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🔶お立ち寄りいただき、誠にありがとうございます。今日のアニメの徒然小道では、1974年テレビアニメシリーズ『アルプスの少女ハイジ』です。昭和の時代に児童文学を原作としたテレビアニメシリーズで「カルピスまんが劇場」の第6作です。今後においてもまず製作などもされる可能性が少ないジャンルの作品と考えています。2回に分け、今回は『アルプスの少女ハイジ』の考察、感想記事を記したいと思います。
【アルプスの少女ハイジ・感想、考察】
大学時代、アニ研でよく「この作品のクオリティーはどこからくるのか?」と何度もテーマに上がったことがあります。
本作は、作品の内容などに関しては、よく知られているところですが、何といっても多かった意見は、まず冒頭のオープニングアニメです。伊集加代子さんの透き通るような声とアルプスの山々の背景が、見事にマッチングしています。そして曲の始めに流れるホルンとハープの音色に続き、ヨーデルのコーラスに導かれて始まります。ハイジが大きなブランコで雄大なアルプスの山々を背景に漕いでいるシーンが出てきます。このOPシーンが、当時もそして今も世代を超え、観ているハートを捉えて離さない。アニメ史上の中でも、こんなに清々しく心が癒される曲は他に見当たらないと、大学当時、アニ研でも絶賛しました。👏
👇まずは、OPソングから
HD アルプスの少女ハイジ OP
そして、本作のクオリティーを作り出したのは、製作スタッフの情熱だと思います。「アルプスの少女ハイジ」はどんな世代の人も知っている、日本を代表するアニメです。現在でも、再放送されたりすることがあります。そんなズイヨー映像制作のアニメ「アルプスの少女ハイジ」全52回は、1975年スペインで放送されたのをはじめとして、ヨーロッパ、ラテンアメリカをはじめ世界中でも人気があり、再放送され続けています。
そしてその人気を創り出したのが、当時の本作の製作スタッフチームです。原作そのものは、スイスの作家ヨハンナ・スピリの同名小説です。プロデューサーの高橋茂人さんは子供の頃から愛読してたそうです。この原作には宗教的(キリスト教
)な要素の描写が多分にあるのですが(もちろん宗教的要素が良くないというわけではありません)それまでのアニメーションにはなかった、スイス、アルプスの大自然の風景とその中で息づく日常生活の中で懸命に生きる少女の姿をを丹念なアニメーションにより児童文学調に表現したかったのだと思います。
そのために、本作品を制作するに当たっては、高橋さんはスタッフに海外現地調査(ロケーション・ハンティング)をしています。当時、アニメ作品製作のために、ロケハンするというのはあまり前例がなかったことだと思います。調査には高畑勲、宮崎駿、小田部羊一さんら主要なスタッフが参加し、その成果を作品作りに生かしました。
日本のアニメとしては欧州各国や、アラブ諸国やアフリカ・アジアも含め、英語圏を除く世界中の国々でも放送されました。本作品以降、世界名作劇場では、制作前の海外現地調査が踏襲されることになりました。
【アルプスの少女ハイジ・自然と生きる子供と大人の織り成すストーリー】
1歳で両親を亡くし、5歳になるまで母方の叔母のデーテに育てられたハイジは、デーテの仕事の都合で、アルムの山小屋に住む、父方の実の祖父であるおじいさん(アルムおんじ)に預けられます。
ヤギ飼いの少年ペーター、彼のおばあさん、子ヤギのユキちゃん、おじいさんが飼っている犬のヨーゼフやヤギのシロ・クマ、樅の木を初めとした、大自然に生きる動植物達。厳しくも優しく、懐の深さを感じさせるアルプスの大自然。何より、共に暮らすおじいさんを通じ、ハイジは様々なことを学び、健やかに育っていきます。
だが、ハイジが8歳になったある春の日、デーテが再び山を訪れ、ハイジをフランクフルトの貿易商・ゼーゼマン家に連れていくと言うのです。大人の都合だけでデーテに騙されフランクフルトへ行くことになったハイジ。ペーターやペーターのおばあさんは悲痛な声をあげるが、おじいさんにはどうすることも出来なかったのです。
