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アラブ独立闘争『アラビアのロレンス』

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🎦今日ののぶちゃん映画録は『アラビアのロレンス』(Lawrence of Arabia)の紹介、感想記事です。本作は1962年に公開されたイギリス映画です。デヴィッド・リーン監督、ピーター・オトゥールが主演しています。
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【アラビアのロレンス・作品の概要】
本作は、実在したイギリス陸軍将校のトマス・エドワード・ロレンス氏が率いた、オスマン帝国からのアラブ独立闘争(アラブ反乱)を描いた歴史映画であり、戦争映画でもあります。日本での公開は1963年2月です。
上映時間は207分。いきなり主人公の交通事故死で始まり、彼が失意の内にアラビアを離れる余りに悲痛なラストまでが描かれています。作中で、ロレンスがマッチの火を吹き消した後に砂漠に太陽が昇る場面、地平線の彼方の蜃気楼が次第に黒い人影となるまでの3分間、敵の要塞を陥落したロレンスが、ラクダに乗って夕日が照らす海岸を歩く場面、そして延々と続く広大な白い砂漠と地平線を背景にロレンスが跨ったラクダが駆ける場面等が名シーンとされています。このシーンはスクリーンで観ると、言葉にできないほどの感動があります。

冒頭(序曲)と休憩とエンディング(終曲)の黒画面に音楽が流れる演出は、当時の大作映画ではよく見られた演出です。
オリジナル版制作から時間を経て1988年に、再編集を行って完全版が制作されました。完全版の上映時間は227分。再編集はリーン監督自らが行い、音声素材が残っていなかった未公開シーンにおいては、オトゥールを初めとするオリジナルキャストが四半世紀ぶりに再結集して追加収録を行われました。並行しながら楽曲の再編成がなされ、デジタルマスタリングしたものがCDで発売されました。だが、劇場公開時のサウンドトラック盤は経年劣化が激しく、スコアを元に再録音されたCDが何枚かが、発売されているようです。

第35回アカデミー賞(1963年)作品賞、監督賞、助演男優賞 受賞

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【アラビアのロレンス・ストーリー】
1935年5月13日、オートバイで走行中の男が自転車を避けようとして道路を外れ転倒し死亡。教会で行われたその男の葬式には多くの人が参列、像までが建てられることになる。新聞記者が故人について参列者に尋ねると、「素晴らしい業績をあげたがよく知らない」、「素晴らしい男だが、自己顕示欲にまみれた男」、「彼ほど偉大な人物は居ない」と様々。

1916年10月、イギリス陸軍エジプト基地勤務の地図作成課少尉のロレンスは、変わった男として知られていた。アラビア語やアラブ文化に詳しいことから、オスマン帝国からの独立闘争を指揮するマッカのシャリーフであるスンナ派のハーシム家のファイサルと会見してイギリスへの協力を取り付ける工作任務を受けることになるのです。ロレンスはマッチを指で消すのがささやかな特技だったが、炎を息で吹き消すと、場面は灼熱のアラビアの砂漠へと変わる。
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ラクダも次第に、乗りこなせるようになり、案内役のベドウィンが井戸から水を汲んでロレンスに飲ませた。蜃気楼の中から現われたアリと名乗る井戸を所有するハリト族が現れ、無断で他部族の井戸水を盗んだとして案内人を銃で殺害します。アリはロレンスには罪はなく、砂漠を旅するのは大変だろうと案内人を買って出るが、ロレンスはきっぱりと断って一人で出発する。

ロレンスが、ヤンブーにあるアラブ人の基地に到着した時、基地はオスマン帝国軍の襲撃を受けており、ファイサルが懸命に指揮するもののアラブ人は全く反撃できませんでした。ファイサルと面会したロレンスは、独立闘争への協力を約束する。ロレンスはヤンブー・マディーナとタブークの中間にある町アル・ワジュからアラブ人の勇者50人を率いてネフド砂漠を渡り、オスマン帝国軍が占拠する港湾都市アカバを内陸から攻撃する電撃作戦を立てた。アカバの砲台はアカバ湾(紅海)に向いており、内陸からの攻撃には無防備だった。
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延々と続く砂漠を夜間行軍中、ガシムという男が列にいないことにロレンスは気づく。「戻って助けに行く」と主張するロレンスに、「無茶だ」「死にに行くのか」とアリは抗議する。しかしロレンスは、ガシムを救うために一人で今来た道を戻るのだった。ロレンスはラクダにガシムを乗せて戻ってきた。アリをはじめアラブ人達はロレンスを讃え、白く美しいアラブ伝統の衣装を身に着けさせ、ロレンス1人だけのアラブ部族として認めたのです。アカバ近くでアウダ・アブ・タイが率いるハウェイタット族と遭遇した。アウダはそれまでオスマン帝国軍に協力していたが、アラブ独立のためにロレンスと共にオスマン帝国軍と戦うことにする。しかし悲劇が起こる。ロレンス側の兵士がアウダ側の兵士を殺してしまった。殺したのはガシムだった。軍の統制と団結を保つため、ロレンスは苦渋の思いでガシムを拳銃で処刑します。

