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前記事でご案内しました21年前の2001年に公開されたスタジオジブリの『千と千尋の神隠し』(せんとちひろのかみかくし)を今日のアニメの徒然小道でご紹介させていただきます。
【千と千尋の神隠し・作品概要】
『千と千尋の神隠し』(せんとちひろのかみかくし)は、2001年に公開された日本の長編アニメーション映画。原作・脚本・監督は宮崎駿。2001年(平成13年)7月20日に日本公開。興行収入は316億8,000万円(“歴代ランキング - CINEMAランキング通信”. 興行通信社 (2020年12月15日). 2022年9月25日現在。)で、『タイタニック』を抜いて、当時の日本歴代興行収入第1位を達成し、2020年に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が記録を更新するまで、20年近くにわたり首位であったランキング記録となっています。第52回ベルリン国際映画祭では『ブラディ・サンデー』と同時に金熊賞を受賞。
制作のきっかけは、宮崎さんの個人的な友人である10歳の少女を喜ばせたいというものからだったそうです。この女の子は、日本テレビの映画プロデューサー、奥田誠治さんの娘であり、主人公・千尋のモデルになったともされています。企画当時宮崎は、信州に持っている山小屋にジブリ関係者たちの子供を集め、年に一度合宿を開いていた。宮崎はまだ10歳前後の年齢の女児に向けた映画を作ったことがなく、そのため彼女らに映画を送り届けたいと思うようになった(千尋の大冒険 2001, p. 30より).。
映画監督ジョン・ラセターの尽力で北米で公開され、第75回アカデミー賞ではアカデミー長編アニメ映画賞を受賞しています。2016年のイギリスBBC主催の投票では、世界の177人の批評家が「21世紀の偉大な映画ベスト100」の第4位に選出されています。また、2017年にはニューヨークタイムズ選定21世紀最高の外国語映画ランキングで2位に選ばれています。
2016年に行われたスタジオジブリ総選挙で1位に輝き、同年9月10日から19日の10日間、全国5か所の映画館にて再上映された。2020年6月26日より日本372の劇場で『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『ゲド戦記』とともに再上映され、週末観客動員数で1位となっています。今年、2022年に舞台化もされました。
【千と千尋の神隠し・あらすじ】
10歳の少女荻野千尋は、両親と共に引越し先のニュータウンへと車で向かう途中、父の近道をしようとひょんな思いつきから森の中の不思議なトンネルにたどり着きます。帰ろうよと両親にせがむ千尋であったが、興味津々の父親につきあわされるようにトンネルを抜け、無人の町へ迷い込んでしまいます。
実はそこには神道の八百万の神々が住んでおり、人間が足を踏み入れてはならない世界だったのです。町の怪しい雰囲気を怖がる千尋をよそに、探検気分の両親は、食堂街の中で一軒だけ食べ物が並ぶ無人の飲食店を見つけ、勝手に置いてあった食べ物を食べてしまいます。
気味が悪い千尋は、両親を振り切り、昼下がり、食堂街を一人で歩く千尋は、旅館のような大きな建物の前の橋に辿り着き、橋の上から下の線路を走る電車を見ていました。背後からの気配に気づき振り返ると一人の少年が立っています。千尋は、その少年から強い口調で「すぐに戻れ!」と言われます。足早に日が暮れる中、千尋は両親を探すが、店では両親の服を着た大きなブタが二匹いて、食べ物を食い散らかしていたのです。千尋の両親は、神々に出す食べ物に手をつけたため、罰としてブタにされてしまったのです。
夜になり、千尋は来た道を戻ろうと食堂街の出口に来るが、昼は草原だった所が大河に変わっており、船から降りてくる怪物のような者達を目にしたことでこれは悪い夢だと思い込んでしまいます。悪夢が消えることを願って自分が消滅しそうになるが、警告した少年ハクに助けられます。
ハクは、八百万の神々が客として集う「油屋」という名の湯屋で働いていました。油屋の主人というのは、相手の名を奪って支配する恐ろしい魔女の湯婆婆で、仕事を持たない者は動物に変えられてしまうと千尋に教えます。千尋は、雇ってくれるよう湯婆婆に頼み込み、契約の際に名を奪われ「千」と新たに名付けられます。そして油屋で働くことになります。
ハクは、千尋に本当の名前を忘れると元の世界に戻れなくなるよと忠告するのでした。実はハクもまた名を奪われ、自分が何者であったのかを思い出せずにいたのです。しかし、彼はなぜか千尋の存在を知っていて、自分の名前は忘れても千尋のことは覚えているのだというのです。しかし、千尋にはハクの正体に心当たりがないのです。
ブタにされてしまった両親を助けるため油屋で働き始めた千尋だったが、彼女は人間であるために油屋の者達から嫌われます。油屋にカオナシという正体のわからない化け物が来るが、客だと思い込んだ千尋に親切にされます。その後、千尋は皆から悪臭とひどい汚れの客の相手まで押しつけられる。しかし、彼女の真面目な働きが、客から大量の砂金が店にもたらされると、千尋は皆に一目置かれる存在になります。千尋はその客から不思議な団子を受け取るのです。
