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仕事でバイクに跨る爺の日記。懐かしい映画、アニメなどの感想記事中心に記しています。

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エリザベス・テーラーの『クレオパトラ』

🎦今日の映画録は、エリザベス・テーラー演じる1963年公開された『クレオパトラ』です。

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【クレオパトラ・大まかな概要】

本作は、ハリウッドスタジオの黄金期が終わり、1950年代から60年代にかけ、観客を劇場に呼び戻すために作られた大作映画の一本と言われています。本作により20世紀フォックスは破滅の危機に陥ってしまったともいわれています。製作を指揮したウォルター・ウェンジャー氏は『ジャンヌ・ダーク』の失敗に加え、プライベートで家庭での発砲事件などから悲劇のプロデューサーとして再起を図るべく、学生時代からのライフワークとして構想を温めていたクレオパトラの映画製作を企画します。当時ハリウッドきっての知性派といわれたジョーゼフ・L・マンキーウィッツが監督と脚本を兼任しています。製作開始は1960年で、撮影ははじめロンドンから、後にローマ近郊のチネチッタで撮影されました。

製作にあたっては、100万ドルという破格の報酬で契約した主役のエリザベス・テイラーが度重なる病、初期のロケ地選択の失敗によるセットの造り直しで撮影も遅れに遅れ、さらに追い打ちをかけるように当初監督だったルーベン・マムーリアンをはじめとして、重要な配役が変更になる(当初シーザー役はピーター・フィンチ、アントニー役はスティーヴン・ボイドで撮影開始)という不手際に見舞われ、その度にシーンの撮り直しを強いられてしまいました。また共演のテイラーとリチャード・バートンの不倫が取りざたされ、大スキャンダルとなっています。

最終的には製作費は4400万ドル(現貨換算で3億ドル以上)という空前の巨額にまで膨れ上がり、製作会社の20世紀フォックスの経営を危機的状況にまで追い込んでしまいました。経営危機に際して、一旦は会社から追い出したダリル・F・ザナックを呼びもどしたり、『シーザーとクレオパトラ』と『アントニーとクレオパトラ』の前編後編2本立てで計6時間という当初構想も、作品としては長過ぎて興行の妨げになること、また当時一大スキャンダルとなっていたテイラーとバートンの登場する『アントニーとクレオパトラ』の部分が後出しになることは時機を逸しているとし、マンキーウィッツ氏に映画を1本にまとめるよう指示します。なんとか映画は1本立ての5時間20分となったが、それでもザナック氏は納得できず、さらに大々的なカットを加えます。結局、ウェンジャー氏はクレオパトラの制作に手をつけることができなかったのです。

とはいえ、映画は製作開始から4年を経た1963年6月になんとかプレミア上映にこぎつけました。この際の上映時間は4時間5分だったが、一般公開版は、さらに3時間14分に短縮したのです。そのため場面の繋がりが不明瞭な箇所や重要人物の死を描いた箇所が丸ごと欠落するなどといった、編集上の問題にも見舞われることになりました。

『クレオパトラ』は同年の北米興行収益でトップを記録する5780万ドルを、世界では1億1980万ドルを叩きだし、1963年の世界興行収入では1位になれたものの、20世紀フォックスの取り分は、製作費4400万ドルの半分強2600万ドルに過ぎず、ビバリーヒルズに構えていた広大な撮影所を売却するなど事業的には社運を傾けるほどの大失敗作となりました

マスコミや映画批評家らにはゴシップ先行の作品とそっぽを向かれる結果となり「映画史上空前の失敗作」などと皮肉られさえもしました。20世紀フォックス自体は、2年後に公開された『サウンド・オブ・ミュージック』が当初の予想を遥かに上回る歴史的大ヒットとなったため奇跡的にこの財務危機を乗り切っています。

ビデオの普及し、クラシック作品に再度価値が見出された現在では、プレミア上映時の4時間5分のフィルムが発掘されており、DVDなどで鑑賞することができます。また当初の前後編2本立て6時間の構想の実現のため、失われた素材の捜索なども試みられているようです。製作公開時に悪評が定着したこともあって、今もって評価の分かれる作品と思います。

しかし豪奢な衣装やセット銀幕を代表するスターに二十数万人のエキストラ格調高い音楽や台詞回しなど、多大な予算をかけた作品としてはハリウッドの黄金時代をしのぶにふさわしい超大作であることは間違いありません

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【クレオパトラ・あらすじ】

紀元前48年、ローマの権勢の前に長く続いたエジプト王朝は衰退の一途をたどり、滅びの一歩手前にありました。王朝の内乱もあり、まだ幼いプトレマイオス14世をファラオに擁立した近臣たちは、ファラオの姉であるクレオパトラを王宮から追放してしまいます。その頃、ローマ帝国の執政シーザーは、政敵ポンペイウスを追ってエジプトのアレクサンドリアに入り、クレオパトラに出会い、彼女の知性と美貌の虜になってしまうのです。シーザーはクレオパトラに協力し、激しい戦の末に勝利を得る。

