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長編アニメーション映画『魔女の宅急便』

※本ブログでは記事中に広告情報を含みます

◇本ページはプロモーションが含まれています

🔶今回は1989年(平成元年)7月に公開されたスタジオジブリの『魔女の宅急便』の紹介記事です。『魔女の宅急便』(まじょのたっきゅうびん)は、スタジオジブリ製作の日本のアニメーション映画作品です。スタジオジブリにおける宮崎駿監督の長編映画としては初の、他者の原作による作品となります。原作は角野栄子さんの児童文学『魔女の宅急便』。主題歌には荒井由実さんの楽曲が採用されました。

📽キャッチコピー 「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」

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【魔女の宅急便・概要および反響】
本作では徳間書店の他にヤマト運輸、日本テレビが製作に参加しています。スポンサーが付き、テレビCMなど広告宣伝面にも注力した結果、観客動員数は264万人、配給収入21.5億円と前作『となりのトトロ/火垂るの墓』の3倍以上を記録しました。1978年(昭和53年)公開の『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』の配給収入21億円の記録を抜いて日本のアニメーション映画の興行記録を更新しています。スタジオジブリとしては前作『となりのトトロ』が興行的には不発に終わっていたので、製作活動にも製作委員会方式を採用して取り組んだ作品といえます。製作委員会方式については、本記事の備考で紹介しています。

本作以降日本テレビはジブリの劇場公開作品の制作に参加し、ジブリ作品は同局の『金曜ロードショー』で独占放送する権利を獲得しているのです。

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【魔女の宅急便・制作の経緯】
1985年(昭和60年)12月、映画プロダクション風土舎が、角野栄子さんの児童文学『魔女の宅急便』の長編アニメーション化の企画を立ち上げました。「宅急便」がヤマト運輸の登録商標であったことから、真っ先に同社にスポンサーを要請しました。しかし、当初ヤマト運輸は難色を示していたそうですが、同社のトレードマークである黒猫が偶然にも物語に登場することから次第に前向きな検討を始め、スポンサーになることを了承したというエピソードがあります。

1987年(昭和62年)春ごろ、風土舎とヤマト運輸は、電通を通じて徳間書店に協力を申し込み、本作はスタジオジブリで制作されることになりました。更に東映配給部長の原田宗親を納得させる為に日本テレビも制作に加わる事となります。

風土舎は、「監督またはプロデューサーに宮崎駿か高畑勲を」との意向があり『となりのトトロ』、『火垂るの墓』の制作を開始したばかりでもあり当初監督は有望な若手を起用する事とし、宮崎さんはプロデューサーのみを請ける事になりました。またメインスタッフ陣にキャラクターデザイン担当のチーフアニメーターに近藤勝也さん、補佐に大塚伸治さんを起用し、美術監督は男鹿和雄さんの推薦で大野広司さんが起用されています。大野さんが所属していたスタジオ風雅の水谷利春社長もこのプロジェクトに賛同し、すぐ大野さんの起用を決定しました。
プロジェクトは着々と進んでいたが、書きあがっていたシナリオが作品の雰囲気にそぐわなかったため、『となりのトトロ』の作業を終えた宮崎駿さんがシナリオを書く事になりました。制作が進むにつれ当初70〜80分くらいの上映時間の構想であったが、最終的には100分を越える本格的長編となりました。また、監督は片渕須直さんが就任する予定であったが、スポンサー企業の意向をうけて演出補佐にまわり、結局、宮崎さんが監督も務める事になります。シナリオ完成後、宮崎さんは絵コンテ作業を開始。途中、近藤喜文さんも絵コンテ作業を手伝っていたが作画状況の関係から作画監督に回る事となります。今回の宮崎の役目はプロデューサー、脚本、絵コンテ、監督の4役で『風の谷のナウシカ』、『天空の城ラピュタ』、『となりのトトロ』で行っていた作画チェックは行わないで、作画監督の近藤勝也さん、近藤喜文さん、大塚伸治さんがその役を担当しました。

長編アニメーション映画としては制作期間が短く、本作を鑑賞して記憶にある方も多いと思いますが、作画の困難な群集シーンなどが後半に多数挿入されたのでスタッフの負担が大きくなりました。音楽演出を高畑さんが受け持ったのも、宮崎さんに余裕がなくなったためです。さらに音楽担当である久石譲さんも自身のアルバム制作とスケジュールが重なり、音楽打ち合わせから演奏録音までが、公開間際になるという状態でした。