翌日の昼、竜の姿のハクは湯婆婆の命令で、彼女と対立している双子の姉の銭婆から、魔女の契約印を盗み飲み込む。しかし、強力な魔力を持つ銭婆は、ハクに契約印の守りのまじないとヒトガタで重傷を負わせる。だが、彼は傷ついたまま最上階の湯婆婆の部屋に向かいます。傷ついたハクを従業員部屋から見た千尋は、彼を助けようと後を追います。その時、沢山のヒトガタの内一つが、千尋の背中に張り付く。
上に行く途中の彼女と再会した、風呂場から上階の客室に行く途中のカオナシは、砂金で千尋の気を引こうとするが、彼女は断り、先を急ぐのでした。それを見て呆然とするカオナシに、兄役が説明すると誤解して怒りだし、兄役達を飲み込んでしまいます。湯婆婆が部屋を出た後、千尋が部屋に入ると、ヒトガタから銭婆が現れ、湯婆婆の息子である坊をネズミに変え、その隙にハクが尾でヒトガタを叩き破ると、銭婆は消えてしまいます。その後、千尋がハクに不思議な団子の半分を飲み込ませ、体内の契約印と虫を吐き出させ元の姿に戻すが、ハクは衰弱して気絶する。千尋はハクを助けたい一心で、釜爺から電車の切符を受け取り、危険など顧みずに銭婆の所へ謝りに行くことを決意する。
その頃、客室で千尋に会いたいカオナシが暴れていた。再び彼女と対面したカオナシは、食べ物で千尋の気を引こうとするが、彼女は断り、逆に団子の残りの半分を彼に食べさせ、飲み込まれた従業員達を吐き出させ、助けるのでした。そして千尋は、なぜかついて来た坊と、彼女が油屋から誘い出したカオナシを伴って銭婆の家を訪れます。
銭婆は千尋を穏やかに受け入れ、千尋は銭婆に魔女の契約印を返しハクの行いを謝り、銭婆は千尋に旅の仲間と協力して人力で作った紫の髪留めを贈るのでした。
一方、目を覚ましたハクは、坊が銭婆の元へ行っていることを湯婆婆に伝える。ハクは坊を連れ戻すことを条件に千尋と両親を解放するよう迫ります。そして帰る手段のなかった千尋を白竜の姿で迎えにいくのです。ハクは銭婆から許しを得て、千尋と共に油屋への帰路につく。その途中で、千尋は自分が幼い頃に落ちた「川」がハクの正体であることに気づくのでした。ハクは、落とした靴を拾おうとして溺れかけた千尋を、浅瀬に運び助けたのだった。千尋が川の名前を告げたことでハクは自分の名前を取り戻します。
翌朝、臨時休業をしている油屋に帰ったハク達。ハクは千尋と両親を解放するよう湯婆婆に要求します。従業員達も今は千尋の味方であるためハクに賛同するのでした。味方がいなくなり、怒る湯婆婆は、油屋の前に集めたブタの中から両親を言い当てろと千尋に難題を出します。千尋はブタ達を真剣に見つめるとこの中に両親はいないと言い当てるのです。湯婆婆の目論見は外れ、契約書が消滅し、千尋は晴れて自由の身となれたのでした。油屋の従業員達みんなに祝福されながら油屋を去っていくのでした。
昼になり、異世界と人間界の境界のトンネルへの帰り道の食堂街の出口に辿り着くと、夜は大河に変わっていた所が草原に戻っていました。見送るために一緒に来たハクは千尋に、この先には一人で行くこと、この先の帰り道で振り返ってはいけないこと、湯婆婆の弟子を辞めて自分も元の世界に戻るつもりであることを伝え、再会を約束して別れる。トンネルを出るまでは振り返ってはいけないというハクの言い付けを守り草原を歩き続けると、人間に戻った両親がトンネルの前で何事もなかったかのように待っていた。
思わず振り返りそうになるが必死に我慢して振り返らず、トンネルを抜けて元の世界に戻った千尋が振り返ると、トンネルは最初に来た時とは違う姿に変わり、彼女は異世界のことを忘れる。しかし銭婆から貰った紫の髪留めはトンネルを抜けても残り、輝いていました。そして、車は引越し先に向かっていくのです。
幼い千尋が川に落とした桃色の靴の片方が、流れていくのです・・・
【千と千尋の神隠し・主な登場人物:キャスト】
(主要人物)
荻野 千尋(おぎの ちひろ) / 千(せん):柊瑠美
本作の主人公である10歳の少女。荻野家の一人娘。すぐいじける、我儘を言う、すぐ両親に頼ろうとする、典型的な都会育ちの一人っ子。悪く言えば怖がりだが良く言えば慎重で、家族の中では、トンネルを怪しんでいます。焦げ茶色の髪をポニーテールにしている。
ハク / ニギハヤミコハクヌシ:入野自由
油屋で働いている色白の謎の美少年。外見年齢は12歳。湯屋の男の従業員の中で彼だけが子供に見え、彼の水干は上着が白、袴が青、裸足に草履、何も被らない。緑がかった黒いおかっぱ頭で、常に涼しい顔をしている。湯婆婆の弟子であり魔法使いとしては見習いだが、番頭として湯屋の帳簿を預かっているため従業員達から一目置かれる存在。作中で初めて千尋と会ったときから人間である彼女を助け、支えにもなっている。
中盤以降は白竜の姿でも登場する。正体は、千尋が以前住んでいた家の近くを流れていた「コハク川」という川(小川)の神だった。本名は「ニギハヤミコハクヌシ」(英語版では Kohaku River とされている)で、名前の由来は饒速日命(ニギハヤヒノミコト) や速秋津彦(ハヤアキツヒコ)とされている。現在は、小川が埋め立てられ、マンションが建っている。ロマンアルバムでは、本性は蛇である。
(千尋の家族)
荻野 明夫(おぎの あきお):内藤剛志
千尋の父親。38歳。建築会社に勤めるサラリーマン。作中で名前は明らかになってはいない。
愛車はアウディ・A4クアトロ。体育会系で、良くも悪くも肝の据わった性格。基本的にどんなことにも物怖じしない反面、後先考えない行動をとってしまいがちな考えの浅い一面も強く、妻に呆れられている。
荻野 悠子(おぎの ゆうこ):沢口靖子
千尋の母親。35歳。
不思議の町に迷い込んだ際、夫より先に勝手に食事をし始めてしまい、共にブタの姿に変えられてしまった。作中で名前は明らかになってはいない。