そしてシーザーの後ろ盾を得たクレオパトラは、エジプトの女王に即位します。ローマへと戻ったシーザーは次第に強大な権力を高めていったが、独裁者のようになっていくシーザーへの反発は大きかった。やがてクレオパトラもシーザーを追ってローマへ渡り、二人はつかの間の愛と喜びをわかちあう。だが、ブルータスらの手にかかったシーザーは暗殺され、クレオパトラは慌ててローマを逃れてエジプトに逃げ帰るのでした。そして数年が過ぎ、ブルータスを討ったローマの軍人アントニーは、エジプトに活路と助けを求めてクレオパトラと接触します。二人はたちまちのうちに激しい恋に落ちるが、アントニーは政略結婚のためにローマに戻らなければならなかった。クレオパトラへの思いをを捨てることができなかったアントニーは、とうとうローマも妻も捨てることを決意するのだが、そんな身勝手をローマ元老院が許すはずがない・・・

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【クレオパトラ:キャスト】

クレオパトラ:エリザベス・テイラー 

マーク・アントニー:リチャード・バートン 

ジュリアス・シーザー:レックス・ハリソン 

ルフィオ:マーティン・ランドー 

オクタヴィアン: ロディ・マクドウォール 

ブルータス:ケネス・ヘイグ

巫女:パメラ・ブラウン

クレオパトラの侍女:フランチェスカ・アニス

ソシゲネス:ヒューム・クローニン 

フラウィウス:ジョージ・コール

アポロドーロス:チェザーレ・ダノーヴァ

アグリッパ:アンドリュー・キア

ラモス:マーティン・ベンソン

ポティナス:グレゴワール・アスラン

ゲルマニクス:ロバート・ステファンズ

シセロ:マイケル・ホーダーン 

カシウス:ジョン・ホイト 

プトレマイオス13世:リチャード・オサリヴァン

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【クレオパトラ・製作スタッフ】

監督:ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ

脚本:ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ、シドニー・バックマン(英語版)、ラナルド・マクドゥガル(英語版)

製作:ウォルター・ウェンジャー

出演者:エリザベス・テイラー、レックス・ハリソン、リチャード・バートン

音楽:アレックス・ノース

撮影:レオン・シャムロイ

編集:ドロシー・スペンサー(英語版)

製作会社:20世紀フォックス

配給:20世紀フォックス

公開:アメリカ 1963年6月12日、日本 1963年11月26日

上映時間:244分、192分(劇場公開版)

製作国:アメリカ合衆国

言語:英語

製作費:$44,000,000(当時の現貨換算で3億ドル以上)

興行収入:アメリカ、カナダ $57,777,778、(全世界)$119,800,000

配給収入 :6億829万円

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(出典)

  •  “Cleopatra” (英語). Box Office Mojo. 2022年10月23日閲覧
  • 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)211頁。
  • “Cleopatra (1963)” (英語). Rotten Tomatoes. 2022年10月23日閲覧。

【クレオパトラ・感想、考察】

本作に関しては、本作概要で記しましたように何かと評価の悪い作品なのですが、大スター・リズ(エリザベス・テイラーの通称)に二十数万人のエキストラ、格調高い音楽、ハリウッドの黄金時代をしのぶにふさわしい超大作であるということに関しては文句の付け所のない作品ということで紹介させていただきました。

エピソードとして、クレオパトラ役には当時、リズとオードリーヘップバーンの名が上がっていましたが、クレオパトラ役であれば、やはり女性の権威という力の表現にはリズが適役だったと思います。

本作はまず古代エジプト史に関心の高いかたにとっては、興味深い作品ととなるでしょう。そしてイギリス出身の大女優エリザベス・テーラーに興味のあるかたにとっても必見の作品といえます。私は、テレビ放送と再上映で本作を観たのですが、ハリウッドの大女優といわれるだけのことはあって、その美しさには魅了されます。世界的にもっとも有名な女優の一人であり、優れた演技力、美貌、豪奢な私生活、そして珍しいスミレ色の瞳知られていた大女優です。

テイラーの私生活は、8度の結婚と生命に関わる闘病生活で知られています。また、1980年代半ばからエイズ撲滅運動を支持し、1985年に米国エイズ研究財団 (en:amfAR, The Foundation for AIDS Research) の創設メンバーの一人となり、1993年にはエリザベス・テイラー・エイズ基金を創設しエイズ撲滅運動に貢献しています。

また大統領メダル (en:Presidential Citizens Medal)、レジオンドヌール勲章、ジーン・ハーショルト友愛賞、AFI生涯功労賞 (en:AFI Life Achievement Award) を受賞し、AFIが選定した映画スターベスト100の女優部門では第7位にランクされています。エリザベス・テイラーは、長い闘病生活の末、11年前の2011年3月に鬱血性心不全のために79歳で死去しています。

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