原作をかなり自由に脚色し背景にはスタッフがロケハンした風景などを織り交ぜて使っています。街の名前は、劇場公開時のパンフレットによれば原作のまま「コリコ」の街とされている。この街では白黒テレビが普及している一方でボンネットバスや大きな飛行船が使われているなど、現代ではなく過去の時代を舞台にしていたのかなと思えます。
スタジオジブリの発足前から徳間書店の作品の配給を担当した東映は東宝に配給させた前作の『火垂るの墓』と『となりのトトロ』の興行的失敗を理由に本作を持ってジブリ作品の配給の打ち切りを決定し、本作は東映が配給した最後のジブリ作品になりました。
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【魔女の宅急便・製作委員会
総指揮:徳間康快
代表:都築幹彦、高木盛久
代表委員:山下辰巳、宮内宏二
推進委員:加藤博之、有富慶二、漆戸靖治、間部耕苹
プロデューサー:横尾道男、武井英彦
実行委員:徳間書店(小金井道宏、金子彰、三浦厚志、坪池義雄)、ヤマト運輸(太田明二、東條弘、北之口好文)
日本テレビ(務台猛雄、横山宗喜、奥田誠治)
企画協力:アニメージュ編集部、尾形英夫、グループ風土舎
宣伝プロデューサー:徳山雅也
宣伝顧問:原田宗親
キャッチコピー:糸井重里
宣伝協力:電通
配給:東映
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【魔女の宅急便・製作、公開データ】
企画:瀬藤祝
原作・ 文:角野栄子
原作画・シンボルマーク:林明子
絵コンテ:宮崎駿、近藤喜文
演出補佐:片渕須直
音楽:久石譲
主題歌:荒井由実『ルージュの伝言』『やさしさに包まれたなら』
音楽演出:高畑勲
キャラクターデザイン:近藤勝也
作画監督:大塚伸治、近藤勝也、近藤喜文
原画:金田伊功、二木真希子、篠原征子、遠藤正明、河口俊夫、大谷敦子、賀川愛、福島敦子、井上俊之、森友典子、森本晃司、佐藤好春、保田夏代、杉野左秩子、わたなべひろし、山川浩臣、羽根章悦、浦谷千恵、関野昌弘、新留俊哉、長谷川明子、近藤喜文
動画チェック:立木康子、舘野仁美
動画:椎名律子、尾崎和孝、手島晶子、牧孝雄、松井理和子、大谷久美子、渡辺恵子、平田英一郎、竹縄尚子、山口明子、佐藤伸子、柴田志朗、細井信宏、岡部和美、山縣亜紀、森田宏幸
タカハシプロダクション(坂野方子、手塚寛子、松島明子)、動画工房(成田達司、神戸洋行、福土多鶴子、河内由美、浜森理宏、真庭秀明、野村暁彦)、中村プロダクション(由名部節也、田口広一)、アニメトロトロ(山浦由加里、石井明子、伊藤広治)、スタジオ雲雀(小沼克介、高橋任治、渡辺明夫)、オープロダクション(池畠博基、斉藤百合子、結城明宏)、カボチャ村(原佳寿美、川橋良江、神原よし美)、グループどんぐり(安達晶彦、渋谷政行、石割悦子、真野鈴子)、スタジオムーク(福井一夫、中込輪、大下久馬、風戸聡)、フィルムマジック(広江克己)、スタジオコクピット
(大村まゆみ)、メルヘン社(古賀誠)、スタジオディーン(須和田啓一、東誠子、永井恵子、鍵山仁志、高野亜子、西戸スミエ、藤村理枝、槇田喜代子、岩柳恵美子、伊藤優、鈴木亮、遠藤ゆか、飯沼卓也、須藤百合枝、新屋真智子、林良恵、宮崎なぎさ、青山祐子、伊月一郎)