やや自分勝手な夫に戸惑いながらも、さり気なく夫に寄り添う。娘の千尋に対してはドライに振る舞うことが多いものの、彼女を心配したり気にかけたりする親らしい一面は持ち合わせている。夫同様、最終的には元の姿に戻ったが、ブタになっていた時のことは覚えていない。モデルはジブリ出版部に勤務する女性といわれている。
(湯婆婆とその関係者)
湯婆婆(ゆばーば):夏木マリ
湯屋「油屋」の経営者で正体不明の老魔女。頭が大きく、二頭身という人間離れした体格。
欲深で口うるさく、老獪な人物として描かれている。その一方で息子の坊を溺愛。ハクに言われて坊がいなくなったことに気づき、ハクに詰め寄るほどに激しく取り乱す。作中で様々な魔法を使い、名前を奪って支配する契約や、手を触れずに対象物を動かしたり、鳥に変身して空を飛んだり、光の弾を放ったりする。
銭婆(ぜにーば):夏木マリ
湯婆婆の双子の姉。声や容姿、服装、髪型まで湯婆婆と瓜二つで、甥の坊が母である湯婆婆と間違えてしまうほど。彼女と同様に強力な魔力を持つ魔女。
坊(ぼう) / 坊ネズミ:神木隆之介
湯婆婆の息子。赤い腹掛けをした巨大な赤ちゃん。銭婆に「太りすぎ」と評される肥満体型。甘やかされて育てられているため、性格は我儘。怒ると暴れ泣きわめく。怪力で部屋を破壊する。ジブリスタッフによると、彼の体が巨大なのは、(心が)子供のまま(体が)大きくなってしまったことを、象徴しているという。
頭(かしら)
湯婆婆に仕える、緑色の頭だけの怪物。3体いる。中年男性のような顔で、跳ねたり転がったりしながら移動する。
言葉は話せず、「オイ」と声をあげるのみだが感情はあるようで、坊が隣の自分の部屋から出てきた際には怖がる姿を見せている。作中では銭婆の魔法によって坊の姿に変えられるが、お菓子をむさぼり食うその姿に違和感を覚えた湯婆婆によって元の姿に戻されてしまい、正体がばれた後はドアを開けて逃亡した。また、ネズミに変えられた坊とハエドリに変えられた湯バードを叩き潰そうとしていた。常に三つ一緒に行動する。
湯バード(ゆバード) / ハエドリ
首から上は湯婆婆と同じ顔(ただし、顔色は黒い)、体はカラスという不気味な姿の人面鳥。常に湯婆婆に付き従っている。言葉は話せず、カラスのような鳴き声を発する。油屋の見張り鳥である。中盤で銭婆の魔法でハエのように小さい鳥(ハエドリ)にされ、以降は終始この姿で、坊と共に行動。ネズミに変えられた坊を足でつかんで飛ぶこともできる。
坊とは違い、元の姿には戻りたくないようで、最後までハエドリの姿。「湯バード」という名前は劇中では呼称されない。
(油屋の従業員)
従業員の大半はカエル(男衆)とナメクジ(女衆)であり、ヘビ(ハク)と合わせて三すくみの関係にある。
釜爺(かまじい):菅原文太
油屋のボイラー室を取り仕切っている黒眼鏡をかけた老人。クモのような姿で、伸縮可能な6本の腕を自在に操り、油屋で使われる湯を沸かし、薬湯の生薬を調合する仕事をしている。湯屋の従業員の中で、彼だけが私服、何も被らない。
人間に対する差別意識は無く、突然ボイラー室に現れた千尋に対し厳しめの態度を取りながらも、人間である彼女がいることに騒ぐリンに「わしの孫だ」とうそをつき、庇うなど彼女を気遣い、リンに湯婆婆の所へ連れていくように頼む時に、イモリの黒焼きを彼女に渡した。その後も傷ついたハクを手当し、銭婆の所へ行こうとする千尋に40年前に自分が使い残した電車の切符を渡すなど、千尋のことをささえる。部下に石炭を運ぶススワタリがいる。前述の通り仕事には厳しいが、千尋に対しては本当の孫のように優しい一面も見せる。
リン:玉井夕海
油屋で下働きをしている少女。外見年齢は14歳。一人称は「オレ」、もしくは「あたい」。仕事中は腰に前掛けをつける。口調は荒っぽいが性格はサッパリとした姉御肌。人間である千尋を初めて見た時は驚いて戸惑い、少々きつく当たっていたが、彼女の雇用が決まるとハクから半ば押しつけられる形であったとはいえ、雇用してもらえるように頑張った千尋に対し「うまくやったなぁ」と彼女を認め、湯屋の先輩として千尋に仕事を教える。千尋と共に風呂釜の中の掃除中に、千尋に番台から薬湯の札を一枚持って来させ、札と風呂場の壁の仕掛けの使い方を教えた後、湯を釜に入れるための樋の先端から垂れる綱を、千尋に引かせたりした。
出自は不明で、不本意ながら湯屋で働く自分の運命を呪っており、いつか湯屋を出て海の向こうの町に行くことを夢見る。そのため、雇い主である湯婆婆に対する忠誠心などは無く、湯婆婆やハクのことは呼び捨てで呼び、上司であるはずのハク・父役・兄役らに対してもタメ口で話す。
彼女のほかにも人間の少女と全く変わらない外見をした湯屋の下働きの少女が何人かいる。ほかの従業員は人間である千尋を差別的に嫌っているが、彼女にそういった差別意識は無く、千尋に対してもほかの従業員と同じように接する。カオナシに対しては「千に何かしたら許さないからな」と叫んでいた。好物はイモリの黒焼き。
父役(ちちやく)、兄役(あにやく)、番台蛙(ばんだいかえる):上條恒彦(父役)、小野武彦(兄役)、大泉洋(番台蛙)
それぞれ油屋の従業員達と湯婆婆の間の中間管理職的な役割であろうか、父役はハク以外の従業員の中で最も地位が高く、兄役はその下という位置づけ。
番台蛙は番台に座り、様々な薬湯の札をほかの従業員に渡す役割を担っている。いずれも蛙の化身。この3人は、烏帽子を被り 、水干の上着には色がつき、父役と兄役は白い袴、白い足袋姿。ほかのほとんどのカエル男は、水干は上下共に白、裸足、草履の男性もいて、青蛙以外は烏帽子を被る。青蛙以外のカエル男は、人間化してジャンプ力を失っている。
