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日本の名探偵、じっちゃんは何人いた!?『金田一耕助を探る』

🔶アニメの徒然小道では、今回テレビアニメ『金田一少年の事件簿』(きんだいちしょうねんのじけんぼ)にいこうと思いました。が、そのキャッチコピーが「じっちゃんの名にかけて!」ということならば、まず、今年8月23日に亡くなられた俳優古谷一行さんの追悼も込め、金田一少年の祖父『金田一耕助を探る』というテーマで、推理小説の好きな私としては個人的な意見が入りますが、名探偵・金田一耕助の魅力を探ってみたいと思います。

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👆今年2022年8月23日78歳で亡くなられた俳優古谷一行さん。1977年からの『横溝正史シリーズ・名探偵金田一耕助シリーズ』などでの主人公・金田一耕助役を一貫して演じてきました。多くの俳優が金田一耕助役を演じているが、古谷一行さんほどはまりきって演じた俳優はいない。

【名探偵・金田一耕助とは】
金田一 耕助(きんだいち こうすけ)は、横溝正史(1902~1981)の推理小説に登場してくる架空の私立探偵です。江戸川乱歩の明智小五郎、高木彬光の神津恭介と並ぶ、日本の三大名探偵と称されています。初登場したのは、1946年の『本陣殺人事件』からで、最後に登場したのは1979~1980の『悪霊島』である。
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【金田一耕助、その独特の風体】
金田一耕助という探偵は、いったいどんな人物なのか、原作から読み解いてみました。
原作からすると、ボサボサ髪。顔立ち平凡。しかし、人懐っこい笑顔が特徴。体型はどちらかといえば貧相なやせ型である。身長は5尺4寸(163.6センチメートルくらい)、体重は14貫(52kgくらい)ぐらいだろうと思われる。自身の体格にはかなりの劣等感がある。(『女王蜂』の風呂場の記述より)なお、小男と記述されているところもあるが、中背で痩せ型というのが正確なところで、むしろ平凡さの記述が多い。
ほとんどの事件において年齢的な観た目は35、6歳との記述が多い。ただ、生活感が薄く、書生気質を残しているようである。頭は極度のフケ症。服装は皺だらけの絣の単衣の着物と羽織、よれよれの袴を合わせ、形の崩れた帽子(お釜帽のイメージが強いが、パナマ帽、中折れ帽を被る時がある)を被り、足元は爪が飛び出しかかるような破れて、汚れた白足袋に下駄履きが定番の姿。非常に清潔感が無い服装に特徴。また寒い時期は羽織袴の上から上着に二重回しを着込む。
これらの姿から、等々力警部から笑われたり、「似合わない格好」だと揶揄されたりすることが多く、「これではこの男が洋服を忌避するのもむりはない」(『雌蛭』)とも描写されている。なお、『蜃気楼島の情熱』では金田一自身が日本での生活における洋服の不合理性を列挙して和服主義の理由とする記述もある
横溝正史さんは『本陣殺人事件』で金田一について、「この青年は飄々乎たるその風貌から、アントニー・ギリンガム君(探偵小説『赤い館の秘密』(A・A・ミルン著)に登場する素人探偵)に似てはしまいかと思う」と述べている。明智小五郎のような颯爽とした名探偵のイメージとは一線を画している。外見のさえない名探偵群の一人である。このような金田一のさえない恰好は、初対面の相手には年齢問わず、ほぼ例外なく侮られる傾向。しかし、反面、非常に母性本能を刺激するところがあり、女性からの受けは悪くない。
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石坂浩二さん演じる金田一耕助 
犬神家の一族 1976年 角川春樹事務所(東宝配給)、悪魔の手毬唄 1977年 東宝、獄門島 1978年 東宝、女王蜂 1978年 東宝、病院坂の首縊りの家 1979年 東宝、犬神家の一族 2006年 東宝と劇場映画は石坂さんが好演していた。