美術監督:大野広司
背景:男鹿和雄、黒田聡、木下和宏、太田清美、長縄恭子、長嶋陽子、スタジオ風雅(水谷利春、神山健治、工藤美幸、大野久美子)、アトリエブーカ(金子英俊)、メカマン(徳重賢、海老沢一男、伊藤豊、菅野紀代子、松浦裕子、千葉みどり、池畑祐治、男鹿美由紀)
特殊効果:谷藤薫児
ハーモニー処理:高屋法子
挿入絵 画 :「虹の上をとぶ船」八戸市立湊中学校養護学級共同作品より
挿入絵 スチール:落合淳一
色彩設計:保田道世
色指定:片山由里子
仕上検査:古谷由実、小川典子、立山照代、久田由紀、木村郁代
仕上:IMスタジオ
(伊勢田美千代、青沼麗子、柴田美知子、佐藤英子、福間栄子、谷田陽子、小沼真理子、深谷るみ、堀切栄子、中埜三恵子、平沼和枝、田島ゆかり)、スタジオ・キリー(岩切紀親、高橋直美、渡辺信子、久保田瀧子、町井春美、田原とし子、渡部真由美、浅井美恵子、工藤百合子、岡美代子、小林和美、大崎律子)、トレーススタジオM(伊藤二三子、谷藤美加、近江妙子、牟田努、西牧道子、西坂麻宰巳、横山由香里、前野泉)、龍プロダクション(吉田玲子、菅原みどり)、童夢社
(大町智恵子、菅沼満寿子)、スタジオOZ(豊永幸美、吉川潤子、高砂芳子)
仕上協力:スタジオファンタジア、 トイハウス 、京都アニメーション
撮影監督:杉村重郎
撮影:スタジオぎゃろっぷ
(清水泰宏、小堤勝哉、風村久生、赤沢賢二、小林徹、羽山泰功、西山城作、荒川智志、枝光弘明、田村洋)
技術協力:太陽色彩、スタック
音響制作:オムニバスプロモーション
音響監督:浅梨なおこ
整音:井上秀司
音響効果制作:E&Mプランニングセンター
音響効果:佐藤一俊
音響効果助手:小野弘典、小林範雄
音楽制作:ワンダーシティ
音楽プロデューサー:昼田純一、神井裕幸
音楽コーディネーター:渡辺隆史
エンジニアマスタリング:大川正義
エンジニアレコーディング:大川正義
エンジニアアシスタント:浜田純伸
CD制作:徳間ジャパン
台詞編集:山田富二男
録音スタジオ・ 音楽収録:ワンダーステーション、日活スタジオセンター
録音スタジオ・台紙収録:東京テレビセンター
録音協力:玉麻尚一、テレスクリーン
キャスティング協力:江崎プロダクション
タイトル:真野薫、道川昭
編集:瀬山武司
編集助手:足立浩
制作担当:田中栄子
制作デスク:川端俊之、木原浩勝
制作進行:逸見俊隆、西桐共昭、北沢有司、伊藤裕之
プロデューサー補佐:鈴木敏夫
コーディネイト・プロデュース:梅村葉子
現像:東映化学
DOLBY STEREO技術協: 極東コンチネンタル株式会社、森幹生
制作:スタジオジブリ
エグゼクティブプロデューサー:原徹
プロデューサー・脚本・監督: 宮崎駿
配給:東映
公開:1989年7月29日
上映時間:102分
製作費:8億円
興行収入:43億円(推測)
配給収入:21億5000万円
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🧹【魔女の宅急便・あらすじ】
のどかな田舎町に住むキキは、魔女の血を受け継ぐ13歳の女の子。『魔女として生きることを決意した少女は13歳の満月の夜に旅立ち、よその街で1年間の修行をしなければならない』という古くからのしきたりに従い、黒猫のジジと共に旅立つのでした。