それぞれ、上にはへつらい下には威張るような態度を取るキャラクターとして描かれている。下の者を見下しており、特に人間である千尋を嫌っている。兄役は、千尋とリンの風呂釜の中の掃除中に「リン、千、一番客が来ちまうぞ」と言って風呂の準備を急がせる。
父役は、千尋がカオナシのいる客室に入った直後に千尋を心配するように、湯婆婆に「千、一人で大丈夫でしょうか」と言ったが、湯婆婆から「お前が代わるかい」と言われ、カオナシが怖くて黙ってしまう場面もあった。
兄役は、カオナシが客として振る舞っていた時に幇間もしていた。彼の言葉を誤解して怒ったカオナシに、傍にいたナメクジ女と共に飲み込まれてしまうが、千尋がニガダンゴを食べさせたことで救出される。カオナシを追い払ってからは、父役ともども千尋に対する態度を改め、同じように救出された青蛙と共に湯婆婆から千尋を庇う姿を見せる。
青蛙(あおがえる):我修院達也
湯屋で下働きをしている蛙。カエル男の中で彼だけがカエルそのものの姿。カエル男の中で彼だけは髪がないためか何も被らず、青い着物、裸足。砂金に目がなくがめつい性格。橋を渡りきる直前に、人間の言葉を話す彼を見て、驚いた千尋が息をして魔法が解け、人間である千尋を最初に見た。橋の上でハクに魔法をかけられ、気絶させられた上に、人間である千尋を見た記憶を消された。オクサレ様が湯屋に近づいて来た時に、橋の上でほかのカエル男達と一緒に「お帰り下さい」と言った。その直後、青蛙だけがオクサレ様の臭気により気絶。
大湯で砂金探しをしていたところ、カオナシの手から出す大量の砂金(土くれ)に目がくらみ、最初に飲み込まれる。その後はカオナシが言葉を発するために声を借りられていたが、千尋がニガダンゴをカオナシに食べさせたことで最後には吐き出される。カオナシを追い払ってからは父役、兄役と共に「千のおかげでオレたち、助かったんです」と千尋を庇う様子を見せる。
ススワタリ
イガ栗のような形をした黒い体で、その真ん中に二つの目がついている。手足が生えている。釜爺からは「チビ共」と呼ばれている。魔法の力ですすから生まれたらしく、働いていないとすすに戻ってしまう。
釜爺の指示で石炭を抱えて運び、ボイラー室の炉に放り込むのが仕事。休憩時間の際は金平糖を食事として与えられている。千尋の服と靴を預かるなど、釜爺と共に千尋を手助けする。
『となりのトトロ』にも同名の生物が登場するが、本作に登場するススワタリと違って手足がない。
(その他)
カオナシのコスプレ
カオナシ:中村彰男
黒い影のような体にお面をつけたような姿をしている。
言葉は話せず「ア」または「エ」といったか細い声を絞り出すのみ。コミュニケーションが取れないため、他人を飲み込んで声を借りる。その際はお面の下にある本物の口から話す。飲食するのもこの口からである。焦げ茶色の短い髪が見える場面がある。普段は直立歩行だが、湯屋の従業員の青蛙達を飲み込み、飲食をして巨大化した後、千尋を追う時に2本の手と2本の足を使って四つん這いで走る。姿を消す力も持っている。
相手の欲しい物を手から出す力を持ち、それを手にした瞬間にその人を飲み込んでしまう。ただし、それらは土くれが変化したものに過ぎなかった。橋の欄干で千尋を見かけた時から彼女を求めるようになり、喜んでもらいたい一心で番台から薬湯の札を盗み、千尋に差しだす。雨の夜に、濡れながら湯屋の庭に立っていた彼を見た千尋が客だと思い、戸を開けたままその場を離れた後、彼はその戸から湯屋に入った。
オクサレ様の一件の後、従業員達の就寝時に、青蛙が大湯で砂金探しをしていたところ、砂金をエサに青蛙を丸飲みし、翌日砂金でほかの従業員達を丸め込み、大量に料理を作らせて、風呂に入りながら暴飲暴食し巨大化する。千尋にも砂金を差し出したが断られ、兄役がやってきて説明すると誤解して怒り、兄役と傍にいたナメクジ女を飲み込んで肥大化していく。その後、千尋を客室に呼び出し再び対面し、料理を差し出すが彼女に断られ、さらにニガダンゴを食べさせられ嘔吐すると同時に怒りで暴走し、千尋を追いかけている途中に飲み込んだ3人を全て吐き出して縮み、元の姿に戻る。戻った後は大人しくなり、千尋について銭婆の所へ行き、銭婆の厚意でそのままそこで暮らすことになる。終盤までは、高い段差を上る時や千尋を追う時に2本足が見えるだけだったが、最後に銭婆の家の前で千尋達を見送る時には、常に見える2本足がついている。英語版での名前は "No-Face"。
製作当初は重要キャラではなく、単なる「ハクと千尋が油屋に向かう際、橋の上にただ立っている存在」であったが、結果的に準主役ともいうべきキャラとなった経緯を持つ。
霊々(かみがみ)
神道における八百万神(やおよろずのかみ)で、疲れを癒そうと油屋を訪れる。八百万の名の通り、姿形・性質・性格は様々。
おしら様(おしらさま):安田顕
福々しく肥え太った真っ白な大根の神として描かれる。裏返した朱漆の盃のような被り物をしている。見も知らぬ千尋と突然出会うことになったが、驚くことも物怖じすることもなく、付き添えなくなったリンに代わって、湯婆婆の所へ行く千尋に付き添ってくれる。その後は、扇子を持って舞踊を楽しんだり、茶色の正装姿で、帰る千尋を見送ったりしている様子が描かれている。ちなみに、霊々が船から降りてくる場面や、千尋が湯屋の外階段を降りる直前に橋を渡る霊々が映る場面でも、正装姿である。2柱(ふたはしら)同時に映るシーンが作中にある。ジブリスタッフによると、この神様(名前の由来になった神様もそうらしい)は、子供が好きなので、千尋に親切にしてくれたという。
