🔶先日、新幹線車両内テロップで、今年10月14日でわが国で鉄道開業150周年を迎えることを知りました。今回アニメの徒然小道では、鉄道という言葉から連想するならば、まず思い浮かぶのが『銀河鉄道999』ですね。ということで、今回は『銀河鉄道999』の懐かしの作品の中からTVスペシャル版の中から『銀河鉄道999・君は戦士のように生きられるか!!』を紹介します。
【銀河鉄道999 君は戦士のように生きられるか!!・概要」
本作は、43年前の1979年10月11日放送された、銀河鉄道999テレビアニメシリーズのスペシャル番組として放送されました。テレビシリーズ第12話・13話「化石の戦士」をベースに再構成されていますが、他に第1話・第5話・第17話が回想シーンも登場しています。
本作では見どころの一つとしてオープニングが、1979年から山口線で運行されている「SLやまぐち号」こと「C57 1」の実写が最初に映し出されています。C57 1正面の999号のヘッドマークと、デフレクター(除煙板)と炭水車側面にアニメと同様のロゴが合成で書き込まれているほかに、冒頭では「このフィルムは小郡~津和野間で撮影したものです」というテロップがでてきます。当時、この話題はTVでもニュースとして放送されていたことは、私自身記憶しております。
また本作TVスペシャル版テーマ曲には、ゴダイゴによる映画版主題歌が使用されていました。
スペシャル版のオープニングは、同車両がトンネルに入って、レギュラーのオープニング映像につながるというものになっています。
撮影は、C571が復活し、話題となった1979年の9月8~9日にかけて行われました。出発は津和野駅から、走行時は仁保駅から新山口へ向かうところ、長門峡駅鉄橋走行、徳佐 - 船平山間、地福 - 鍋倉間、徳佐を出て船平山から白井トンネル、鷲原トンネル等、計6箇所のトンネルを潜る箇所が撮影されていました。
【銀河鉄道999 君は戦士のように生きられるか!!・ストーリー】
機械の体をもらうために、999号で宇宙を旅する星野鉄郎とメーテル。その旅の途中で何者かが、銀河鉄道路線妨害によって、999号は停車予定のない「化石の星」に停車します。その星に降り立った鉄郎は、美しい女性の化石を発見。その直後、何者かに襲われ999号のパスを奪われてしまいます。
鉄郎を襲った男は化石の戦士ユリウスといい、化石となってしまった女性リージャの夫であった。彼はリージャと999号でハネムーンに向かう直前に、戦士としての誇りを優先させて、母星に迫る化石化ガス雲の調査に向かったのだった…
【銀河鉄道999 君は戦士のように生きられるか!!・主な登場人物:キャスト】
星野鉄郎:野沢雅子
メーテル:池田昌子
車掌:肝付兼太
エメラルダス:田島令子
参謀:矢田耕司
化石の戦士(ユリウス):市川 治
リージャ:上田みゆき
ナレーター:高木 均
【銀河鉄道999 君は戦士のように生きられるか!!:製作スタッフ】
企画:横山賢二、小湊洋市
音楽:青木 望
チーフディレクター:西沢信孝
製作担当:佐伯雅久
脚本:山浦弘靖
原画:兼森義則、内山まさゆき、稲野義信、布 告文、及川博史、川越 淳、金沢勝真
背景:飯島久美子、工藤和美、千々波美恵子、日渡ひろみ、佐々木真夫、海老沢一男、下茂恵美子
動画:高梨光雄、児玉ともじ、益子啓道、石津和子、内山幸子、山本美奈子、岸本良子、野津 真、保谷由佳、西島義隆、吉田健二、村上 勉、武荒 恵、木下デメ、奥脇雅晴、沢内智賀子、山田 徹、伊藤史郎、松本美代子、芹田明雄、佐藤啓一、小坂ちえみ、松村啓子、伊藤公子、鈴木やよい、米山幸子、上野茂々子、富岡 弘、小曽根孝夫、福田 忠、加藤良子、青井清年、南 友子、佐藤恭子、清野弘美、野島啓子、斉木美恵子、今井正彦、井上弘子、高橋朝雄、高梨実紀子、松原京子、斉藤 弘、浅沼由紀、中村志保、高田智子、清原則子、真栄城京子、野島千恵、野島万里
仕上: 安永陽子、篠原和子、宮沢妙子、遠藤恵子、小田一郎、中原成江、小森ミツ、深山小雪、高島和子、関根淑子、貞安里美、広川多恵、井乃川洋子、遠藤祐子、高橋慶子、高橋唯貴雄、加藤順子
仕上進行:松原明徳
特殊効果:岡田良明 佐藤章二 浜 桂太郎
編集:千蔵 豊(タバック)
録音:池上信照(タバック)
選曲:宮下 滋
効果:松田昭彦
撮影:白井久男 森下成一 藤田 丞 原 真悟
製作進行:伊東政雄 益子啓道
記録:池田紀代子
現像:東映化学
チーフデザイナー:浦田又治
美術:勝又 激、金子英俊
総作画監修:湖川 滋
作画監督:落合正宗 湖川友謙
演出:明比正行 井内秀治
(U-NEXTで視聴可能です。93分:31日間無料トライアル)
【銀河鉄道999 (君は戦士のように生きられるか!!):感想】
宇宙空間を見かけは古いSLが走る神秘性と、各停車駅である個性豊かな惑星や宇宙空間の描写、空間軌道などの精密なSF設定が混じった松本ワールドの叙情的な雰囲気をもつ特有のロマンにあふれています。 松本作品ならではの繊細な作画と客観的な視点で表現している名作アニメの一つです。『銀河鉄道999』は私の懐かしくも好きな作品であります。
『銀河鉄道999』というシリーズ作品が、名作として扱われるのには、当時ヒットした『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』とは違う点から評価されていることです。映画配給会社が、アニメ作品だからという従来からの低評価を覆したことによるものです。再放送などで人気を上げてきた、『ヤマト』や『ガンダム』と違い、松本零士原作の長期に渡ったシリーズをまとめ上げ、従来ならば90分公開扱いくらいの低評価しかなかったアニメ映画が、2時間以上の時間を超す大作で、当時の興行収入をあっさり塗り替え、映画配給業界を驚嘆させたことにあります。現代の『鬼滅の刃』のヒットとは違い、このことが、名作扱いされる理由だと個人的には感じています。
劇場版では、かなり鉄郎も大人扱いされた設定でしたが、本作の鉄郎は、幼さも原作のままで幼さは残ります。正義感の強い鉄郎の事なので、何とかしようという意思も強く、何といっても本作に登場する「化石の星」は、鉄郎の背中に大きな傷をつけられたインパクトのある星なので、他のスペシャル版『君は母のように愛せるか!!』『永遠の旅人エメラルダス』より本作をとりあげてみました。
『銀河鉄道999』TVシリーズでは、人間の良さも悪さも表現描写されていて、突っ込みどこはあるものの、叙情的な雰囲気がそれをカバーしている作品です。
『銀河鉄道999』シリーズにあまり触れられたことがない方は、鉄道150周年記念という一つの機会に観賞してみるのもおすすめです。U-NEXTでは、TVシリーズ、劇場版シリーズも視聴可能です。
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