夜通しの旅の末、海に囲まれた美しいコリコの街を見かけたキキは定住を決めてさっそく町へ向かいます。彼女の飛ぶ姿を驚いて見上げる町の人々に得意げになるキキだが、あわや自動車と接触事故を起こしかけ、慌てて街の片隅に逃れ降り立ちます。居合わせた人たちにに明るい笑顔で挨拶するキキでしたが、魔女の風習が残る田舎の故郷とは大違いの、大都会の人々のよそよそしい態度に戸惑ってしまうのでした。

直後、自動車にぶつかりそうになったところを目撃して駆けつけてきた警官に職務質問されるが、地元の少年トンボが機転を利かせてキキを助けます。トンボはキキに興味を示して話しかけキきますが、馴れ馴れしい彼の態度に腹を立て、キキはさっさとその場を飛び去ってしまいます。

あてもなく街をさまよっていると、「グーチョキパン店」というパン屋の傍を通りかかります。店のおかみであるおソノに代わって忘れ物をお客に届けたことからおソノに気に入られ、彼女の厚意で店に居候することになります。やがてキキは自分の魔法を活かして宅配業『魔女の宅急便』を開業すると共に、この街への定住を改めて決意するのでした。
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ある日キキは、パン屋のお得意さんである女性から、甥の誕生日プレゼントとして鳥かごに入った黒猫のぬいぐるみの配達を依頼されます。張り切って初仕事に臨んだキキだったが、飛行中に突風に煽られ、ぬいぐるみを森に落としてしまいます。卵を狙われたと勘違いしたカラスたちに阻まれて探しに降りることもできません。
思案の末、約束の時間に間に合わせるためにキキはぬいぐるみにそっくりなジジをかごに入れて予定通り配達し、森へと戻ります。ぬいぐるみは森の中で暮らす絵描きのウルスラに拾われており、キキはぬいぐるみを返してもらって配達先に向かい、無事にジジを救い出すことができたのでした。

パン屋で店番をしていたキキのもとにトンボがやってくる。依然としてトンボを快く思っていないキキにトンボは彼が所属する飛行クラブのパーティへの招待状を手渡して帰っていきます。大急ぎで重なった仕事をこなし、最後の依頼先へ向かうキキだが、依頼人の老婦人はオーブンの調子が悪いために孫に届ける料理ができていないのだと告げ、キャンセルするというのです。孫娘への想いを叶えるため、キキは老婦人を手伝ってなんとか料理を完成させ、急な大雨にびしょ濡れになりながらも届け先へとむかいます。しかし料理を受け取った孫娘の冷たい態度に大ショックを受け、パーティに行く気力を無くし、体も濡れたまま寝込んで風邪をひいてしまいます。
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キキの体調が回復したある日。おソノから『コポリ』という人への届け物を頼まれ、指定された住所に行くとそこにトンボがいます。実は『コポリ』というのはトンボの本名であり、届け物の頼み事は二人が仲良くなれるようにというおソノのはからいによるものだったのです。キキはそれまでの態度と打って変わってパーティに間に合わなかったことを素直にあやまります。トンボもまた彼女の仕事の苦労をねぎらうのでした。
トンボは飛行クラブのメンバーと共に制作中の人力飛行機の機関部(自転車に大きなプロペラをつけたもの)をキキに見せ、これに乗って海岸に停泊中の飛行船を見に行こうと誘います。二人乗りで海へと向かうが、その途中、あわや車とぶつかりそうになります。自転車が突然宙に浮き二人は助かるがそのままガードレールを飛び越えてしまい、その直後に海岸へ落下する。自転車は大破するも二人は無事だった。二人は笑い合い、打ち解けた様子で海岸で語り合う。そこへ、トンボの友人たちがやって来るが、キキは急に不機嫌になり、引き留めるトンボを振りきって帰ってしまいます。
そんな自分の振る舞いに対する自己嫌悪に落ち込む、キキはジジの言葉がわからなくなっていることに気づく。慌てて箒にまたがり飛ぼうとするも、飛べなくなっていることを知ったキキは、魔法の力が弱まっていることに愕然とする。更に、飛ぶ練習に必死になるあまりに転倒し箒を折ってしまう。魔女である自分にとっての唯一のとりえであった空を飛ぶ力を失い、キキは深いショックに落ち込んでしまいます。
宅配の仕事もできず途方に暮れているキキを突然ウルスラが訪ねてくる。キキからスランプで仕事ができなくなったことを打ち明けられたウルスラは気晴らしも兼ね、キキを自宅に招くのでした。森の小屋で二人は語り合い、キキは彼女の言葉に励まされます。
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森の小屋から帰ったキキは、老婦人の家へ招かれ彼女の心遣いに明るい笑顔を見せる。その時、家政婦の老女が見ていたテレビに、海岸の飛行船が突風に煽られて暴走を始めた様子が映る。飛行船のロープにはトンボがしがみついたまま高空にさらわれてしまっていたのです。今にも墜落しそうなトンボを助けようとキキは無我夢中で現場へ向かいます。たまたま近くにいた掃除夫のデッキブラシを借り受け、必死の思いで魔法の力を奮い起こし、大空へと飛び出しました。慣れないデッキブラシでの飛行に翻弄されつつ、キキは群衆の声援を受けながら、間一髪でトンボを助け出すことに成功しました👏。
こうして再び魔法の力を取り戻したキキは街の人たちともすっかり打ち解け、デッキブラシで空を飛び回りながら宅配業に精を出す毎日を送るのです・・・。