春日様(かすがさま)
1柱ではなく、続々と参集する様子が描かれており、少なくとも数十柱が訪れている。
人間のような姿をしていながら体は見えず、それでいて物に影を落とす。見えない体に紫の冠を被り、深緋の官衣を着て、見えない顔には舞楽面の一種である蔵面をつけている。蔵面は舞楽の曲目ごとに描かれる顔の図柄が違うが、作中のものは曲目『胡徳楽』などに用いられる蔵面である。移動するのに歩いている様子はなく、空中を浮いて滑るように動く。春日様が列をなして船から降りてくる場面では、宙に浮いた蔵面と体の影が移動しているように見える。その後、陸に上がる直前に蔵面から冠と服が現れる。硫黄の上の湯に入っている。おしら様と連れ立ち、扇子を振って千尋を讃えている様子も描かれている。
牛鬼(うしおに)
大きな頭に鹿の角のような枝角を生やした、ずんぐりむっくりな体形の鬼。性格的にも造形的にも、禍々しい妖怪・牛鬼ではなく、地方祭で親しまれている牛鬼の様である。
オオトリ様(オオトリさま)
元は食べられてしまったり、卵のまま生まれてこられなかったひよこの神様だともいわれる。大勢で風呂に入っている。外を歩く時、大きな葉を頭にのせている。
おなま様(おなまさま)
二本角の鬼の姿、手には包丁を持ち、蓑を羽織っているのもなまはげと変わらないが、蓑は稲藁ではなくくすんだ緑色の木の葉でできている(鹿のような枝角の者もいる)。
一言主様、のの様、あんが様(ひとことぬしさま、ののさま、あんがさま)
厨房で働く蛙男達のセリフ中に名前が登場する。一言主様に関しては、オクサレ様が来た時に逃げる霊々の中に赤い冠に「言」と書かれた神が登場している。
オクサレ様(オクサレさま)/ 河の神(かわのかみ)・河の主(かわのぬし): はやし・こば
水に溶けた流動性の高い泥が集まって巨大な一塊になったような姿をしていて、這うように移動する。動くたびに泥が体の表面を流動する。その泥は人間が河に捨てたごみと汚れをたっぷり含んだヘドロで、それゆえにすさまじい悪臭を放つ。その臭気は朝食としてリンが調達してきたご飯を少し離れた所からでも一瞬で腐らせてしまう。湯婆婆を始めとする湯屋の者は皆慌てふためきながら迎え入れることになる。リンがまだ朝食の調達から戻っていなかったので、千尋だけが湯婆婆の命令で、彼から料金を受け取り、世話をした。これほどひどい汚れは千尋とリンが、オクサレ様が湯屋に来る直前の風呂釜の中の掃除中に、こびりついた汚れを落とそうとしてためた薬湯では落ちなかった。
千尋が足し湯をしようと、薬湯の札と風呂場の壁の仕掛けを使った。その後、ヘドロに足を取られながらも釜へ進んでいき、釜の上の綱を右手で引くと同時に、釜の縁をつかんでいた左手が滑り、釜の中に転落し、底にたまっているヘドロに頭から埋まってしまう。逃れようともがく千尋の体を引き抜いて助け出してくれたのはオクサレ様。湯屋の者は、彼を本物のオクサレ様、つまり「腐れ神(くされがみ)」 だと外見だけで決めつけていて近づかず、リンは釜爺にありったけの薬湯を出すように頼みに行っていて、千尋だけが世話をしていたので、オクサレ様の体に刺さって抜けない棘のようなものに千尋だけが気づき、従業員達と協力して引き抜いたことで、長年にわたってオクサレ様の体の表面についたり、飲み込んでしまったごみや汚れが、堰を切ったように吐き出され流れ落ち、神は本来の姿を取り戻す。
湯婆婆曰く、正体は「名のある河の主(河の神)」。その姿は、河の流れそのものであろう半透明で不定形な長い龍のような体(ロマンアルバムでは白蛇の体)に、能面の「翁」の仮面の様な顔を持つ、優しそうでありながら神々しいものであった。河の神は「よきかな、よきかな」と言った後、笑い声をあげながら湯屋の高所にある格式高い唐破風の大戸から飛び去っていく。去り際には世話になった千尋に謎の団子「ニガダンゴ」を与える。湯屋には大量の砂金を残していった。
お台所さま(おだいどころさま)
千尋が息を止めてハクと橋を渡る際に登場。頭に大きな笠を被り、笠の縁から包丁や鍋等の台所用品をぶら下げている。
むすびさま
千尋が番台蛙に薬湯の札を貰いに来た時に登場。ピンク色の体で葉団扇を持っている。縁結びの神であり、「むすびさま」の愛称は、読者の一般公募で決められた(アニメージュ誌上にて)。
石神様(いしがみさま)
オクサレ様が来た日に、春日様と共に蓬仙湯に予約を入れていた神。名前のみ登場。
(人間)
理砂(りさ)
名前のみ登場する。千尋が引っ越す前に通っていた学校の友人。
千尋が引っ越す時、「元気でね また会おうね」と書かれたお別れのカードをスイートピーの花束に添えてプレゼントした。名前を奪われて「千」になってしまった千尋が、お別れのカードに書かれていた「ちひろ」という名前を見て、自分が「千尋」であることを思い出す。
【千と千尋の神隠し・その不思議な舞台設定】
湯婆婆が経営する、八百万の神が体を休める「油屋」(あぶらや)という屋号の湯屋が舞台。油屋は一見和風建築であるが、土台部分はコンクリートであったり、ボイラーやエレベーターといった近代的な設備となっている。和風に装っているのは表面部分だけ。最下層にボイラー室と機械室、その上に従業員用のスペースがあり、湯婆婆とハク、釜爺以外の従業員達はそこで寝泊りします。上階が男性従業員の部屋、下階が少女と女性従業員の部屋で、大部屋に大勢で寝る。従業員の生活空間は裏側に配置されており、神々の出入りする正面側からは見えない。油屋正面とその上階が営業スペースとなっている。中に大きな吹き抜けがあり、下には様々な種類の風呂が配置、その上を取り囲むように宴会場や客室が配置されている。さらに、その上には湯婆婆の洋風の建築様式の個人宅となっている。河の神が使った大戸は空を飛べる(上級の)神用の出入りであり、一階玄関はそのほかの客用の出入り口となっている。