【金田一耕助、その汚いカバンに何が入っている?】
事件のために出張する際はボストンバッグやかばんを提げて歩く。(なお、石坂浩二の主演劇場映画作品の影響でトランクのイメージがあるが、これは映画オリジナルのもの)。復員直後の『百日紅の下にて』では布製の袋を持っており、金田一のデビュー作『本陣殺人事件』や『黒猫亭事件』などの初期の作品と、最後の事件となった『病院坂の首縊りの家』では籐や桜のステッキを持っている。探偵としての小道具として、虫眼鏡のほか、折りたたみナイフ、薄い手袋、小型の明るい懐中電灯などを常備。犯人との対峙の際、用心のため防弾チョッキを着用したことがある(『病院坂の首縊りの家』など)
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八つ墓村 1977年 野村芳太郎監督 松竹 (寺田辰弥役の萩原健一:右)
【金田一耕助、その独特の言動】
日頃の会話すること自体は、苦手な方なのか、話し方はいつも控えめ。しかし、事件の核心に迫ったときや意外な事実を知ったときなど、興奮するとモジャモジャ頭をグシャグシャに掻きまわす癖がある。この頭を掻きまわす際にフケがとび、周囲のものをいつも当惑させる(多くの作品ではこのしぐさが強調されている)。このしぐさについては、横溝さんは「もじゃもじゃの頭をひっかきまわすのは、私自身の癖を誇張したのである」と語っている。また、何か重大な発見をした場合、顔をゆるやかにうなづく様に口をすぼめたり、時には口笛を吹く時がある。
いつもは眠そうな目つきだが、事件の渦中のなか、自身が強く興味を持ったことに対しては真剣な目つきに変わる。金田一耕助には、人を和ませる天性の雰囲気と類まれな話術があり、警察がどんなに骨を折っても聞き出せない情報も、金田一耕助にかかると簡単に話してしまう。
犯人や登場人物の行動が、追い込まれていく胸中を察し、憐憫の情を示すような口ぶりや悩ましげな顔をし、激しく貧乏ゆすりをしたり、ハンケチを揉みくちゃにしたりする。また、犯人の動機や関係者の行動が著しく非社会的・非人道的でかつ独善的な場合には、強く厳しい発言・批判も浴びせる。犯人を取り逃がしたときなどは、激しい姿を見せる。しかし、若い世代に対しては、歳相応に分別のある話し方をすることが多い。
事件が解決すると、強い興味を引く目的がなくなり、また事件関係者たちのその後の運命を想って落ち込み、強い孤独感に襲われ、ふらりと旅に出てしまう。等々力警部らは、早く金田一を立ち直らせようと、事件を押しつけることもあった。
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小野寺昭さん演じる金田一耕助 土曜ワイド劇場
【金田一耕助・その捜査、探偵方法は】
捜査の方法は、事件に絡む人脈・人間像の丹念な検証が主である。アメリカから帰国して久保銀造の援助で探偵事務所を開設したあと、某重大事件を解決した殊勲者として紹介した新聞記事には「足跡の捜索や、指紋の検出は、警察の方にやって貰います。自分はそれから得た結果を、論理的に分類総合していって、最後に推断を下すのです。これが私の探偵方法であります。」という発言が掲載されている(『本陣殺人事件』)。
そのため、最後の瞬間まで捜査関係者に手の内を明かさないことから、さらなる犠牲者を生むことが多い。またあえて犯人に自決を促したり見逃したりするケースもあり、「事件は解決できるが、ホシは逃がしてしまう」ということもある。等々力警部に言わせれば、これを「金田一耕助流のヒューマニズム」と述べている(『悪魔の降誕祭』)。また、金田一は警察には協力するが、情状によっては必ずしも真犯人を警察に引き渡すことを目的としていない。これは、金田一耕助にとっては、あくまでも事件の真相を知ることが一番大切なのである。また世間的に真相が知られなくとも、真犯人が死ねば「報いは受けた」と考える(『女王蜂』『首』など)。その一方で、逆に自決を思いとどまらせる(『黒蘭姫』『迷路荘の惨劇』など)。