🧹【魔女の宅急便・登場人物、キャスト】
キキ:高山みなみ
本作の主人公。13歳。魔女の掟である独り立ちの日を迎えた活発な少女です。母の特技である薬作りの魔法に興味を示さなかったので、飛ぶことだけが魔女としての唯一のとりえです。黒いワンピースと赤いリボンがトレードマーク。居候先となったおソノの店で空飛ぶ魔法を活かした宅配業「魔女の宅急便」を開業し、様々な経験を通じて成長していきます。
明るく前向きな性格。魔女ではあるが、都会に憧れたり、街をゆく女の子のおしゃれな恰好が気になったり、素顔はどこにでもいるごく普通の少女です。
また、キキの髪型については当初原作のイメージを重視しロングヘアーの予定ですが、作画が難しいという事で様々な髪型が試されました。最終的にはショートヘアーとなりました。

ジジ:佐久間レイ
キキの相棒のオスの黒猫。年齢はキキと同じく13歳。一人称は「ぼく」で少し生意気な性格のようです。喋れる猫というわけではなく、キキが魔法の力でジジと会話をしているのです。
原作では魔女の家に女の子が生まれると同じ月日に生まれた猫を探し、大切なパートナーとして共に育てるという風習があると語られています。映画版では後半からキキとの会話が出来なくなる(原作では最後まで可能)。映画版終盤では、鳴き声で話すジジにキキが微笑みで返す描写がされているが、明確に会話ができるようになったのかどうかははっきりしていない。後に監督曰く、「(キキの)魔法は更に深くなったんですよ。何か得るものがあるなら失くすものがあるんだよ。いつまでも猫と話してんじゃねぇ、って」と説明しています。

コキリ:信澤三恵子
キキの住む町に暮らす魔女で彼女の母親。「空を飛ぶ魔法」と「薬草から薬を作る魔法」を受け継ぎ、町の薬剤師として働くことで魔女の伝統を守ってきました。 彼女もまた魔女の伝統に従い、他の街からやってきた魔女であり、彼女の若かりし頃を知っている住人もいます。
キキが旅立つ時に、キキが作った新しい小さな箒と自分が使っていた古い大きな箒を交換させました。黒に近い濃い青の服を着て、同じ色のスカーフを頭につけています。
魔女としての力は優れているものの、使える魔法は上記の2つのみ。これは時代とともに扱える魔法の数が減っているせいであり、キキの代になってさらに1つ魔法が減ってしまうことを嘆いています。娘との会話に気を取られて試験管(~o~)で調合していた薬を爆発させてしまったりもします。その後、薬の調合をやり直してドーラに渡した。また、エンディングでもキキから手紙が届いたと夫が言った時に、手紙が気になり調合していた薬を爆発させてしまいます(~o~)。
劇中で名前を呼ばれるシーンは無く、自宅前の案内に「魔女にご用の方は ベルを鳴らしてください コキリ」と書かれているだけである。

オキノ: 三浦浩一
キキの父親。愛娘であるキキを優しく送り出します。原作では魔女や妖精の研究をする民俗学者です。「オキノ」は苗字ではなく、名前です。

トンボ / コポリ: 山口勝平
空に憧れ、飛行クラブに所属する丸メガネの少年です。「トンボ」は愛称、本名はコポリ。明るく愛嬌のある性格で、男女問わず町中にたくさんの友達がいます。キキが空を飛んでいる場面を偶然見かけ、興味深げに声をかけるが、馴れ馴れしい態度から最初はキキに煙たがられていたが、段々親しくなっていきます。
彼の所属する飛行クラブは人力飛行機作りを研究しており、夏休み中に完成させる予定です。エンディングの中では休みの間に完成した人力飛行機でキキと共に飛行している姿があります。
終盤で強風に煽られた飛行船を地上に繋ぎとめるロープを引っ張る作業に加わっていたが、そのまま空中へとさらわれてしまい、ロープから手を放して落下しているところをキキに助けられます。エンディングでキキの住む部屋の道路側の窓の外に、デッキブラシに乗ったキキの金属製の看板を取り付けます。