千尋達は最初に、トンネルのある時計台のような建物に迷い込む。そこから先は、廃墟が点々ある緩やかな草原がある。川を渡り、食堂街に出る。時計台と食堂街を区切る川は、昼は小川の顔をしているが、夜になり神々が訪れる時間になると草原全体が大河に変わり、船が行き交う。また、夜は時計台の周囲には町が現れる。異世界はあらすじ通りに日中の時間の流れ方が人間界と違って早い。また、時計台の文字盤によると異世界は夜が長い。その上、一晩ごとに月齢が違い、千尋が河の神の世話をした直後が満月の夜、翌日千尋が銭婆の家から湯屋に帰るのが半月の夜。食堂街を抜けると大きな灯籠のある広場に出、そこから延びる橋が湯屋の正面入り口に繋がっている。食堂街の周囲には、両親の収容されている畜舎や冷凍室、花園などが配置されている(花園では季節の異なる花々が同時に咲き乱れています。湯屋側から見ると、畜舎は突き出た絶壁の上に建っている。町と湯屋を繋ぐ橋の下(つまり裏を含む湯屋の周囲)は大平原で、雨が降ると海になる。橋の下には海原電鉄(架線は無い)が走っている。単線の一方通行で、今は行きっ放しである(釜爺によれば、昔は帰りの電車があったという)。千尋が乗る駅は湯屋の裏で建物から離れた位置にある。途中には千尋が降りる「沼の底」駅があり、ほかに乗客の降りる沼原駅なども出てくる。
【千と千尋の神隠し・製作スタッフ、公開データ】
(映像制作)
製作:徳間康快(2000年9月20日まで)、牧田謙吾(2001年1月17日まで)、松下武義(2001年1月18日より)
音楽 音楽・指揮・ピアノ:久石譲
音楽 演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
作画監督:安藤雅司、高坂希太郎、賀川愛
原画:稲村武志、山田憲一、松瀬勝、芳尾英明、山森英司、中村勝利、小野田和由、鈴木麻紀子、松尾真理子、田村篤、米林宏昌、藤井香織、山田珠美、二木真希子、百瀬義行
山下明彦、武内宣之、古屋勝悟、倉田美鈴、山形厚史、君島繁、山川浩臣、大杉宜弘、田中雄一、金子志津枝、浜洲英喜、古川尚哉、小西賢一、大城勝、大平晋也、橋本晋治
中山久司、高野登、篠原征子、石井邦幸、山内昇寿郎
テレコム・アニメーション・フィルム(田中敦子)
動画チェック:舘野仁美、鈴木まり子、斎藤昌哉、大橋実
動画:手島晶子、中込利恵、野口美律、伊藤望、大西綾、海内努、横田匡史、佐藤雅子、笹川周子、鶴岡耕次郎、片野美桜子、今野史枝、高橋直子、小田剛生、山田伸一郎、奥村正志
島田育子、アレキサンドラ・ワエラウフ、坂野方子、大村あゆみ、北島由美子、真野鈴子
東誠子、西戸スミエ、槇田喜代子、富沢恵子、コマサ、土岐弥生、椎名律子、岩柳恵美子、藤森まや、伊藤由美子、鳥羽明子、安達晶彦、松下敦子、梅林由加里、太田久美子、矢地久子
宮田知子、大塚美穂
山浦由加里、近藤梨恵、辻仁子、岩上由武、谷平久美子、西河広美、大橋雅央、中島弘晶、矢野守彦、藤谷尚子、中本和樹、中野洋平、中里舞、寺田久美子、岡本恭子、小川令人
佐伯忍、山田里子、堀元宣、大曲健克、藤木秀人、石井邦俊、阿部真一、大久保千夏、関暁子、井下信重、見陰智史、平井久美、細萱明良、牧野大介、藤井栄美子、渋谷勤
服部聡志、斉藤佐保、山田知香子、小松崎純子、榎本花子、田中春香、松林唯人、渡辺秀雄、柴田由香、錦織敦史、丸山友、村田康人、中島由喜、小松田大全、酒井怜子、塩谷直義
山下宗幸、森崇、植田和幸、猪股雅美、藤あや子、平川梨絵、杉山了蔵、位下ゆかり、寺田真佐子、後藤奈津子、山本理恵
D.R DIGITAL
趙鉉美 宋賢珠 金恩寧 徐金淑 安美京 張哲豪 權卜徑 金知恩 全賢珠 許英美 尹美卿 李惠姓 李美玉 片恩美 崔熙恩
鄭炫守 成知英 鄭晟姬 朴昭花 俆眞赫 邊恩順 邊惠順 李守相 金貞姬 朴支賢 朴淑和 朴英淑
動画協力:アニメトロトロ、オープロダクション、スタジオコクピット、スタジオたくらんけ、グループどんぐり、中村プロダクション、GAINAX、動画工房、スタジオ九魔
Production I.G、スタジオムサシ、スタジオ・ブーメラン、スタジオディーン、スタジオ雲雀、ラジカル・パーティー、キリュウ、夢弦館、AIC
SHAFT、LIBERTY SHIP、MADHOUSE
美術監督:武重洋二
美術監督補佐:吉田昇
背景:男鹿和雄、平原さやか、福留嘉一、田中直哉、春日井直美、伊奈涼子、長田昌子、石原智恵、矢野きくよ、糸川敬子、増山修、斎藤久恵、菊地正典、長縄恭子、佐々木洋明、山本二三
スタジオ風雅(永井一男)
小倉工房(小倉宏昌、久保田正宏)
色彩設計:保田道世
色指定:山田和子、野村雪絵
仕上検査:守屋加奈子、織田富美子、石井裕章
デジタルペイント:森奈緒美、井関真代、杉野亮、大山章博、鵜飼由美子、岡田理恵、柴山智隆
高橋プロダクション/T2Studio
高橋加奈子、那須亜紀子、南城久美、横山由妃、斉藤美智子、清水亜紀子、大蔵芙美乃、飯島弘志
D.R DIGITAL
咸善基
JEM
金炳烈 金泰鍾 李恩暻 李道熙 金美仙 韓今伊 許李慶 安明會 崔順花 朴那珹 金明淑 金明善 尹恵燁 金珍旭