1917年7月6日にアラブ軍はアカバを奇襲し、オスマン帝国軍の大砲が全て海側に向いていたアカバはあっけなく陥落。ロレンスはシナイ砂漠を横断してスエズ運河に辿り着き、イギリス陸軍司令部に急行します。アカバ陥落と今後のヒジャーズ鉄道襲撃計画を司令部に報告し、スエズ運河などの攻撃に割くべきオスマン帝国軍の兵力が鉄道防衛に振り向けられて薄くなったら、イギリス軍が呼応してシリア・パレスチナまで反攻させるイギリス軍のための後方撹乱作戦のためである。ロレンス達がシナイ砂漠を横断中に、部下のアラブ人少年の一人ダウドが流砂に捕われて死んでしまう。司令部に到着し、ロレンスはもう一人の部下のアラブ人少年ファラージと共に建物の中に入った。汚れたアラブの衣装を身に付けたロレンスを見て、周囲の軍人は驚きを隠せなかった。そしてロレンスがアカバ陥落を告げると、その場の誰もが驚愕した。満身創痍のロレンスは、司令部内のカフェでレモネードを2つ注文した。「アラブ人は外に出せ」という文句を無視して、ファラージにもレモネードを御馳走したのだ。このロレンスの行動が、アラブ反乱がイギリス軍のための単なる後方撹乱作戦という位置づけなどではなく、アラブ人にアラブを与える聖戦であるという大義の表明でもあったのです。
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ロレンスは少佐に昇進。イギリス陸軍からの兵器の補充を受けたアラブ軍は、オスマン帝国軍への更なる攻撃を開始。オスマン帝国のヒジャーズ鉄道の線路に爆弾を仕掛けて機関車を爆破して猛襲するという戦法を展開する。この戦法は大成功を収め、ロレンスの活躍は新聞にも載って広く報道されるのだった。しかし三回目の鉄道襲撃で爆弾を設置する時に、ファラージが懐に入れておいた信管を爆発させてしまった。止むを得ずロレンスは、ファラージを苦しませないためにその場で拳銃で殺害し、鉄道爆破計画を中止する。
次にロレンスは現地の人の服を身に着けて現地人に化け、ダルアーに偵察に行きます(ダルアー占領)。心配するアリに対し、「私は透明人間だ」と意気揚々だったが、オスマン帝国軍に見つかり連行された。ロレンスは服を脱がされ、ダルアーを支配するオスマン帝国軍のベイ将軍のかっこうの餌食となってしまう。

エルサレムでロレンスはアレンビー将軍に辞表を出ものの、イギリス陸軍はそれを受理しない。サイクス・ピコ協定を知らせた上で彼をアラビアに送り戻し、ダマスカス侵攻を指揮させる。ロレンスは、アラブ人にアラブを与えるという大義の為にイギリス陸軍正規部隊より一足早くダマスカスに到着するためとはいえ、彼の部隊に金の為に動く殺人犯も加え、より攻撃的な部隊を編成して進軍する。ダマスカスへの進軍の途中、ロレンスの部隊はタファス村を大量虐殺したばかりの退却中のオスマン帝国軍と遭遇し、逃走してきた村人に"No prisoners!(捕虜はいらぬ=皆殺しにせよ)"と復讐を懇願される。彼が単身でオスマン帝国軍に切り込み殺されたことをきっかけに、ロレンスの部隊は復讐の連鎖の深みにはまり、大量虐殺を行ってしまうことになってしまいます。

凄惨なメギドの戦いの後、ロレンスの部隊は、イギリス陸軍正規部隊より早くダマスカスをオスマン帝国軍から解放することに成功します(ダマスカス占領)。しかし、戦闘で精神的に荒廃したアラブ人の戦士達はアラブ国民会議でエゴをぶつけ合い始め、その結果、街に電力が不足し、火事は収まらず、病院までも放置してしまった。アラブ民族会議に失望したロレンスは「砂漠など二度と見たくない。神にかけてだ。」と言い、アラビアを去ることを決意します。ロレンスのことを「敬愛しつつ恐れたが、彼自身も、自分を恐れていた」と語るアリに「アラブに生まれたということは辛い思いをしろということだ」とアウダは言う。その言葉はロレンスの中にある外へのジハードと内へのジハードの葛藤、復讐と寛容との心の戦いを言い当てていたのです。病院の惨状により、イギリス軍の医療隊が病院にやってきてその中の一人の男が病院を見に来ていたロレンスをアラブ人と勘違いし、平手打ちにする。それはアリとアウダに代わってロレンスとアラブ民族会議を叱責するかのようだった。
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オスマン帝国軍から解放されたアラビアは、もはやロレンスを必要としていませんでした。フサイン=マクマホン協定を信じてイラク・シリア・アラビア半島を含む大アラブ王国(汎アラブ主義) を構想する老練な族長ファイサルにとって、白人のロレンスがアラブ反乱を指揮したことが足かせになっていたのです。また、サイクス・ピコ協定によりアラブをフランスとともに分割する方針を決めていたイギリス陸軍の将軍にとっても、大アラブ王国を支持し奔走するロレンスは政治的に邪魔な存在となっていたからである。ファイサルは「もうここには勇士は必要でなくなった。私達は協定を進めます。老人の仕事です。若者は戦う。戦いの長所は若者の長所、つまり勇気と未来への希望なのです。だが、老人は平和を作る。そして平和の短所は老人の短所、つまり不信と警戒心なのだ。そうに違いない。あなたに対する私の感謝の気持ちは計り知れない」と語りかけるが、去り行くロレンスにその言葉は虚しく響くばかりだった。