先輩魔女 :小林優子
キキが魔女として故郷を旅立った日の夜に会った魔女です。額を見せた茶髪のツインテールに濃い紫の服を着ていて、金のハートのイヤリングを付けています。彼女もまたジジに似た黒猫を連れています。占いが得意で、赤い風車がある小さな町で占いをしながら暮らしています。恋占いもやっていて、間もなく修業が明けたらふるさとに帰る日が近いことをキキに話します。話しかけてきたキキに対しお高く留まったようにみえますが、性格そのものは気さくで、先輩としてキキを激励し笑顔で別れていきました。

おソノ:戸田恵子
キキの居候先のパン屋「グーチョキパン店」のおかみさん。
親切で優しい人柄の持ち主です。店の前を通りかかったキキに客の忘れ物を届けてもらったことで彼女を気に入り、電話番と店番を請け負うことが条件で「部屋代・電話代なし、朝ごはん付き」という破格の待遇でパン屋の納屋の二階の空き部屋を下宿先として提供します。身重の身でおなかが大きく、キキの救出劇をテレビで見ていた興奮で産気づきます。エンディングで無事に出産しています。(余談だが、ジブリの作品はエンディングも血眼でみないと意味あるシーンが隠されていることが多いです(^^))
映画の製作当時、スタッフの中で「歳の割にはしっかりしているから、昔は色々あったに違いない。」映画のパンフレット等のおソノの紹介欄に「青春時代、それなりにツッパった経験を持つ」などと書かれたものがあります。キキに対して当初から理解を示す数少ない人物の内の一人であると共に、コリコの街におけるキキの最大の理解者でもあります。

フクオ:山寺宏一
寡黙なパン職人。一見不愛想にみえるが職人気質なのか、パン作りを覗き込むジジに軽やかにトレイを取り出して得意げに目線を送ったりウィンクしたりとお茶目な部分もあります。妻同様優しく親切な人柄でキキのためにパンで宅急便の看板を作ってくれた。劇中では名前を呼ばれません。
劇中の声の出演は極端に少なく、息遣いや呼び掛けの時に発する程度です。

ウルスラ: 高山みなみ
森の中の小屋で絵を描くことに没頭する画家の19歳の少女。宅配中に落としてしまったキキの荷物を見つけたことがきっかけで知り合い、仲良くなります。後半でキキと再会し、魔法が弱まって落ち込んでいた彼女を自分の小屋に招き、創作活動の中で悩みを抱いた経験を通じてアドバイスを送ります。
「ウルスラ」という名前は公式設定であるが、劇中では1度も名前で呼ばれておらず、エンディングテロップでも声優の名前のみがクレジットされているため、劇中で彼女の名前を特定できるシーンは一切ありません。
原作第1巻に登場するエピソードに基づいていたキャラクターだが、そちらでは「絵描きさん」と呼ばれるだけで本名自体が出てこない。

ドーラ: 斉藤昌
キキの母コキリにリウマチに効く魔法の薬を作ってもらっている老女。コキリとは彼女が魔女として町にやってきた時からの顔なじみです。
マキ: 井上喜久子
パン屋の近所に住んでいるファッションデザイナーで、白猫リリーの飼い主。キキにとって初めての仕事客となる女性です。ジジにそっくりなぬいぐるみの入った鳥かごを甥っ子に届ける依頼をする。
リリー
マキが飼っているメスの白猫。当初ジジは気取っているという理由で嫌っていたが次第に仲良くなり、エンディングではジジとの間に4匹の子猫をもうけます。
ケット: 渕崎ゆり子
マキの甥っ子。下記するジェフの他、ピッチィというカナリアも飼っています。失くしたぬいぐるみの身代わりになったジジを乱暴に扱っていたため、キキを冷や冷やさせます。
ジェフ
ケットの家で飼われている大型のオスの老犬。ぬいぐるみの振りをしていたジジに気づいて寄り添って見守り、救出の手助けもしてくれた。本名はジェファーソン。
コクマルガラス
ウルスラの家の近くに住んでいるカラスたち。ぬいぐるみの入った鳥かごを追いかけて巣の直ぐ傍に落下したキキを卵泥棒とみなし襲ってきます。