デジタル作画監督:片塰満則
デジタル作画:泉津井陽一、軽部優、佐藤美樹、山田裕城、刀根有史
CGエンジニア:井上雅史
システム・マネージメント:北川内紀幸
映像演出:奥井敦
デジタル撮影:藪田順二、高橋わたる、田村淳
録音演出:林和弘
整音:井上秀司
音響効果制作:サウンドリング、アニメ・サウンド・プロダクション
音響効果:伊藤道廣、野口透
音響効果助手:村上大輔、古宮理恵
音響効果協力:森川永子、上田文子、宮澤麻由加、成田一明、阿部敏昭
キャスティング・プロデュース:PUG POINT(畠中基博、八木桂子、安直美)
音楽制作:ワンダーシティ(関島雅樹、伊藤聡一郎)、スタジオジブリ(稲城和実、古城環)
音楽著作権:長井孝
音楽ミキサー:大川正義
オーケストラレコーディング:田中信一
サラウンドミックス:浜田純伸
アシスタントエンジニア:秋田裕之
CD制作: 徳間ジャパンコミュニケーションズ 岡田知子
録音スタジオ 音楽収録:ワンダーステーション、すみだトリフォニーホール
効果収録:東宝サウンドスタジオ
録音所:東京テレビセンター 高木創 今泉武 佐竹徹也
タイトル:真野薫
リスマーク:マリンポスト
編集:瀬山武司
編集助手:水田経子、内田恵、武宮むつみ
編集所:瀬山編集室
監督助手:高橋敦史、宮地昌幸
制作担当:高橋望
制作デスク:神村篤、望月雄一郎、田中千義
制作進行:居村健治、斎藤純也、田代英一郎、伊藤郷平、松原法史
制作事務:佐々木千賀子
プロデューサー補:石井朋彦
制作業務担当:野中晋輔
制作業務デスク:川端俊之、渡辺宏行
渉外:荒井章吉
キャラクター商品開発:今井知己、浅野宏一 井筒理枝子
出版: 田居因、筒井亮子、渋谷美音、高畑菜穂
管理担当:島宮美幸
経理:一村晃夫、伊藤久代、山本珠実
総務:石迫太成、洞口朋紀、熱田尚美、藤津英子、駒形正吾、沼沢スエ子、渡辺ミツ
協力 自動車取材:アウディジャパン、アルパイン
協力 油屋取材:草津温泉、ホテルヴィレッジ、清重館、阿多良窯
協力 町取材:鹿児島県屋久町役場
協力 農場取材:澤井農場、屋久町養豚家の皆さん
協力 入浴剤取材:山口雲母工業所
海外プロモート担当:スティーブン・アルパート、森吉治予、武田美樹子、網崎直
予告篇制作 :ル・エンタープライズ 板垣恵一
現像 会社:IMAGICA
現像 タイミング:平林弘明
現像 フィルム・レコーディング:豊谷慎吾、柴田祐男、本間政弘
現像 カラー・マネージメント:石井亜土、遠藤浩平
現像 ラボ・コーディネート:西尾洋史朗
現像 ラボ・マネジメント:川又武久
DOLBY フィルムコンサルタント:森幹生、河東努、コンチネンタル ファーイースト
DOLBY 光学録音:上田太士
DOLBY デジタル光学録音:西尾昇
DTS マスタリング:津司紀子、相川敦
アニメーション制作:スタジオジブリ
プロデューサー:鈴木敏夫
原作・脚本・監督:宮崎駿
上映時間:125分
配給:東宝
公開:2001年7月20日
興行収入:316億8,000万円
製作委員会
総指揮:徳間康快(2000年9月20日まで)、氏家齊一郎(2000年9月21日より)
代表:松下武義(2001年1月18日より)、氏家齊一郎(2000年9月20日まで)、成田豊、星野康二、植村伴次郎、佐々木幹夫、山本哲也
代表委員:牧田謙吾、桂田光喜、俣木盾夫、相原宏徳、板橋徹
推進指揮:間部耕苹、萩原敏雄、林田洋、小島順彦
推進委員:岩渕徹、細川知正、植村徹、二宮清隆
広報:西岡純一、長澤美奈子
プロデューサー:菊川幸夫、中谷敏夫、渡辺哲也
実行委員:徳間書店(秋本一、三ツ木早苗、伊藤純子、室井實、斎藤信恵)、日本テレビ(佐藤孝吉、棚次隆、戸谷仁、伊藤和明、井上健、大塚恭司、嵓渕有子、小槌裕子)、電通(下條俊隆、気賀純夫、遠谷信幸、種村達也、曽我有信)、東北新社(中島信也、薬師寺衛、小坂恵一、小西啓介、池田大)、三菱商事・ディーライツ(橋本毅、安念彌行、西尾直彦、早川聡子・鈴木大三、新井紀乃)、ウォルト・ディズニー・インターナショナル・ジャパン
製作担当:奥田誠治、福山亮一
企画協力:アニメージュ編集部 松下俊也
宣伝 プロデューサー:市川南
宣伝 係:東宝(大垣敦生、菊地裕介)、メイジャー(脇坂守一、岡村尚人、土屋勝、小柳道代、福田のぞみ、菅野泰史、中西藍、原美恵子、細川裕以、折原裕之)
宣伝 特別顧問:徳山雅也、矢部勝
キャッチコピー:糸井重里
特別協賛:日本生命
CM:ローソン(山﨑文雄)
特別協力:読売新聞
配給:東宝
(以上、特に注記のないものはロマンアルバム 2001, pp. 102–103より抜粋)
★『千と千尋の神隠し』は、現在視聴できる配信先はありません。TSUTAYA DISCUSのレンタル宅配サービスであれば、視聴できると思います。詳細はTSUTAYA DISCASで。
【千と千尋の神隠し・主題歌】
「いつも何度でも/いのちの名前」(いつもなんどでも / いのちのなまえ)は、木村弓の1作目のシングル。2001年7月18日に徳間ジャパンコミュニケーションズから発売されました。
👆いつも何度でも/木村 弓
👆いつも何度でも /作詞:覚和歌子、作曲:木村弓
スタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』の主題歌。元はお蔵入りになった映画『煙突描きのリン』のために制作されました。歌詞の最初の2行までは木村さん自身が考えましたが、後がうまく思いつかなかったので、友人の覚和歌子さんに作詞を依頼したとのこと。
