんだったのです・・・
【それいけ!アンパンマン・制作、放送データ】
企画:武井英彦➡(1995年から2008年まで不在)➡奥田誠治➡奥田誠治・藤本鈴子➡藤本鈴子➡(2009年から2011年まで不在)➡菅沼直樹➡奥田誠治➡船越雅史➡井上健➡多昌博志➡篠宮浩司➡下村忠文➡桑原佳子
原作:やなせたかし(フレーベル館刊)
連載:ベビーブック、めばえ
チーフプロデューサー:(不在)➡藤本鈴子(2013年5月31日まで)➡(不在)
(プロデューサー)
日本テレビ: 伊藤響➡中谷敏夫➡山下洋➡小野利恵子➡俣野尚郎➡中谷敏夫・笠原陽介➡中谷敏夫➡中谷敏夫・岩佐直樹➡中谷敏夫・桐本篤➡桐本篤➡高橋雄一➡高橋雄一・梅澤宏和➡高橋雄一・今井蘭泉
東京ムービー新社 / キョクイチ / トムス:柳内一彦➡尾崎穏通・柳内一彦➡柳内一彦・久保雄輔➡久保雄輔➡岩崎和義
担当プロデューサー(一時期):久保雄輔➡岩崎和義
アニメーションプロデューサー :(不在)➡竹元将泰
音楽:いずみたく➡いずみたく・近藤浩章
主題歌:三木たかし
キャラクターデザイン:山田みちしろ➡前田実・山田みちしろ
総作画監督:前田実
美術監督:横山幸博➡横山幸博・池上みどり➡石垣努
美術設定:横山幸博
撮影監督:金井弘➡川田敏寛/河合有紀子、熊井裕士、高橋直人(ライトフット)・(クリスマスSPのみ)・(年替り)
音楽監督:鈴木清司
音響監督(旧・録音監督):山田悦司➡山田知明・山田悦司
文芸担当:小野田博之➡小野田博之・飯沢洋子➡上田菜保子
制作担当:松本真➡小沢十光➡溝上猛➡橋本浩二➡泉岳男➡久保雄輔➡岩崎和義➡竹元将泰➡松田拓也
編集:高橋和子➡鶴渕允寿➡鶴渕和子➡鶴渕允寿・鶴渕和子➡小宅貴史
アシスタントプロデューサー(一時期):松本真➡大石祐道
助監督:矢野博之(1995年~2000年)
チーフディレクター(初期)→監督:永丘昭典(一時期のみ・矢野博之、篠原俊哉)
企画・制作:日本テレビ
製作➡製作著作:東京ムービー新社➡キョクイチ東京ムービー→トムス・エンタテインメント
放送期間:1988年10月3日~現在放送中
放送局:日本テレビ放送系列
(オープニングテーマ)
♪『アンパンマンのマーチ』1988年10月3日 ~
作詞 - やなせたかし / 作曲 - 三木たかし / 編曲 - 大谷和夫 / 歌 - ドリーミング
テレビサイズの歌詞は2番ですが、放送開始以来2番の歌詞が採用されています。劇場版の歌い出しは、第1作のみ1番の歌詞で、第2作以降は2番の歌詞となりました。
▲アンパンマンのマーチ 歌詞つき ダンス みんなで踊ってね
【ひみつのアッコちゃん(第2期)】
『ひみつのアッコちゃん』は、赤塚不二夫さんによる日本の少女漫画です。1960年代から2010年代に至るまでたびたびテレビアニメ化され、人気を呼びました。また、テレビドラマや実写映画も製作されている。東映魔女っ子シリーズです。
今回ご紹介するのは、1988年10月9日から1989年12月24日にわたり全61話がフジテレビ系列で放送されたテレビアニメ作『ひみつのアッコちゃん』シリーズの第2作目です。東映動画制作。
【ひみつのアッコちゃん(第2期)・内容】
なんでも望むものに変身できる魔法のコンパクトを鏡の精からもらった少女・アッコちゃんが、コンパクトの力を使って変身して、人助けをするコメディです。女の子が憧れの職業に変身するという、変身願望を満たす要素は、後の魔法少女もののスタンダードとなり、大きな影響を残しました。同時に、「ごく普通の人間の少女が、異世界の存在から魔法の力を与えられ変身能力を得る」という、後のぴえろ魔法少女シリーズに連なる設定の元祖的作品ともなりました。
【ひみつのアッコちゃん(第2期)・制作、放送データ】
企画:原岡健一郎、清水賢治(フジテレビ)、嶋村一夫、木村京太郎(読売広告社)
原作:赤塚不二夫
音楽:本間勇輔
製作担当:佐伯雅久
キャラクターデザイン:兼森義則
美術デザイン:坂本信人
美術:坂本信人、吉田智子、田中資幸、中山恭子、小林勝寿、坂野文世、萩原正己
シリーズディレクター:芝田浩樹
プロデューサー:横山賢二、関弘美(東映動画)
撮影:沖野雅英
編集:清水慎治→西山茂
録音:蔵本貞司
効果:今野康之
選曲:田中英行