探偵活動の基礎技術をどこまで身につけているかについては不明確な部分がある。たとえば、『三つ首塔』『病院坂の首縊りの家』などでは自ら指紋照合を行っているが、『犬神家の一族』『不死蝶』などでは指紋照合を専門家に委ねている。
いつもは着物に袴の金田一も、「ギャバのズボンに濃い紺地の開襟シャツといういでたち」(『支那扇の女』)、「鼠色のズボンに派手なチェックのアロハ、ベレー型のハンチング帽にべっ甲縁の眼鏡」(『雌蛭』)など、洋服を着ることがあり、これがそのまま変装になっている。また探偵小説の主人公らしく、犯人あぶり出しのために別人に変装することもあった。特に着物に袴のまま大道易者に化けていたときには、「けっこう当たる」と評判をとっている(『暗闇の中の猫』『黄金の指紋』)。
「運動音痴」と謙遜することもある金田一だが(『仮面舞踏会』など)、背後からの敵襲にすばやく反応するくらいの勘は持っている。その一方で、犯人が潜んでいる土蔵の扉を開いたとたんに正面からピストルで撃たれ、刑事に突き飛ばしてもらえなかったら頭を貫かれて即死していたであろうと思われる場面もある(『黒猫亭事件』)。
少年向けジュブナイル版での金田一はさらに活動的で、捜査のために浮浪者などに変装したり、走行するトラックの裏に取りついて敵地潜入を行ったり、袋詰めにされ海中に投棄された際には、ナイフで袋を破り脱出するなど、高い運動能力を見せている(『黄金の指紋』)。

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【金田一耕助の嗜好】
金田一耕助はヘビースモーカーで、いつも灰皿は吸殻の山だ。銘柄は「ピース」と「ホープ」。また、戦前は「チェリー(CHERRY)」を愛煙していた(『本陣殺人事件』)。
酒はあまりすすんでは飲まないが、下戸ではない。磯川警部と食事をしながらビール瓶を2、3本空けたり(『湖泥』『悪魔の手毬唄』)、大きな徳利を数本空けたりする。事件解決後、気の抜けたビールを「このほうが刺激が少ないから」とちびりちびり呷りながら事件説明を行ったり(『黒猫亭事件』)、事件解決後に犯罪者たちのあくどさを垣間見て悄然となり、酔って気分を紛らわすため自宅で一人ウィスキーを呷ったりすることもあった。また、いきつけのクラブにクラブ「スリーX」(『白と黒』)と「クラブK・K・K」があり(『病院坂の首縊りの家』など)、前者は等々力警部とよく行くクラブ、後者は風間俊六の愛人が経営しているクラブである。後者の「クラブK・K・K」を訪れる目的は、クラブの用心棒であり金田一の手駒である多門修に偵察を依頼したり、情報を収集したりするのがほとんど。
食事は、特に「松月」から「緑ヶ丘荘」へ移って以降は、一人暮らしから簡単に済ませている。朝食はトースト・ゆで卵(しばしば茹で過ぎる)・牛乳が中心で、他にもサラダや果物、アスパラガスの缶詰などを付け合わせることもあるが貧相なもので、朝の身支度と同時進行で数分で片づける(『支那扇の女』『壺中美人』『悪魔の百唇譜』『スペードの女王』など)。横溝は「これが流儀」と述べている。昼・夕食は銀座の行きつけの料理屋で済ますことが多く、和食や中華料理を好んで食べる。少食で、「蕎麦一杯で満足」ということも多いが、考え事をはじめると酒で大食することもある。概ね、食事シーンは大食漢の等々力警部や磯川警部と対照的に描かれている場面が多い。
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鹿賀丈史:悪霊島 1981年 篠田正浩監督 東映・角川春樹事務所
【金田一耕助・命名、モデルに残されたエピソード】
金田一耕助の命名、モデルに関しては、横溝正史ファン、金田一耕助ファンであればご存じのかたもおられると思う。