👆いのちの名前 (木村弓) arranged 2021ver./ダズビー COVER
いのちの名前
『千と千尋の神隠し』のテーマソング。映画全体の音楽を担当した久石譲の作曲による。『千と千尋の神隠し サウンドトラック』にも収録されている楽曲「あの日の川」に、覚和歌子さんが歌詞を付けたものです。
♬いのちの名前
作詞:覚和歌子、作曲・編曲:久石譲
★ダズビーはミュージッククリエイターとして活動する20代の女性韓国人歌い手です。2011年からニコニコ動画でボカロ曲をカバーする「歌ってみた」動画の投稿を開始し、音楽活動を始めました。ボカロ曲やJ-POPを中心にカバーしており、日本人とも思えるような流暢な発音で日本語の楽曲を歌っているのが印象的。
【千と千尋の神隠し・受賞について】
2002年2月6日、第52回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品。同映画祭コンペ部門の長編アニメーション映画の出品は初めてとなります。2月17日、最優秀作品賞である金熊賞を受賞しました。ポール・グリーングラス監督『ブラディ・サンデー』と同時受賞。世界三大映画祭で長編アニメーションが最高賞を獲得するのは史上初。
2003年2月12日、第75回アカデミー賞長編アニメーション部門へのノミネートが決定。3月23日の授賞式で受賞が発表されました。2020年現在に至るまで、同部門を受賞した日本のアニメーションは本作のみです。また手描きのアニメーションとしても唯一の受賞作となります。授賞式には宮崎さんの代理で鈴木敏夫さんが出席する予定だったが、アメリカ合衆国が主体となり2003年3月20日から、イギリス、オーストラリアと、工兵部隊を派遣したポーランド等が加わる有志連合によって、イラク武装解除問題の大量破壊兵器保持における進展義務違反を理由とする『イラクの自由作戦』の名の下に、3月20日に米軍を中心とする有志連合がイラク進攻を開始し、事態が緊迫化したため、断念しています。宮崎さんの受賞コメントは次のようなものになっている。
「いま世界は大変不幸な事態を迎えているので、受賞を素直に喜べないのが悲しいです。しかし、アメリカで『千と千尋』を公開するために努力してくれた友人たち、そして作品を評価してくれた人々に心から感謝します。」(原文のまま)
— 宮崎駿、
参考文献資料等
DVD:『千と千尋の神隠し』販売会社/発売会社:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
徳間アニメ絵本 :『千と千尋の神隠し―Spirited away』徳間書店。ISBN 4-19-861406-7。
ロマンアルバム編集部 :『千と千尋の神隠し―Spirited away』徳間書店。ISBN 4-19-720169-9。
奥田千晶「プロデューサー奥田誠治が語る「もうひとつのジブリ史」(第18回) 千と千尋の神隠し : その後の千晶の物語」『熱風』第14巻第5号、スタジオジブリ、2016年5月、 48-58頁、 NAID 40020846793。
奥田誠治「プロデューサー奥田誠治が語る「もうひとつのジブリ史」(第19回) あらためて「千と千尋の神隠し」のはなし」『熱風』第14巻第6号、スタジオジブリ、2016年6月、 68-77頁、 NAID 40020877923。
【千と千尋の神隠し・考察、考察】
本作は、21年前とはいえ、世界に日本のアニメーション作品の魅力を浸透させた作品の代表作としてあげられることは、多くのご覧になられた方が、ご周知のことと思います。この作品に対する感想を個人的な意見も入るとは思いますが、率直なところで記したいと思います。
この作品の第一の魅力は、まず、『画力』があげられると思います。その画力を引き出すための演出も特筆すべきものだと感じます。これは宮崎駿さんの作品には、『絵で設定を語る』という傾向があると思いますが、本作では特に顕著にそれがでていると思います。
それは、劇中の冒頭部分から表現されています。千尋が両親と引っ越しのため、迷い込んでトンネルを抜け、異世界な街に迷い込むシーン。父親の母親にどこか遠慮しているような目線や態度、母親の千尋に対するどこか素っ気ない素振りなど。観ている方の想像力を掻き立てられるような徹底した繊細な作画です。
そしてその精密な画力に加え、異世界が昼から夜の顔の異世界へと変貌するという演出。ファンタジーアニメ作品とはいえ、観ている私達の想像力を掻き立てられる描写がテンポよく進んでいきます。
そして、ラストは大団円の盛り上がり後に、ハクとの別れがあり、千尋の名前を取り戻して元の世界に戻っていきます。
でもちょっと変わったのは、千尋が異世界の街を忘れても新たな経験をした千尋は、また一歩成長したのです。
こんな経験ありませんか?
初めてあった人なのに、段々お互い、顔がほころんで、お互い話が盛り上がって、「じゃあ、またね~」
「あれ、さっきの人、名前なんていったけ?」
「まあ、いいや。また、必ず会えるよ♪きっと。そんな気がする」
何故か、うれしくなって顔も心も晴々・・・。『千と千尋の神隠し』には、心も顔も優しくなれるやさしき感性の香りが漂う作品だと思っています。
妻が『千と千尋の神隠し』、「これ、また観たくなるねとポツリ(^_^;)」
過去作ですが、本作がお近くで再上映の情報があった際は、劇場でご覧になられたことのない方は、是非、劇場に観に行かれてください。ビデオなどでは伝えきれないものを感じることができると思います。
