この作品では永井豪は「原著作」です。その上で、実質の原作者・飯坂友佳子さんが、少女漫画に翻案した形で企画当初より参加・漫画化しました。コミックスのカバーイラストとカラーイラストは飯坂友佳子さんによる描き下ろしセル画調の絵となっています。
この作品でのハニーを演じる永野愛さんが、声優デビューした作品でもあります。また、番組終盤にハニーをサポートする女性科学者・神崎美津子役として初代ハニー役・増山江威子さんがゲスト出演しています。
1作目のテレビシリーズに比べると、少女向けアニメ的な作品となっていることは、オープニングからも伺えます。これは原作の漫画版が少年漫画雑誌で連載されていたことに対し、本作品の漫画版は少女漫画雑誌『ちゃお』に連載されていたことが影響していることと、テレビ放送枠として『セーラームーン』の視聴者層にそのまま見続けてもらうために制作されたためです。『キューティーハニー』の原作や第1作のようなギャグやセクシーなお色気要素などは少なくなっています。
しかし、原作にはなかった恋愛ストーリー、近親憎悪、三角関係、結婚、出産などの女性視聴者を意識した要素を取り入れ、ドラマ展開が入っているからです。
とはいえ、少年漫画雑誌『別冊コロコロコミック』や男女兼用の学年誌にも漫画版が連載されており、もう一人のハニー「ミスティーハニー」という戦闘的なライバルが登場したりと男性視聴者に対する配慮の描写も見受けられます。本作品におけるハニーというのはアンドロイドではなく、空中元素固定装置の種子から生まれた人工生命体であり、最終回では青児との間に生まれた娘が登場しています。
バンダイのアンケートによると、1997年4月調査の「好きなキャラクター」では、3歳から5歳女児と6歳から8歳女児の2部門で「キューティーハニー」が1位を獲得している。実写ドラマ版の『キューティーハニー THE LIVE』で剣持ユキ(シスターユキ)を演じた竹田真恋人も、本作品をよく見ていたという。
10月以降は土曜18時30分から(ただし朝日放送は新・部長刑事アーバンポリス24(土曜日19:30 - 20:00枠で放送)のため放送時間を土曜日17:00-17:30(変動もあった)枠に繰上げ)に変更になったが、およそ一年で終了、次番組『アニメ週刊DX!みいファぷー』に交代した。テレビ朝日と東映動画(当時)によるテレビアニメとしては最後のセル画制作となった。
朝日放送では放送時間移動を機にテレビ朝日から事前に番組素材を受けての自社送出としたため、提供表示がブルーバックに変更されるとともに、提供クレジット時のBGMも廃止された。
【キューティーハニーF・あらすじ】
第一部 1話~13話 (試練編)
主人公、如月ハニーは、聖チャペル学園に通う女子高生です。寮生が帰宅を許される月に一度のその日、16歳の誕生日を迎えたハニーは父・如月猛との久しぶりの再会を楽しみにして自宅へ向かっていました。ところがそこへ覆面の男たちと謎の女怪人が現れ、ハニーの父を目の前でさらい、ハニーの家は放火され焼け落ちてしまいます。悲しみにくれるハニーの前に、突然、白百合を携えた謎の男性が現れ、父からの誕生日プレゼントだというチョーカーと指輪を手渡します。そのチョーカーの力で多彩な変身能力と、戦士「キューティーハニー」に変身する力を得たハニーは、父を取り戻すために父をさらった組織・豹の爪(パンサークロー)との戦いに挑んでゆきます・・・
第二部 14話~23話 (運命編)
シスタージルとの決戦からしばらくたったある日、葉月聖羅という転校生の少女が聖チャペル学園にやってきます。聖羅はハニーがいるフェンシング部に入部し、ハニーとの手合わせで彼女を圧倒し、フェンシング部の部員たちを驚かせます。その後、クールで勉強もスポーツもこなせる聖羅はハニーと並ぶ学園のアイドルになるが、その一方で彼女はなぜかハニーを強く憎むのです。
そんな中、豹の爪の怪人が学園に現れ、聖羅をさらっていく。すぐさまキューティーハニーに変身して聖羅を助け出したハニーだったが、その直後に聖羅は、ハニーの目の前で第二のキューティーハニー「ミスティーハニー」に変身し、怪人を倒して見せたのです。驚くハニーに、聖羅は自分はハニーの双子の妹だと告げる。