作者・横溝正史のエッセイ『金田一耕助誕生記』によれば、金田一耕助はA・A・ミルンの探偵小説『赤い館の秘密』に登場する素人探偵アントニー・ギリンガムの日本人化である。これは金田一初登場作品『本陣殺人事件』で説明されている。
金田一の風体は、劇作家の菊田一夫さんがモデル。『金田一耕助の帰還』でも「一見小柄で貧相だが、うちに大いなる才能を秘めた人物」としてモデルにした旨が記されている。これは、横溝正史さんがラジオからの菊田さんのファンであったためだといわれている。
横溝は一度だけ若き日の菊田に会っていたが、この時、菊田は洋服姿で、頭ももじゃもじゃではなかった。その頃、新聞で小島政二郎さんが『花咲く樹』を連載しており、岩田専太郎の挿絵によるレビュー劇場の座付き作家の姿が「着物に袴」で描かれており、横溝はこのイラストが菊田のイメージとダブっていったと述べている。また、『本陣殺人事件』を連載することになった『宝石』誌の創刊者にして編集長の作家・城昌幸が和服の着流しに角帯姿であったため、彼をからかうつもりで、貧相な名探偵を和服姿にした。それだけでは探偵になりにくいと、横溝自身が博文館の編集者時代に和服に袴だった経験を踏まえて、袴をはかせることにした。こうして、菊田一夫・城昌幸・作者自身のイメージの複合体として、金田一耕助の姿が出来あがった。作者の回想によれば、三者の中で、最も飄々としていたのが城昌幸であったということである。
また、面白い命名のエピソードが残されています。江戸川乱歩の創出した探偵・明智小五郎も初期は、髪がボサボサで飄々とした風体であったのだが、段々とダンディに変貌していったので「明智が変わってしまったから金田一耕助をやる気になった」との作者の話があります
名前も当初は菊田にちなんで「菊田一・・」と付けようとしていたという。だがこれはあまりに菊田さんに失礼であろうし、いくらなんでも実在すまいということで取り止めた。そこで横溝さんは、疎開前に住んでいた東京・吉祥寺で隣組にいた、言語学者の金田一京助の弟・金田一安三(やすぞう)の表札を見たことから、前述の“菊田一”に近い苗字である“金田一”を取り、名前は“京助”を捩って“耕助”と付けた。ところが、横溝は無断借用した形の金田一耕助という名称についても、「紛らわしい名前を使って金田一京助先生が、ご迷惑しているのではないか」と心苦しい思いをしていた。また、金田一京助とは野村胡堂の通夜で同席したものの謝りそこねたうえ、1971年に京助が死去したため、横溝にとって二重のシコリとなっていたといわれている。その後、人づてに京助の子・金田一春彦から「金田一耕助さんのおかげで世間の皆さんからキンダイチと正確に発音してもらえるようになった、難しい苗字なのでいろいろ読み違えられて困っていた、こちらこそ感謝していると伝えて欲しい」との言葉を貰い、「ほっと安堵の胸をなでおろした」と述懐している( 横溝正史「金田一耕助誕生記」 『金田一耕助の帰還』出版芸術社、239-249頁。ISBN 4-88293-117-6。)
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片岡鶴太郎:フジテレビスペシャルドラマ 1990年 - 1998年より

【金田一耕助・登場作品リスト】
1971年から1984年にかけて角川文庫は、横溝正史作品を網羅すべく刊行を行っている。このとき収録された金田一耕助登場作品はジュヴナイル作品を除いて77作ある。以下に自身で読破した「長編」のみを列挙させていただいた。なお、「長編」と「短編」の区分について論者によって違いがある。たとえば『死仮面』は長編に含めない場合があり、『毒の矢』『悪魔の降誕祭』は長編に含める場合がある。
  • 本陣殺人事件(『宝石』1946年4月号 - 12月号)
  • 獄門島(『宝石』1947年1月号 - 1948年10月号)
  • 夜歩く(『男女』(『大衆小説界』)1948年2月号 - 1949年12月号)