記録:雄谷将仁
美術進行:御園博
広報:重岡由美子(フジテレビ)
現像:東映化学
制作:フジテレビ、読売広告社、東映動画
放送期間:1988年10月9日~1989年12月24日 全61話
放送局:フジテレビ系列
【ひみつのアッコちゃん(第2期)・登場人物、キャスト】
アッコ:堀江美都子
モコ:杉山佳寿子
大将:塩屋翼
少将:三輪勝恵
カン吉・大将の母:上村典子
ガンモ:つかせのりこ(第1話 - 第15話)➡三田ゆう子(第21話 - 第61話)
チカ子・モコの母:山本圭子
ギョロ・教頭先生:小林通孝
ゴマ:つかせのりこ(第1話 - 第18話)➡佐藤智恵(第19話 - 第61話)
パパ:銀河万丈
ママ:太田淑子
佐藤先生・ドラ:佐藤正治
森山先生:色川京子
シッポナ:渡辺菜生子
鏡の国の女王:増山江威子
キーオ:中原茂
文造(大将の父):松尾銀三
源太郎・校長先生・変なおじさん:田中和実
お菊:麻生美代子
ガンモの父:掛川裕彦
ガンモの母:八百坂万紀
モコの父:平野正人
その他:屋良有作、広中雅志、丸尾知子、戸谷公次、山野さと子、沢木郁也、矢田耕司、江森浩子、多岐川まり子、金丸日向子、山口奈々、本多知恵子、川浪葉子、坂本千夏、頓宮恭子、草尾毅、田中康郎、阿部道子、難波圭一、宮内幸平、堀川亮、鈴木砂織、田中亮一、塩屋浩三、富沢美智恵、柳沢三千代、冬馬由美、片岡富枝、荘真由美、八奈見乗児、鈴木れい子、山本百合子、遠藤晴、島田敏、村國守平、金丸淳一、深雪さなえ、小口久仁子、岸野幸正、小野坂昌也、堀之紀、里内信夫、長嶺結花、佐藤浩之、原えりこ、長畑由美、藤原由香里、高木優佳、神山雅美、塩沢兼人、高木早苗、久川綾、浦和めぐみ、摩味、大森章督、萩森侚子、高戸靖広、柏倉つとむ、川村万梨阿、青羽美代子
★テレビアニメシリーズ作品では、1作目(1期目)2期目は、人気が落ちる傾向が強いのですが、この『ひみつのアッコちゃん(第二期)は、人気が大幅に上回った作品です。1988年10月下旬、タカラ(現・タカラトミー)が、アッコが劇中で使うコンパクトを玩具にした「テクマクマヤコン・コンパクト」を発売し、これが大ヒットしました!。1989年1月上旬までにこれが、なんと20万個を出荷しました。この商品は発売直後から爆発的な売れ行きを見せ、店頭に並べられた直後に即売切れという状態が続きました。そのため、1988年11月下旬からテレビCMの放送が一旦、打ち切られるほどでした。1989年10月には2代目のコンパクトが使われ、その玩具が売り出された2か月後に打ち切られています。初代のコンパクトは丸型で、2代目のコンパクトは角型である。累計では、初代コンパクトの玩具は150万個、2代目コンパクトの玩具は80万個を売り上げています。
アッコちゃんの服装は、白いブラウスの上に赤い上着、および黄色いスカートを着用している。髪は紫色である。室内と外出時を問わず裸足で、裸足のままピンクのスニーカーと上履きを履く姿は男の子に負けない元気の良さをアピールしていました。本作は視聴率上でもマーチャンダイジング上でも大成功を収めました。この影響で同じフジテレビ、読売広告社が手がける『東映不思議コメディーシリーズ』も魔法少女路線に変更することになりました。
ただ、この作品で残念であったのは、ガンモとゴマの二役を演じていたつかせのりこさんが、直腸癌を患い入院を余儀なくされたため途中降板した(その後、放送期間中の1989年5月15日に逝去されました)。これにより、ガンモ役は三田ゆう子が、ゴマ役は佐藤智恵が途中で引き継ぐことになりました。
▲ひみつのアッコちゃん (1988) OP&ED ((STEREO))
♬オープニングテーマ 「ひみつのアッコちゃん」
作詞 - 井上ひさし、山元護久 / 作曲 - 小林亜星 / 編曲 - 青木望 / 歌 - 堀江美都子 (日本コロムビア )
♬エンディングテーマ「DON'T YOU…?」
作詞 - 岡田ふみ子 / 作曲 - 芹澤廣明 / 編曲 - 青木望 / 歌 - 堀江美都子、タイム・ファイブ (日本コロムビア)
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次回記事が、日本のテレビアニメ昭和徒然史の最終回となります。