老婦人: 加藤治子
青い屋根の家に住んでいる老年の婦人。キキに孫娘宛にニシンのパイを届けてもらえるよう依頼します。飛べなくなって落ち込んでいたキキを励ます為にチョコレートケーキを焼き、「キキという人に届けて欲しい」という遠まわしな言い方でプレゼントするなど心優しい人。

バーサ: 関弘子
老婦人に仕えている使用人の老婆。ひいお婆さんから魔女について聞かされていた事があります。キキから預かったほうきにこっそり乗ろうとするなど茶目っ気な一面を見せます。冒険が大好きです。

孫娘: 鍵本景子
老婦人の孫娘。トンボの女友達の一人。現代っ子らしい外見をしていてやや刺々しい態度が目立ち、豪雨の中を苦労して宅配してきたキキの前で祖母のパイにケチをつけ、扉を無造作に閉めるという態度でキキを落ち込ませてしまいます。
その後、海岸でトンボとキキが話しているところを見てキキが宅配便の仕事をしていることを仲間に伝えた他、飛行船の墜落現場に居合わせ、仲間と共に声援を送っています。

時計塔の老人: 西村知道
コリコの時計塔の番人をしている老年男性です。コリコを訪れたキキと最初に会話した人物。当初からキキに理解のある数少ない人物のうちの1人で、今のコリコの街に魔女がいないことを教え、キキはコリコに住む事を決めます。終盤では飛行船の衝突を顧みず時計塔に留まってトンボを助けようとしました。
キキが街にやってきた際には「今どき魔女とは珍しい」「最近は(魔女は)とんと見かけんな」と返していたことから、コリコの町にもかつて魔女が訪れたことがあるらしいことを知っているようです。

警官:山寺宏一
街に不慣れで交通事故を起こしかけたキキに職務質問をしようとするが、トンボが泥棒に襲われた振りをしたのに気を取られて立ち去った。物語終了後にキキと親しくなったらしく、エンディングでは通る道すがらにキキに手を振っています。

掃除夫:田口昂
物語の終盤に登場する中年男性。ヒゲを生やしている。トンボを助けたいが、箒が折れた上に新しい箒を持っていないキキにデッキブラシを貸します。その後、テレビでキキの活躍を見て、自分がブラシを貸したことをみんなに自慢します。

🧹【魔女の宅急便・徒然感想】

本作を最初に、観た時は、まず『ずるい~~~』と感じてしまった作品です。それは悪い意味ではなく、劇中で荒井由実さんの曲が使われていたことです。『ルージュの伝言』(1975年2月20日にリリース)『やさしさに包まれたなら』(1974年4月20日にリリース)と荒井由実名義時代の名曲であり、いつ聞いても色褪せないフィーリングを持っている曲が、使われています。本作が公開された年が、平成元年ということで、昭和の時代が終わり、新しい時代が始まるという世の中と、人込みの多い街並みに箒に載ってキキがやって来るというストーリー展開がよくマッチングしている作品だなあと感心してしまいました。

作画、美術ともにエンディング終了まで目が離せないくらいに、丁寧な描写が心地良さを感じる作品ですね。本作の対象としては若い20歳代の女性を意識した製作のようですが、親子一緒にでも鑑賞できる楽しさを持っている作品は数多くあるアニメ映画の中でもそんなにあるものではありません。本作はいつの時代でもまた開いて観たくなるアルバムのような作風のおすすめの一作です。
個人的ではありますが、現在バイク便で配送の仕事をしていますが、私もバイクではなく箒に跨って、配送したくなります。バビューン~🏍

現在、魔女の宅急便は動画配信視聴できるところはありません、宅配レンタルサービスである「TSUTAYA DISCAS」では旧作DVDとして取扱中です。ツタヤディスカスの無料トライアルを利用することで『魔女の宅急便』を無料で視聴することはできると思います。


👆クロネコヤマト 「魔女の宅急便」 映画告知 1989


👆Kiki's Delivery Service - Official Trailer



👆ルージュの伝言 - 荒井由実(松任谷由実)(フル)