その後も聖羅はハニーに敵意を向けて幾度となく彼女と対立するようになるが、その一方で憎しみが高まるたびに聞こえる謎の声に悩まされていた。そして幾度かの対決の末、ハニーと聖羅は自分たちの正体を知ることとなる。
第二のハニーの出現、ハニーを見守る謎の男性「黄昏のプリンス」の正体が明かされるなど、物語はここから大きく動き出していきます。
第三部 24話~39話 (覚醒編)
ハニーとの対決で敗れたシスタージルが復活。ジルは世界各国から豹の爪の精鋭を集めて新パンサー軍団を結成し、ハニーの持つ空中元素固定装置を再び狙い始めるのです。
一方、ハニーは父や聖羅の死を乗り越えて再び立ち上がり、夏子や青児を初めとする大切な人々を守るために豹の爪と戦う決意を固めます。そんな中、新パンサー軍団の精鋭たちが次々にハニーを襲撃。その戦いの中で、ハニーは自分の空中元素固定装置に秘められた本当の力を知ることになる。それでもなおみんなを守るために戦おうとするハニーに、豹の爪の首領パンサーゾラとの決戦の時が迫りつつあった。
【キューティーハニー(F)・主な登場人物:キャスト登場人物】
主人公(F)
如月 ハニー(きさらぎ ハニー):永野愛(タイトルコールおよび後半次回予告ナレーションも兼任)
本作品の主人公。1981年2月8日生まれのAB型。身長166cm。誕生花はフリージア。聖チャペル学園に通う16歳の美少女。スポーツ万能で、フェンシング部に所属している。背中まで流す長い金髪と無駄のないスリムな身体と美貌の持ち主。加えて元気な笑顔が絶えない聡明な性格も相まって、学園内では全校生徒のアイドル的存在です。女生徒たちからは「ハニーお姉様~~~💛」と呼ばれ親しまれている。
16歳の誕生日に父・如月猛を豹の爪にさらわれ、挙句の果てに自宅も放火されてしまうという悲劇に見舞われる。ショックで泣き崩れていた際に現れた謎の男性「黄昏のプリンス」から指輪とチョーカーを渡され、以後その不思議な力を駆使して様々な姿に変身し、豹の爪との戦いに挑むことになります。実は、彼女は人間ではなく空中元素固定装置の種子から生まれた人工生命体なのです。父が豹の爪から逃走する直前に空中元素固定装置から生まれ、その後父が逃走した際研究所から連れ出され、父から愛を注がれ人間として育てられたのです。一度は黄昏のプリンスから自分の正体を知らされ絶望するが、父の叱咤で立ち直り、その後妹である聖羅の空中元素固定装置と融合、「ハイパーハニー」に変身できるようになります。チョーカーと指輪のエンブレムはハート型。
パンサーゾラとの最終決戦の直前に青児の子供を身ごもり、一度はゾラと共にダイヤモンドになって消滅しようとしたが、胎内にいた子供の声を聞いて再び気力を取り戻し、青児の下へ生還します。その後娘を出産し、その子にかつての戦友と同じ名前の「聖羅」と名づける。そして3年後、大学生になった時に青児と結婚した。
下記の華麗なる七変化以外にも毎回様々な姿に化けています
ナースハニー
ハニー七変化の1形態。看護師の姿。治癒能力に長ける。注射器で敵を撃退したり、包帯で纏めて拘束することもできる。髪は薄栗色のカールヘア。
ステージハニー
ハニー七変化の1形態。歌手の姿。歌やダンス、モデルなどの能力に長ける。華麗なアクションで敵を圧倒することがある。髪は金色の蜷局型。七変化の中で最も前髪が長く、鎖骨まで垂れ下がる。
エスコートハニー
ハニー七変化の1形態。スチュワーデスの姿。デパートなど、大勢の人がいる建物に潜入する際に便利な姿。敵を誘い込み、罠に嵌めるのが得意。髪は濃茶色の、ふっくらした内巻き型。
スクープハニー
ハニー七変化の1形態。カメラマンの姿。情報収集能力に長ける。カメラフラッシュによる目眩ましや、カメラフレームからスプリングパンチを繰り出し不意討ちできる。髪は橙色のボブカット。七変化の中では最も髪が短い。
エレガンスハニー
ハニー七変化の1形態。花嫁の姿。その場違いな姿から、敵を惑わせる。汎用性は低いため、七変化の中では最も使い時が少ない。髪は金の重束。
ハリケーンハニー
ハニー七変化の1形態。女性ライダーの姿。運動神経全般に長ける。オートバイなどのあらゆる乗り物を乗りこなし、機械の扱いにも優れる上、肉弾戦にも強い。そのため汎用性は非常に高く、全ての変身の中でもキューティーハニーに次いで多くの登場と見せ場が用意され大活躍する。ハニーが初めて変身した姿でもある。髪は漆黒のロングストレート。ただし如月ハニーとは違って髪先は固まっておらず、大きく広がり華麗に風に靡く。七変化の中で最も髪が長く、髪先は腰を越え臀部まで至る。