フランクフルトでハイジを待っていたのは、足が不自由で体の弱い少女・クララとゼーゼマン家の人々であった。執事のロッテンマイヤーはハイジを愛称でなく本名のアーデルハイドと呼び、厳しい躾や勉強を強制、アルムの話でさえも禁止にしたのです。クララやゼーゼマン(クララの父)、おばあさま(クララの祖母)、クララの主治医、使用人のセバスチャンなど、心の支えとなる人との出逢いはあるのですが、それでもハイジはなかなかフランクフルトでの生活に馴染めません。
しかしハイジは、あまりアルムのことを口にするとクララが心配するので、アルムへの思いを無理に押し殺すようになっていきます。やがてハイジは、アルムの故郷を思うあまりに強いホームシックにかかって体調を崩すようになります。ハイジを診断したクララの主治医は、ただちにハイジをアルムへ帰す様に指示する。こうして、ハイジは夢にまで見たアルムの山へ帰れることになったのです。
アルムの生活ですっかり元気になったハイジのもとへ、クララからの手紙が届きます。ハイジが是非来てほしいと願っていたアルムへ、クララが行きたいというのです。クララは静養を目的として滞在することになります。おじいさんとハイジにうながされ、少しづつだが、歩く練習を始めるのです・・・
Heidi, Girl of the Alps (1974) OST 06 Mattete goran (まっててごらん) ED
【主題歌】
オープニングテーマ
♬「おしえて」
作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - 伊集加代子&ネリー・シュワルツ(ヨーデル)
エンディングテーマ
♬「まっててごらん」
作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫 / 編曲 - 松山祐士 / 歌 - 大杉久美子&ネリー・シュワルツ(ヨーデル)
★大杉久美子さんは、この歌を皮切りに「世界名作劇場」において、『ペリーヌ物語』まで5作連続で数多くの主題歌・挿入歌(『母をたずねて三千里』以外は全て渡辺岳夫・松山祐士コンビが作・編曲)を歌うことになりました。大杉久美子さんの伸びやかな声と爽やかな歌唱力でこの世界名作劇場の1作目の本作EDを歌い、ささきいさおさん・堀江美都子さん・水木一郎さんらとともに、1970年代には「アニソン四天王」として活躍したのは皆様もよくご周知のところです(*^_^*)。
この不朽の名作をご覧になりたくなった方は、是非。
【アルプスの少女ハイジ・主な登場人物:キャスト】
🏔(アルムの山の住人)
ハイジ:杉山佳寿子
本作品の主人公です。明るく利発で機転が利くが、正しいと思ったらきかない性質は祖父のアルムおんじ譲り。また、他人の喜びや悲しみ、辛さを共感出来る優しい感性の子です。ペーターの母・ブリギッテによると、ハイジの容姿は「お母さんのアーデルハイドみたいでキレイだけど、目が黒くて、髪が縮れてるところなんか、お父さんのトビアスやアルムおんじにそっくり」と言う。冬場やフランクフルト滞在時を除き、普段は裸足で過ごしています。
スイスのグラウビュンデン州マイエンフェルトの近くのデルフリ村(架空)で生まれる。1歳で両親と死別し、母方の叔母デーテに引き取られます。5歳のとき、デーテの就職のため、デルフリ村に程近いアルムの山小屋に住む父方の祖父アルムおんじに預けられる。しかし8歳のとき、再びデーテの勝手な大人の都合でフランクフルトのゼーゼマン家へ連れていかれ、クララと友人になる。しかし元々アルムの山を離れるつもりがなかったことに加え、厳しい躾が原因でホームシックからの夢遊病を発症し、療養のためアルムの山へ帰される。
アルムおんじ:宮内幸平
