🎦本日ののぶさんの思い出映画録は、『ローマの休日』です。私の大好きな女優の一人、オードリー・ヘプバーン主演の3作品を3回に分けて紹介します。また、オードリー・ヘプバーンの人生の中での名言も併せて紹介します。彼女の名言は歳を振るにつれ、心に響く言葉も多いです。
【ローマの休日・作品の概要】
『ローマの休日』(ローマのきゅうじつ、原題:Roman Holiday)は、1953年に公開されたアメリカ合衆国の映画です。主演はグレゴリー・ペックとオードリー・ヘプバーン。ウィリアム・ワイラーが製作・監督しています。
イタリアのローマを表敬訪問した某国の王女アンが、滞在先から飛び出し、市内で出会った新聞記者ジョーとの1日の恋を描いています。トレヴィの泉や真実の口などローマの有名な観光スポットが登場します。
新聞記者ジョーをグレゴリー・ペック、アン王女をオードリー・ヘプバーンが演じています。当時新人だったヘプバーンは、本作により1953年のアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞します。このほかイーディス・ヘッドが「最優秀衣裳デザイン賞」を、イアン・マクレラン・ハンターが「最優秀原案賞」をそれぞれ受賞しています。
【ローマの休日・ストーリー】
古い歴史と伝統を持つヨーロッパのとある国の王位継承者であるアン王女は、ヨーロッパ各国を表敬訪問中でした。最後の滞在国であるイタリアのローマで、忙しさと、疲労感と自由のない生活への不満により、ついに王女はヒステリーを起こしてしまいます。
その夜、密かに城を抜けだした王女は、直前に打たれていた鎮静剤のせいで、ベンチでつい眠りかかってしまいます。そこにアメリカ人新聞記者のジョー・ブラッドレーが通りかかります。見かねて介抱するうち、いつの間にか王女はジョーのアパートまでついて来てしまうのでした。眠い王女は、詩を朗読して寝てしまう。
翌日の昼になって、王女の素性に気づいたジョーは、王女の秘密のローマ体験という大スクープをものにしようとします。職業を偽り、友人のカメラマンであるアーヴィングの助けを得て、どうにか王女を連れ歩きだします。
王女は、市場での散策をしたり、まず買い物をしたり、美容院で髪の毛もカットし、スペイン広場でジェラートを食べる。その後ジョーとベスパに2人乗りしてローマ市内を廻り、真実の口を訪れ、サンタンジェロ城前のテヴェレ川でのダンスパーティーにも参加します。その様子をアーヴィングが次々とスクープ写真を撮っていくうち、ローマで、自由を満喫するアン王女と新聞記者のジョーの気持ちは、次第に近づいていくのでした・・・
【ローマの休日・主な登場人物:キャスト】
ジョー・ブラッドレー:グレゴリー・ペック
アメリカン・ニュース社のローマ支局に勤めるアメリカ人新聞記者。アンと行動を共にするうち次第に真剣な気持ちを抱くようになる。
アン王女:オードリー・ヘプバーン
好奇心旺盛で、外の世界に強い興味を持っている。自身の身分を隠し、ジョーには「アーニャ・スミス」と名乗る。
アーヴィング・ラドビッチ:エディ・アルバート
C・Rフォトサービス所属のカメラマン。ジョーの親友で、王女の特ダネの写真を撮ることに協力。
大使:ハーコート・ウィリアムズ
王室の人間。職務には厳しい。
ヴィアルバーグ伯爵夫人:マーガレット・ローリングス(英語版)
アンの世話係。アンのスケジュール管理もおこなう。
マリオ・デラーニ:パオロ・カルリーニ(英語版)
アンの髪をカットした美容師。ロングヘアだったアンが大胆なショートヘアを注文したため最初は戸惑うが、その腕前でアンの満足するカットを行う。カット後にはアンをテヴェレ川の船上で開催されるダンスパーティーに誘った。
プロブノ将軍:トゥリオ・カルミナティ
ヘネシー:ハートリー・パワー
アメリカン・ニュース社の支局長で、ジョーの上司。ジョーが「王女の特ダネスクープを手に入れる」と言った際に、それが出来るか否かで賭けを提案。
タクシー運転手:アルフレッド・リゾ
ボナコーベン:ハインツ・ハインリヒ
医者。アンの主治医。
ジョバンニ:クラウディオ・エルメッリ
ジョーの住むアパートの管理人。部屋代を2カ月滞納していたので、ジョーに金を貸して欲しいと頼まれた時は断る。
【ローマの休日・感想】
オードリー・ヘプバーンという女優。スクリーンをとおしてみる彼女の姿は、何か一言で表現するなれば、とにかくキュートというしかありません。『スクリーンの妖精』『永遠の妖精』など妖精にたとえて賛美するファンがほとんどです。
彼女の本作への起用に関しては、こんなエピソードが残されています。
最初にヒロインの王女役候補に最初に挙がっていたのは、名女優のエリザベス・テイラーでした。監督がウィリアム・ワイラーに変わり、ジーン・シモンズの名前も挙がりました。しかし彼女と専属契約をしているハワード・ヒューズが貸し出しを拒否したことで実現しなかったのです。
しかし予算の問題で、大スターを2人使うことができなくなってきました。インタビューでワイラーは「主役にグレゴリー・ペックを使えると決まって急に具体化しました。相手の王女役に大スターを使う必要がなくなったからです。そこで私は無名であっても王女の役にふさわしい娘さんを捜しにかかりました。」と答えている。
パラマウントの各海外拠点が何人か王女役をあがっていたのですが、最終的には1951年7月にはパラマウント社ロンドン支社のリチャード・ミーランド製作部長が、「『ローマの休日』の新しい候補、オードリー・ヘプバーンを発見した。『素晴らしき遺産』で彼女が演じた小さな役に感動を受けた。」と、ニューヨークの事務所にヘプバーンを推薦しています。ロンドンに立ち寄ったワイラーはヘプバーンに会い「何か独特の個性を持っているという強い感銘を受け、早速カメラ・テストをすることにしました」と答えています。これもこの作品と彼女の不思議な出会いも一つの縁なのでしょう。
本作は、1954年に日本でも公開され、地方の都市でも公開され、観客動員数でも1位で、最終的には1954年公開の洋画での配給収入第1位になっています。当時私は、まだ生まれてもいませんでしたが、幼い頃にTVで本作を視聴し、大学時代になって、当時福岡市天神に「センターシネマ」という格安で古い映画でもよく公開されていた映画館があり、大スクリーンでの鑑賞をすることができたことを嬉しく思いました。(この映画館にはよく通いました~^^;)
1970年代、福岡市中央区天神にあった『センターシネマ』。隣がスケートリンクになっていました(ネットより引用しています)
『ローマの休日』が、今なお私たちを魅了し続ける理由。それは、キュートで気高く無邪気なオードリーの多彩な顔と作品性が絶妙にマッチした奇跡の作品だからだと思います。豊かなストーリーとイメージに溢れた映画は、世代を超えて、一度は大きなスクリーンと迫力満点の音響がある劇場でじっくりと堪能したいもの。
今の時代においては本作をスクリーンで観賞するというのは、稀有なことだとは感じますが、何か機会があらば、是非、彼女の魅力を感じていただきたいと思います。
『機会』という言葉で、一つ彼女の名言があります。
「チャンスなんて、そうたびたびめぐってくるものではないわ。
だから、いざめぐってきたら、とにかく自分のものにすることよ。」
- オードリー・ヘップバーン -
👉『ローマの休日』(1953年アメリカ映画、118分)
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