キューティーハニー
「ハニーフラッシュ!」の掛け声で空中元素固定装置が赤い色を帯び、如月ハニーが変身した姿。ハニー七変化の1形態であり戦闘モード。決め台詞は「愛の光を持つ乙女!キューティーハニー!あなたの人生、変わるわよ!」。髪は赤いショートヘア。コスチュームは体にフィットしたレオタード状のもので、上半身が赤、下半身が濃い紫の配色。白地に金縁の手袋とロングブーツを着用し、耳には白いパールのピアス。
極めてシリアスな性格の形態だが、第14話では早見青児が不可抗力で胸に顔をうずめてきたときは恥じらう面を見せたり、第25話では敵の猛攻を受けながらも油断をし、攻撃された挙句に崖から落ちそうになるという間の抜けた面も見せた。
(キューティーハニー究極の必殺技・ハニーインビテーション)
空中元素固定装置
ハニーの心臓に埋め込まれているハート型の装置。ハニーの変身の際に使用される。ハニーがこの装置の秘密を知るまでは、変身チョーカー自体が空中元素固定装置だと思い込んでいた。表面にフリージアの模様が刻まれており、変身するとその形態に合わせてフリージアの模様の光る色が異なる。後に聖羅の空中元素固定装置と融合しパワーアップします。
ハニーブーメラン
キューティーハニーの牽制技。ハニーの腕についているブレスレットのハート形の装飾から生成される刃付きの小型ブーメランを飛ばして攻撃。主に豹の爪の戦闘員を一掃する際に使われる。
シルバーフルーレ
キューティーハニーの武器である剣。フェンシングのフルーレに似た形をしている。柄の中心にピンクのハート形の装飾がついている。商品化の際には「ハニーフルーレ」という名称で発売された。
ハニーライトニングフレア
シルバーフルーレから放つ強力な必殺技。エネルギーをフルーレの刀身に収束させ、赤いFの形のエネルギーをぶつけて爆破する。命中率はあまり良くない。
治癒能力
空中元素固定装置の覚醒後はキューティーハニーの身体から外傷とコスチュームを恢復してくれる。他人の外傷でも治せるらしい。
【キューティーハニー(F)・制作スタッフ、放送データ】
原作著作:永井豪
シリーズディレクター:佐々木憲世
シリーズ構成:山口亮太
キャラクターデザイン:下笠美穂
美術デザイン:鹿野良行
音楽:佐橋俊彦
選曲:水野さやか
プロデューサー:上田めぐみ、太田賢司(以上、テレビ朝日)、矢田晃一(東映エージエンシー)、東伊里弥
アニメーション製作:東映動画
制作:テレビ朝日、東映エージエンシー、東映
放送期間:1997年2月15日~1998年1月31日 全39話
放送局:テレビ朝日系列
★原作版『キューティーハニー』、『キューティーハニーFフラッシュ』は、U-NEXTで視聴可能です。『キューティーハニーFフラッシュ』は、U-NEXTで視聴可能です。または、Prime Videoチャンネルの東映アニメチャンネルの無料体験で¥0円視聴が可能です。
【キューティーハニー(F)・考察、感想など】
本作『キューティーハニーFフラッシュ』は、個人的な見方ですが、勇気あるリメイクだと感じます。原作アニメもOVA作『新キューティーハニー』も、大セクシー路線の人気作。この放送枠の前作があの『美少女戦士セーラームーン セーラースターズ』です。個人的な勝手な想像ではありますが、製作に関してはこれは相当悩みどこの多い制作であったのではないでしょうか?
この2大路線の作風を考えると、よく制作されているリメイクも作と思います。根底には人間の愛や欲をテーマにして、ドラマ展開されています。キャラクターデザインは女性受けしそうなデザインで落ち着いています。以前よりもより女の子向けに仕上がりました。特に早見青児や黄昏のプリンスの外見は、いかにも女の子受けしそうなイケメンです。そして、肝心な変身シーンは思っていたよりもセクシーでした。やっぱり、『キューティハニー』といえばこのシーンがなくてはというところは抑えています。あらゆる面で、この作品はリメイクというより新作のような新鮮さは感じました。
ただ、ハニーに子供ができたのは、びっくらポン(*^_^*)
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