🔶今日のアニメの徒然小道は、機動戦士ガンダムのOVA作品の紹介と考察記事をあげてみたいと思います。本作『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(きどうせんしガンダム ダブルオーエイティ ポケットのなかのせんそう)は、1989年発売の『ガンダムシリーズ』OVA作品です。全6話となります。略称は「0080」「ポケ戦」(ポケせん)と呼ばれます。それまでガンダムシリーズを手がけてきた富野由悠季さん以外が監督した初の作品です。また、ガンダムシリーズ作品では最初にOVA形式で発表・リリースされた作品でもあります。
本作は『機動警察パトレイバー』に続く低価格OVA作品第2弾です。『機動警察パトレイバー』と同様、全6話1本4800円です。当時安さに魅かれて買いました~(^-^;『機動警察パトレイバー』が1話完結だったのに対し、本作では、1本の映画を6話に分ける手法で制作されています。これは当時、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のレンタルが好調のため、テレビアニメ的だった『機動警察パトレイバー』以上に映画的手法を指向したためです。1巻あたり6万本、後年のDVDを加えると全巻50万本もの大ヒット作となりました。本作の監督がバンダイ・メディア事業部の高梨実さんの話によりますと、富野由悠季さん以外が監督した初の作品ですが、その経緯は、高山文彦に『超時空要塞マクロス』で高梨が気に入った話の演出が全て高山さんだったからだと言われています(『学研ムック 機動戦士ガンダム第08MS小隊』67ページ)。
【機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争・物語】
一年戦争末期、地球連邦軍が新型ガンダムを開発しているという情報を掴んだジオン公国軍の特殊部隊「サイクロプス隊」は、機体を奪取すべく北極の連邦軍基地を襲撃する。しかし作戦は失敗し、目標物は宇宙へ飛び立ってしまいます。
連邦にもジオンにも与しない中立コロニーである、サイド6のコロニー「リボー」に住む小学生アルフレッド・イズルハ(アル)は、父との面会の為、コロニーの宇宙港にきました。アルは同級生との約束で連邦軍のMSを探索していたところ、偶然、北極から運ばれてきたコンテナを撮影するが、MSを撮影することは出来なかった。約束を果たせず落胆したアルだったが、幼馴染みのクリスチーナ・マッケンジーと再会します。
運び込まれたコンテナの中身は、新型ガンダムの「ガンダムNT-1」でした。この情報はジオンにも伝わり、新型ガンダムがリボーへ運び込まれたと知ったジオン軍は、サイクロプス隊を送り込みます。そして新型ガンダム奪取を果たすべく「ルビコン計画」を発動します。
ある日アルは、リボーに侵入したザク改が被弾し、コロニー内の森へ墜落したのを目撃、友人たちの制止を振り切って現場に駆け付けます。森の中で擱座したザクを撮影していたところ、そのパイロットでジオン兵のバーナード・ワイズマン(バーニィ)と出会います。
その後、アルは夜中に家を抜け出し、朝帰りの途中に偶然バーニィを見かけて追跡します。そして、サイクロプス隊の潜伏先に行きつきます。隊長のハーディ・シュタイナーは、面倒を避けるためアルを仲間に誘い入れ、その実、盗聴器つきの隊証を渡してバーニィに監視を命じます。監視されているとは知らずに、自分も隊の一員になったと浮かれるアルは行方不明のコンテナ捜しに協力し、バーニィと交流を深めていきます。自宅付近で監視していたバーニィがクリスに泥棒と勘違いされた時には、腹違いの兄弟だと嘘をついてマッケンジー一家を納得させました。
調査の最中、コンテナ撮影現場に居合わせた保安員の顔を覚えていたことから、アルはバーニィと共に連邦軍の秘密基地を突き止め、NT-1の撮影に成功します。シュタイナー達は連邦軍の兵士に変装して基地に潜入しましたが、バーニィが連邦兵と交わしたささいな会話から正体がバレてしまい、サイクロプス隊はバーニィを残して壊滅してしまいます。作戦失敗の影響は色濃く、2度の戦闘で多数の死傷者を出したリボーでは反ジオンの動きが活発になり、面白半分でジオンを応援していた友人たちの心変わりにアルは傷ついてしまいます。
なおも一人生き残ったバーニィの潜伏に協力していたアルだったが、本当の兄のように信じていた彼に騙されていたことを知らされます。さらに、ルビコン作戦の失敗によりジオン軍がクリスマスの日にリボーへ核ミサイル攻撃をすることになったと聞かされ、バーニィに突き放されてしまいます。