  • 八つ墓村(『新青年』1949年3月号 - 『宝石』1951年1月号)
  • 死仮面(『物語』1949年5月号 - 12月号)
  • 犬神家の一族(『キング』1950年1月号 - 1951年5月号)
  • 女王蜂(『キング』1951年6月号 - 1952年5月号)
  • 悪魔が来りて笛を吹く(『宝石』1951年11月号 - 1953年11月号)
  • 不死蝶(『平凡』1953年6月号 - 11月号、1958年3月に長編化)
  • 幽霊男(『講談倶楽部』1954年1月号 - 10月号)
  • 迷路の花嫁(『いはらき』1954年4月24日号 - 9月29日号)
  • 三つ首塔(『小説倶楽部』1955年1月号 - 12月号)
  • 吸血蛾(『講談倶楽部』1955年1月号 - 12月号)
  • 死神の矢(『面白倶楽部』1956年3月号、1956年5月に長編化)
  • 魔女の暦(『小説倶楽部』1956年5月号、1958年8月に長編化)
  • 迷路荘の惨劇(『オール讀物』1956年8月号、原題『迷路荘の怪人』を1975年5月に長編化)
  • 悪魔の手毬唄(『宝石』1957年8月号 - 1959年1月号)
  • 壺中美人(『週刊東京』1957年9月21日号 - 9月27日号、原題『壺の中の女』を1960年9月に長編化)
  • 支那扇の女(『太陽』1957年12月号、1960年7月に改稿)
  • 扉の影の女(『週刊東京』1957年12月14日号 - 12月28日号、原題『扉の中の女』を1961年1月に長編化)
  • スペードの女王(『大衆読物』1958年6月号、原題『ハートのクイン』を1960年6月に長編化)
  • 悪魔の寵児(『面白倶楽部』1958年7月号 - 1959年7月号)
  • 白と黒(『日刊スポーツ』ほか共同通信系各新聞 1960年11月 - 1961年12月)[注 39]
  • 悪魔の百唇譜(『推理ストーリー』1962年1月号、原題『百唇譜』を1962年10月に長編化)
  • 仮面舞踏会(『宝石』1962年7月号 - 1963年2月号で中絶、1974年に書き下ろされている)
  • 夜の黒豹(『推理ストーリー』1963年3月号、原題『青蜥蜴』を1964年8月に長編化)
  • 病院坂の首縊りの家(『野性時代』1975年12月号 - 1977年9月号)
  • 悪霊島(『野性時代』1978年7月号 - 1980年3月号)

金田一耕助は短篇もありますが、私自身すべて読破していませんのでしるしていない。

【金田一耕助を演じた主な俳優】
片岡千恵蔵:三本指の男(本陣殺人事件) 1947年 東横映画、獄門島 1949年 東映京都、獄門島 解明篇 1949年 東映京都、八ツ墓村 1951年 東映京都、悪魔が来りて笛を吹く 1954年 東映京都、犬神家の謎 悪魔は踊る(犬神家の一族) 1954年 東映京都、三つ首塔 1956年 東映京都、
岡譲司:毒蛇島綺談 女王蜂 1952年 田中重雄監督 大映(片岡と同様、背広のスタイルである。)
河津清三郎:幽霊男 1954年 小田基義監督 東宝
池部良:吸血蛾 1956年 中川信夫監督 東宝(池部までの金田一は背広姿。原作との共通点は愛煙家ぐらいしかない。)
高倉健:悪魔の手毬唄 1961年 渡辺邦男監督 ニュー東映(高倉の金田一は「警視庁嘱託」という設定。短髪にジャケット、サングラスというラフな姿で、年代物のオープンカーに乗って現れる。)
中尾彬:本陣殺人事件 1975年 高林陽一監督 映像京都+ATG、大映京都撮影所、たかばやしよういちプロ(中尾の金田一は愛煙家で、ジーパンのヒッピー風スタイルで登場する。)
石坂浩二:犬神家の一族 1976年 角川春樹事務所(東宝配給)、悪魔の手毬唄 1977年 東宝、獄門島 1978年 東宝、女王蜂 1978年 東宝、病院坂の首縊りの家 1979年 東宝、犬神家の一族 2006年 東宝
石坂浩二さんが演じた金田一耕助も大変好きである。