ハイジの父方の祖父でトビアスの実父、元傭兵でもある。「アルム」は高原の放牧地、「おんじ」はおじさんを意味し、すなわち「アルムおんじ」とは「高原放牧地のおじさん」と言うあだ名です。デーテが「おじさん」と呼んでいるのは、姉の義父のため。真っ白な髪と髭を蓄え背筋の伸びた体格の良い老爺です。パイプ煙草やワインを時折嗜みますが、無愛想で気難しい性格。ことあるごとに「あの、おんじが?」とデルフリ村の人々に囁かれる変わり者です。村での評判を自身も理解しており、他人との交流を好まず、デルフリ村から程近いアルムの山小屋で一人で暮らし、ヤギ飼いのペーター以外は周りに人を寄せ付けないようにしています。
しかし洞察力に優れたところがあり、クララが自力で歩ける可能性があると最初に見ぬきます。教養もあり、ハイジは「おじいさんは間違ったことを言わない」と絶対の信頼をおいています。
普段は山小屋附近で牧草を刈り、ヤギの乳でチーズを作り、薪を割り、商売用の木工細工の原料となる樫などを山から伐採して、食器を始め、あらゆる生活用品に加工している。そしてそれらを背負子に詰め、数日に1回の割合でデルフリ村へ降り、食料品や生活に必要な品物を購入・物々交換をする日々でした。
「過去を忘れたがっている」ため謎が多く、作中で過去について語られる場面は少ないが、第1話では村人(バルベル)が「人を殺したこともあるらしい(からハイジを預けるのは止めた方がいい)」とデーテに言っている。かつてはデルフリ村で暮らしていたが、村を離れ山小屋で暮らし始めた理由は作中で触れられることはなかった。一方でデルフリ村在住当時の隣人だった牧師が「神や人々と仲直りしましょう」と、過去に人間関係でトラブルがあったようである。
70歳のときハイジと暮らし始める。初対面時からハイジの利発さを見抜いて可愛がるようになり、孫娘との交流を通じて次第に優しい性格を取り戻していく。しかし当初はハイジがデルフリ村の人々と付き合うことを制限しており、デルフリ村の外れにあるペーターの家にさえ、最初はハイジを行かせたくなかったようである。就学年齢の8歳になったハイジを冬の間だけでも学校へ通わせるよう、かつて隣人であった牧師に説得されても、頑なに拒否した。そのため、ハイジがフランクフルトへ行った際は、ハイジがデーテに騙されたと知らず、ハイジに行く気がないと確信していたため、酷く落ち込んだ。しかし、フランクフルトから戻ったハイジがグリム童話を読むのを見て、ハイジが学校に通えるよう冬の間はデルフリ村で過ごす決意をする。村はずれの廃墟となっていた古い教会を改築し、少しづつだが村人との接触を持つようになった。
デーテ:中西妙子
ハイジの母方の叔母。ハイジの母アーデルハイドの実妹。姪のハイジをアルムへ連れて行く前は、ハイジを知り合いに預けながらラガーツの温泉地に勤めていた。当時5歳だったハイジをアルムおんじに預けた後、フランクフルトにあるゼーゼマンの親戚の家で女中奉公をする。
ハイジがアルムで暮らして3年後、8歳になった頃にクララの遊び相手を探している話を聞き、執事ロッテンマイヤーと直々に会い、ハイジを連れてくることを約束する。ハイジを言葉巧みに騙しながら、無理矢理フランクフルトに連れ出す。変わり者のアルムおんじのところにハイジを長期間、預けていると言うリスクも感じ、ハイジをお金持ちの家で暮らさせることで豊かな生活もできるだろうという現実的な考え方を持つ。その際に体の弱いクララが亡くなり代わりにハイジがゼーゼマン家の養女になることなども勝手に期待していたようである。
「フランクフルトに行けばハイジは幸せになる」など自分の現実的な価値観を他人に押し付け、そのためであれば言葉を濁す(結果的に嘘を付いたことになる)など、アルムおんじとは性格が合わずに「もう二度と来るな」と怒らせ、デーテ自身も憤慨しながらデルフリ村に戻っている。
デルフリ村の人々と親しく、原作ではハイジの母アーデルハイドがデルフリ村の村娘と書かれており、彼女もデルフリ村の出身と考えられる。また、ハイジをフランクフルトに連れ出すときには叔母の家を訪問して1晩滞在している。
ペーター:小原乃梨子
ハイジの友達でヤギ飼いの少年。2月生まれ。ハイジより6つ年上。アルムおんじからは主に「ヤギの大将」と呼ばれている。父親は登場しないが、同じくヤギ飼いであったと語っています。