ロレンスはイギリス陸軍の英雄として大佐に昇進させられながらも、アラブ人としての大きな失意を胸に抱きながらアラビアから追放されるのだった。このとき、食堂でロレンスをイギリス陸軍の英雄として褒め称え握手を求めたのは、病院でアラブ人の不寛容に怒りロレンスを平手打ちにし、ロレンスの葬式の際に教会の入り口で記者に抗議する男だったのである。誰よりもアラビアを愛した男、ロレンスを乗せて走り去るロールス・ロイスを、オートバイが追い越していく・・・

【アラビアのロレンス:キャスト】

トーマス・エドワード・ロレンス:ピーター・オトゥール 
ファイサル王子:アレック・ギネス 
ハウェイタット族のアウダ・アブ・タイ: アンソニー・クイン 
ハリト族の“シャリーフ・アリ”:オマー・シャリフ 
アレンビー将軍:ジャック・ホーキンス 
ジャクソン・ベントリー新聞記者:アーサー・ケネディ 
ブライトン大佐アンソニー・クエイル 
ベイ将軍:ホセ・フェラー 
ドライデン顧問:クロード・レインズ 
アーチボルト・マーレイ将軍:ドナルド・ウォルフィット
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【アラビアのロレンス:製作スタッフ、公開データ】
監督:デヴィッド・リーン
原作:トマス・エドワード・ロレンス『智恵の七柱(英語版)』(完訳新版は平凡社東洋文庫 全5巻、2008-09年[6])
脚色:ロバート・ボルト、マイケル・ウィルソン(※赤狩りにより公開当時からクレジットされなかったが、名誉回復し完全版でクレジット追加された)
※赤狩り は、政府が国内の共産党員およびそのシンパ を、公職を代表とする職などから追放すること。第二次世界大戦後の冷戦を背景に、主にアメリカとその友好国である西側諸国で行われた。

音楽:作曲:モーリス・ジャール、編曲:ジェラルド・シュルマン(英語版)
撮影:フレディ・ヤング、スキーツ・ケリー、ニコラス・ローグ、ピーター・ニューブルック(英語版)
美術:ジョン・ボックス(英語版)
衣装:フィリス・ダルトン(英語版)
製作:サム・スピーゲル
配給:コロンビア ピクチャーズ
配給:コロムビア映画
公開:イギリス 1962年12月10日、アメリカ 1962年12月16日、日本 1963年2月14日(オリジナル版)、1995年2月(完全版)
上映時間:207分(オリジナル版)、227分(完全版)
製作国:イギリス
言語:英語、アラビア語
製作費:$15,000,000
興行収入:$70,000,000 アメリカ
配給収入:5億9527万円 日本

【アラビアのロレンス・感想等】
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本作は、私が完全版が上映公開された時に観たのですが、主演のピーター・オトゥールの青い瞳に魅かれて鑑賞したことを覚えています。このロレンスという複雑な役をよく演じきったというのが、印象です。というのも当時の世界情勢を理解するならば、武器のない部族を集めて攻撃したり、一人で砂漠を渡るとか凄いと感じました。
しかし、ロレンスという人は、最後まで英雄かといえばそうではなく、普通の人間だったということを話し、途中で人を殺めたり、所詮自分がアラブ人でないことを突きつけられて、打ちのめされるところも描かれていました。人間味に深みが増したというのか、さらに魅力的なキャラクターになっていたと思いました。
個人的に感じたことですが、本作には哲学的な部分もあり、今となっては、こうした作品はまずなかなか製作できないのではないかと思います。デビッドリーン監督の映像も大変綺麗だと思います。
主演のピーター・シェイマス・オトゥール氏(Peter Seamus O'Toole, 1932年8月2日~2013年12月14日)は、アイルランドの俳優です。シリアスで濃厚なドラマから軽妙なコメディまでこなす演技派として知られていました。その後も1987年のアカデミー作品賞受賞作品『ラストエンペラー』など数々の名作にも出演していましたが、2012年7月10日に俳優業からの引退を表明しています。



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のぶちゃん

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