渥美清:八つ墓村 1977年 野村芳太郎監督 松竹 (麦わら帽子にくたびれたジャケット、腰に手ぬぐいという姿。)
西田敏行:悪魔が来りて笛を吹く 1979年 斉藤光正監督 東映・角川春樹事務所
ボサボサの髪にお釜帽、くたびれた着物に襟巻きという姿。鞄などを持たずいつも手ぶらで移動する。
古谷一行:金田一耕助の冒険 1979年 大林宣彦監督 角川春樹事務所、三船プロ
テレビドラマ「横溝正史シリーズ」で好評を博した古谷を起用、短編集『金田一耕助の冒険』のうち未解決に終わっている「瞳の中の女」の真相解明のために奔走するパロディ作品。
三船敏郎:金田一耕助の冒険 1979年 大林宣彦監督 角川春樹事務所、三船プロ
「初代金田一」との設定で劇中の映画に登場。三船さんの起用は、三船プロが制作協力していたため。
鹿賀丈史:悪霊島 1981年 篠田正浩監督 東映・角川春樹事務所
豊川悦司:八つ墓村 1996年 市川崑監督 東宝・フジテレビ
(テレビドラマ版)
岡譲司
犯人と毒薬(オリジナル)、無言の証人(オリジナル)、花と注射器(オリジナル)、霧の中の女ある夫婦(オリジナル)
釣堀に現れた女(オリジナル)、泥の中の顔、深夜の客(オリジナル)、アパートの3階の窓(オリジナル)、棄てられたダイヤ(オリジナル)、カバンの中の女
いずれも「月曜日の秘密シリーズ」として1957年2月18日 - 4月29日に放映されたもの。
船山裕二
ミステリーベスト21・白と黒 1962年
金内吉男
怪奇ロマン劇場・八つ墓村 1969年
古谷一行
横溝正史シリーズ 1977年 - 1978年、毎日放送
TBSスペシャルドラマ 1983年 - 2005年
テレビドラマで原作に準じた金田一の姿をブラウン管に確定させたのはこのシリーズである。古谷一行の当たり役となり、毎日放送から同じネットのTBSに制作が移って長期人気シリーズとなった。

愛川欽也
土曜ワイド劇場・横溝正史の吸血蛾 1977年
愛川の金田一は背広姿。
小野寺昭
土曜ワイド劇場・横溝正史の真珠郎 1983年
土曜ワイド劇場・名探偵金田一耕助・仮面舞踏会 1986年
土曜ワイド劇場・名探偵金田一耕助・三つ首塔 1988年
土曜ワイド劇場・名探偵金田一耕助・夜歩く女 1990年
小野寺の金田一は着物に袴と原作を踏襲している。
中井貴一
横溝正史傑作サスペンス「犬神家の一族」1990年
女性の助手を連れ、蝶ネクタイに丸眼鏡、ハンチングをかぶっている。眼鏡をかけた金田一は中井さんが初
片岡鶴太郎
フジテレビスペシャルドラマ 1990年 - 1998年
片岡の金田一は熱血漢風で、アクションも加味されている。
役所広司
女王蜂 1990年
上川隆也
女と愛とミステリー 金田一耕助ファイル・迷路荘の惨劇 2002年
女と愛とミステリー 金田一耕助ファイル・獄門島 2003年
稲垣吾郎
フジテレビスペシャルドラマ 2004年 - 2009年
長谷川博己
NHK BSプレミアム・スーパープレミアム「獄門島」 2016年
池松壮亮
NHK BSプレミアム・シリーズ横溝正史短編集 金田一耕助登場!「黒蘭姫」「殺人鬼」「百日紅の下にて」 2016年
NHK BSプレミアム・シリーズ横溝正史短編集II 金田一耕助踊る!「貸しボート十三号」「華やかな野獣」「犬神家の一族」 2020年
NHK BSプレミアム・シリーズ横溝正史短編集III 池松壮亮×金田一耕助3「女の決闘」「蝙蝠と蛞蝓」「女怪」 2022年
吉岡秀隆
NHK BSプレミアム・スーパープレミアム「悪魔が来りて笛を吹く」 2018年
NHK BSプレミアム・スーパープレミアム「八つ墓村」 2019年
加藤シゲアキ (NEWS)
フジテレビスペシャルドラマ「犬神家の一族」2018年
フジテレビスペシャルドラマ「悪魔の手毬唄〜金田一耕助、ふたたび〜」2019年
(番外篇ドラマ)
長瀬智也
明智小五郎VS金田一耕助 2005年
山下智久
金田一耕助VS明智小五郎 2013年