両親が復縁することが決まったものの、アルは目前に近づく核攻撃への恐怖に怯え、警察に通報しても相手にされることはありませんでした。そんな時、戦う決意を固めたバーニィが舞い戻り、3日後に迫った核攻撃阻止のため、彼と共にNT-1破壊作戦に向けた準備に入ります。いよいよ作戦決行となる直前、アルはバーニィから荷物を手渡され、自分が失敗した時には最後の作戦を実行して欲しいと頼まれます。作戦当日となるクリスマスの日、母とともに帰宅する父の迎えに出ていたアルは、核ミサイルを搭載したジオン艦艇が降伏したことを聞かされます。もう戦う必要がなくなったことを伝えるため、急ぎバーニィのもとへ走るが、コクピットを貫かれて爆散するザク改と大破したNT-1から助け出されるクリスの姿を目撃してしまいます。
そして新学期の日、地球への転任でリボーを離れることになったクリスと別れ、学校集会で戦争が終結したことを聞かされたアルは、去来した様々な想いに泣き崩れる・・・
アルは戦争の醜さ、虚しさを身を以て知り、1人の人間として大きく成長するのだった。
【機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争・登場人物、キャスト】
(民間人)
アルフレッド・イズルハ(アル):浪川大輔)
本作の主人公で、愛称はアル (Al)。
11歳で小学5年生の中立コロニー群サイド6のコロニー「リボー」に生まれ育ちました。両親が別居しているため、父と離れて躾に厳しい母と2人暮らしという、複雑な家庭環境と成績不振で鬱屈した日々を送っています。一年戦争の過酷な現実を知らないので、戦争が閉塞した自分の生活を一変させてくれるのではという期待めいたものを持っていて、悪友のチェイ、テルコットと共に軍や兵器に興味と憧れを持っていた矢先、バーニィと出会います。そして、バーニィとの交流と死別を通じ、戦争の虚しさを知ります。
(ジオン公国軍(サイクロプス隊)
バーナード・ワイズマン(バーニィ):辻谷耕史
本作の副主人公。ジオン公国軍突撃機動軍伍長、特殊部隊サイクロプス隊の隊員です。愛称はバーニィ (Bernie)。年齢は19歳。出身はサイド3。9月の高校卒業とともに召集令状によって徴兵されました。入営したバーニィは資質を認められ、MSパイロットの養成を行う航空学校のMS科に航空学生として入学します。切迫する戦時下のため養成期間は短く、訓練部隊での錬成を終え、グラナダ基地を拠点とする突撃機動軍第七師団隷下のMS部隊に配属されます。
ハーディ・シュタイナー:秋元羊介
サイクロプス隊隊長、階級は大尉。年齢は44歳。
どっしりとした落ち着いた性格で、大物感すら漂わせる。任務の為に無害な一般人を装うなど話術にも長けており、ジオン国民というプライドよりも任務を優先出来るプロフェッショナルぶりが光る。無益な殺生は好まないが、任務遂行のためには子供ですら利用する冷徹さも持ち合わせている。
ガブリエル・ラミレス・ガルシア:島田敏
階級は軍曹。愛称はガルシア。
バンダナを愛用。銃器やナイフ、爆弾の扱いに長けており、工作活動を得意とします。言葉遣いは荒いし気が短く、顔を知られたアルの殺害を主張したり、スタンドプレーに走った新兵のバーニィを容赦なく殴るなど荒い面は多々あるが、最後の侵入ミッション直前にはバーニィへ「俺より階級が低いのはお前だけだ。威張れる相手がいなくなると困る。死ぬんじゃねえぞ」と声をかけます。
作戦中にバーニィの失態で正体が露呈、窮地に陥るが、自身が負傷しつつもバーニィに重体の隊長を連れて脱出するよう命令する優しさを見せます。その後、連邦軍との激しい銃撃戦を繰り広げ、負傷が悪化。最期をさとって所持していた爆弾で標的のガンダムNT-1を道連れにと自爆したが、火力不足で破壊は失敗に終わります。
ミハイル・カミンスキー(ミーシャ):島香裕
階級は中尉のベテランパイロット。愛称はミーシャ (Misha)。
巨漢のいかついロシア系白人(英語版ではロシア語訛りの英語が聞ける)の中年男性。頭髪は薄く、毛糸の帽子を被っていることが多い。無類の酒好きで、MSのコクピットにもスキットル(ヒップフラスコ)を持ち込んでいる。MSパイロットとしての腕は確かであり、猛者揃いのサイクロプス隊の中でケンプファーの操縦を任された。
連邦軍北極基地襲撃の際にはハイゴッグを操縦し、基地防衛隊のジム寒冷地仕様を多数撃破している。その後ルビコン計画のため部隊と共にサイド6リボーコロニーへ潜入。他のメンバーと共にケンプファーを組み上げる。出撃前夜にシュタイナーへ「滅びゆくものの為に」と含みのある言葉をかけて乾杯している。
(地球連邦軍)
クリスチーナ・マッケンジー(クリス):林原めぐみ