👆やさしさに包まれたなら - 荒井由実(松任谷由実)

【製作委員会方式のメリットとデメリットについて】
製作委員会方式とは、映画、アニメ、テレビ番組、演劇・ミュージカルなどにおける製作方式のひとつです。製作委員会には複数の企業が参加して製作資金を出し合い、作品の権利や損益をこれらの企業が分け合っています。製作委員会の名称は、多くの場合「○○(作品名)製作委員会」とされるが、「○○プロジェクト」「○○フィルム・コミッティ」と名付けられたり、作中に登場する組織にちなんだ名前が付けられたりすることもあります。

製作委員会方式は、映画やアニメなどの製作方式として現在主流となっているものである。アニメ映画『風の谷のナウシカ』(1984年公開)などのヒットで有名になり、以後劇場映画製作において多く用いられるようになりました。その後は、1992年に初めて製作委員会方式でつくられたテレビアニメが登場し、1995~1996年に放送された『新世紀エヴァンゲリオン』をきっかけに、テレビ作品にもこの製作方式が普及しました。近年では、ドラマ・バラエティ番組などでも製作委員会方式がとられています。

製作委員会方式がとられるのには、いくつかの目的があります。まず大きなものが、製作会社が様々なリスクを回避できるという点です。
とりわけ、映画製作には多額の費用がかかり、しかも近年上昇傾向にあります。ヒット作となれば利益は大きいのですが、不振におわれば製作費用に見合った興行成績を得られるとはかぎりません。かつて、一社単独で映画が製作されていた時代には、大金を費やした映画作品が失敗し、会社自体が経営危機となったり、会社内で部門を縮小・廃止するまでに追い込まれたりするケースもありました。この点で、製作費用を複数の企業から集めれば多大なリスクを1社が抱える必要がなくなるため、多くの作品で製作委員会方式が取られるようになりました。また製作会社としては、1作品あたりにかかる費用を減らすことで、製作する映画の本数やバリエーションを増やすことができるというメリットもあります。

また、製作委員会に参加(映画に出資)してスポンサー企業となる側にとっては、作品における権利ビジネスを行うという目的があります。製作委員会に名を連ねる企業は、テレビ局や映画会社、製作プロダクションだけでなく、広告代理店、商社、出版社、新聞社、玩具メーカー、インターネット関連企業など多岐にわたります。これらの企業は、1作品への投資を抑えながらも、作品に関する権利を活用してビジネスを行うことができるのです。

ここで言うビジネスというのは、原作本の出版権、テレビ局での放送権、あるいは各種プロモーションに活用できるキャラクタービジネスなどです。スポンサー企業はこうしたビジネスを展開しながら、同時に作品を宣伝して作品自体のヒットも目指し、相乗効果を生みだそうとします。
製作費を出資することで独占的な権利を得る製作委員会各社は利益を最大化するために、自社の媒体を使い、ヒットに向けてプロモーションをかけます。出版社は原作本を宣伝し、テレビ局はCMや情報番組を放送し、新聞社も記事や広告に紙面を割いていきます。もちろん、配給会社は映画館での予告編上映なども積極的におこないます。そのような相乗効果で映画のヒットの確率を高めようとするのです

製作委員会方式が大作、いわゆる大ヒットを確約しなければならないブロックバスターの製作に採用されるケースが大半であることから、そのネガティブな面も指摘されることがあります。

●各出資社のチェック(特に監督や脚本、俳優など)が入るので、最大公約数の観客を意識した安全パイの作品になります
・テレビ局が製作参加している場合は、地上波テレビ放映を前提とした安全な表現にとどまります。
・各メディア企業が参加するので、認知度の高い人気原作の企画ばかりが優先され、オリジナルの企画が通りにくい。

こうした指摘があるのも一部では間違ってはいません。特に最近は、原作本の映像化やTVドラマの映画版が非常に多いのがそれを物語っています。これらはある程度ヒットが確実で、出資も権利もその妥当性が判断しやすいためです。
しかし実態としてはそれがすべてとも言えないのです。企画立案段階から参加企業を募り、各社間の役割分担から権利調整は主に幹事会社が行います。参加企業も当然途中段階でのチェックはするのですが、基本的には最初に幹事会社が提示した参加条件が優先されるのが実態だと思います。

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