金田一耕助VS明智小五郎ふたたび 2014年
(舞台版)
並木瓶太郎
獄門島 1948年
古谷一行
『悪魔の手毬唄』より〜探偵 金田一耕助の恋 1988年
犬神家の一族 1993年・1994年
女王蜂 1996年
盛本健作
獄門島 1993年
田村亮
『悪魔の手毬唄』より〜探偵 金田一耕助の恋 1995年
野口聖員
贋作・犬神家の一族 2001年
青木奈々
百日紅の下にて 2002年
太平
殺人鬼 2003年
白と黒 2004年
三つ首塔 2005年
ひとり八つ墓村 2007年
林正樹
百日紅の下にて 2003年
廃園の鬼(朗読劇) 2019年
浦田克昭
幻夏の見返り死人(『薔薇の別荘』より) 2006年
関智一
八つ墓村 2008年
悪魔が来りて笛を吹く 2010年
獄門島 2012年
犬神家の一族 2017年
喜多村緑郎
犬神家の一族 2018年
八つ墓村 2020年
(ラジオドラマ版)
高塔正康
獄門岩(原作『首』) 1957年、悪魔のクリスマス(原作『悪魔の降誕祭』) 1957年、花園の黒蝶(原作『花園の悪魔』) 1958年、廃屋の鬼(原作『廃園の鬼』) 1958年、カルメンの死 (由利麟太郎主役のものを変更) 1958年、黒百合姫(原作『黒蘭姫』) 1958年、黒猫亭事件 1958年、壺を持つ女(原作『柩の中の女』) 1958年、扉の中の女(原作『扉の影の女』) 1958年、いずれもニッポン放送の「金田一耕助探偵物語」として放送されたもの。
北村和夫
支那扇の女 1964年 NHK第1 おたのしみ劇場
宍戸錠
悪魔が来りて笛を吹く 1975年 NHK連続ラジオ小説
佐藤英夫
鴉 1975年 NHK文芸劇場
緒形拳
悪魔の手毬唄 1976年 NHK連続ラジオ小説
鈴置洋孝
八つ墓村 1997年 TBSラジオ・角川ドラマルネッサンス
(カセット文庫版)
神谷明
金田一耕助の冒険・悪魔の降誕祭 1988年 角川カセットブック
金田一耕助の冒険2・怪獣男爵(原作に金田一は出ていない) 1989年 角川カセットブック
(TVCM)
木村拓哉 (OCN、1998年)
田辺誠一 (野村證券、2000年)
石坂浩二 (全日本空輸、2006年)
古谷一行 (カップヌードル、2016年)
(バラエティ)
石坂浩二
絶対に笑ってはいけない名探偵24時 2015年
志村けん
8時だョ!全員集合 コントより
伊丹幸雄
『オレたちひょうきん族』のコント「タケちゃんマン」にて、金田一耕助特有の出で立ち(コスチューム)で「金田一」と名乗る探偵を演じた。

※尚、青字のものは、自分で視聴、もしくは読んだものです。
【金田一耕助・感想】
思うに、横溝正史さんの名探偵金田一耕助シリーズ作品に出てくる猟奇的な殺人事件は、背景に都会ではない地方での事件がほとんどである。しかも、太平洋戦争が影響を及ぼしている作品が多々あり、明智小五郎や神津恭介が登場する作品というのはかなり都会的な背景や設定が多く、違った独特の世界観のある作風である。
また明智小五郎や神津恭介とは違って、金田一耕助シリーズには真犯人や関連する人物が金田一耕助に挑んでみせてくる場面がよく出てくる。これは、犯人の狂気じみた殺人動機(根底に愛する者を守りたいが故にの愛憎事件がほとんど)を表現描写されているもので、この作品群の人間ドラマとしてのスケール感は他の名探偵作品を圧倒している。
その中で、古谷一行さんは、長年をかけてこの金田一耕助役を演じ、熟成させてきた。ここがこのシリーズが広く人気を集めた魅力であると思う。また、この金田一耕助シリーズから派生された作品も多い。『金田一少年の事件簿』もまぎれもなくスピンオフ的な存在作品となる。
後の『古畑任三郎シリーズ』は、金田一耕助シリーズの影響を大きく受けている。じっちゃんこと、『金田一耕助』は、日本が生んだ偉大な探偵の一人である。 


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