地球連邦宇宙軍中尉。ニュータイプMSの開発を行っているG-4部隊のテストパイロット。愛称はクリス (Chris)。年齢は21歳。高校卒業後の宇宙世紀0076年9月連邦宇宙軍士官学校入学。0078年に首席卒業。
在学中から戦闘機のパイロットを目指し、配属先にはエリート部隊である戦技研究団を希望、配属とほぼ同時に一年戦争勃発。新米らしからぬ操縦技術を買われて宇宙軍統合技術研究本部麾下の試験部隊に入ります。その後試験部隊は再編成されG-4部隊となりアレックスの専任パイロットに抜擢されます。生粋のテストパイロットではなく、本分はあくまでコンピューター技師です。
【機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争・制作スタッフ、公開データ】
企画:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季
構成:結城恭介
脚本:山賀博之
デザインワークス:出渕裕
キャラクターデザイン:美樹本晴彦
モビルスーツ原案:大河原邦男
メカニカルデザイン協力:明貴美加、石津泰志
美術:池田繁美
撮影:奥井敦
音楽:かしぶち哲郎
音響:藤野貞義
監督:高山文彦
プロデューサー:内田健二(サンライズ)、高梨実(バンダイ)
発表期間 :1989年3月23日~8月24日(VHS / レーザーディスク)
話数:全6話
【機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争・考察、感想など】
感想の前に、当ブログでもこの還暦の年を越えてアニメ関連の感想記事を書いたりしてますが、昔から友人や知り合いから「アニメのどの作品が好き?」と聞かれたことが良くありましたし、今も聞かれることがあります。どれが好きと聞かれると「ヤマト」と答えています。ほんとに単純に好きなので仕方ありません。(._.)でも作品としては「ガンダム」が好きなのです。それも、最初のTVシリーズです。これは個人的な意見と見方なのですがTV版「機動戦士ガンダム」の戦争という虚しさという部分までドラマの中でリアルに表現しているからと思っています。MS(モビルスーツ)などメカ設定などには、私の中では関心度は低いほうです。全体的にはちょっと重たい作品だと感じています。正直なところ、機動戦士ガンダムは、自分の中ではあまりお勧めの作品とは感じていません。登場するキャラも会話、コミケ下手の設定だし、観る方一人一人の感じ方やとらえ方でいろんなガンダム像ができる自由度の高い作品として好きです。
とは言ってもシリーズ作も増えて「お勧めできるガンダム作はないと?」と聞かれたことがあります。私は本作『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』を間違いなくお勧めします。
単純な話、作品サブタイトルの「ポケットの中の戦争」というポケットと戦争という二つの関連性のない言葉からくるインパクトがいいです。想像欲を掻き立てられる言葉の響きがありますね。
本作では、特殊部隊というどちらかというと目立たない部分を子供の目線で描かれていますが、なかなか他の作品では見られない構図だと思います。子供目線は、情報も少ないし思想も限られてくるので、どこかのどかな作風の雰囲気を感じます。ガンダムという作品のファンの方でも初見でも両方楽しめると思います。子供の成長記という側面も見られ、なかなか見応えがあります。
全体的には良作です。全体的に宇宙世紀という世界観を表現できている作品だと思います。オススメできる作品です。
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★『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』は、huluで視聴可能です。もしくは、Amazon Prime Videoでエピソードのレンタルができます(¥110)または、Prime Videoチャンネルのアニメタイムズの30日間無料体験で¥0視聴できます。
【機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争・主題歌】
👆いつか空に届いて
♬オープニングテーマ「いつか空に届いて」
作詞・作曲 - 椎名恵 / 編曲 - 戸塚修 / 唄 - 椎名恵(キングレコード)
👆遠い記憶
♬エンディングテーマ「遠い記憶」
作詞・作曲 - 椎名恵 / 編曲 - 戸塚修 / 唄 - 椎名恵(キングレコード)
画像はネットより引用しています。
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