春から秋にかけてはデルフリ村中のヤギをアルムの山の牧場へ連れて行き、ヤギを見張りながら昼寝などして過ごし、雪で山へ登れない冬の間だけ学校に通っている。そのため勉強は苦手だが、山の自然については知り尽くしている。
性格は、はにかみやで食いしん坊。口下手です。時にハイジに強い口調でやり込められたり、逆にハイジに厳しく言うこともある(特に山での行動について)が、口ゲンカを通じてお互いに信頼し合っている。山ではとっても頼もしく、鷹に襲われそうになったハイジと小鳥のピッチーを助けたり、崖から落ちそうになったハイジを命懸けで助けるなど、頼りがいのあるところもある。原作では人見知りの激しさがあったが、本作品ではよそ者に対しても非常に友好的に描かれる。
おんじから道具の使い方を教わると木工細工の才能を発揮、ソリレースのとき、手作りのソリで他の生徒と同着ながらも一等を取る。クララがアルムに来たときにも、彼女を山の上の放牧場やお花畑へ連れて行こうと、頑丈な背負子をつくる。
おばあさん :島美弥子➡沼波輝枝
ペーターの祖母。現在は眼が見えない。おんじがアルムへやってきた頃の、優しいアルムおんじを知っている数少ない人物の一人である。アルムに来て間もないハイジに、家に遊びに来るようペーターに言付け、ハイジが来るのを楽しみにしている。その後、初めてハイジが遊びに来たとき、おばあさんの「眼がみえないんだよ」との言葉の意味がハイジには分からず、どうしようもないと知ると大声をあげておばあさんにすがって泣いた。
そんなハイジに対して、初対面にもかかわらずおばあさんは「お前は何て優しい子なんだろう」と、ハイジを大好きになった。以来ハイジをとても気に入っており、ハイジを一番の心の支えにしている。ハイジが遊びに来るのも楽しみだが、ハイジが語る山での生活あれこれ話を聞いたり、ペーターと鬼ごっこをして遊んでいる声が外から聞こえてくることなどに対して、ブリギッテと共に喜ぶ。目が見えなくなった現在も賛美歌の本を大事にしており、誰かに読んでもらいたいと思っているが、ペーターもブリギッテも読み書きが苦手で叶わずにいた。アルムを訪れたクララに賛美歌の本を読んでもらい、クララに「自分も人の役に立てる」ということを気付かせたが、おばあさん自身は気付いていない。
(ゼーゼマン家)
クララ・ゼーゼマン:吉田理保子
ドイツ中西部のフランクフルトに住んでいるゼーゼマン家の一人娘。金髪碧眼。後頭部に水色の大きなリボンを結んでいる。身体が弱く、いつも車椅子に乗り、外出しない生活をしている。幼い頃に母親を亡くし、父も仕事でいつも不在のため、家の中だけで家事使用人らの世話を受けて育ち、ハイジが来るまで同世代の友達がいなかった。少し大人びた発言をすることもあるが、依存心があり大人を困惑させる言動をとることがある。
「体の弱いクララは屋敷の中で安静にしているべき」と考えるロッテンマイヤーの厳しい管理の下、屋敷の外の世界に興味を持たず、規則正しく退屈で孤独な毎日を送っていた。ハイジとの交流やハイジの起こす騒動を経て次第に意欲的になり、外への興味や関心が広がるが、ロッテンマイヤーはそのことをよく思っていない。またハイジがアルムへ帰りたがっていることを知っているが、唯一の友人であるハイジを失い孤独で退屈な日々に戻ることを恐れてる(結局はこれがハイジが夢遊病となり重度のホームシックになった主たる原因であり、早い話クララのハイジを自分の手元に置きたいが為の我が儘をロッテンマイヤーが真に受けてしまったのも重なった)。
ハイジが帰郷した後、ハイジとの約束でアルムの大自然を訪れる。次第に体力を取り戻し、ロッテンマイヤーが驚く程の食欲を見せるなど、徐々に健康になっていきます。
ついにはクララを訪ねてきた祖母と二人きりの時に牛に襲われ、恐怖で無意識に自力で立ち上がります。その後、アルムおんじに見守られるなか、ハイジやペーターの手助けで歩く練習を始め、最終回では短時間ながらも自力で歩く。フランクフルトの屋敷に戻ってからはロッテンマイヤーの指導の下、屋敷の階段を使ってのリハビリに悪戦苦闘しながらも「来年山に行く為にも、もっと長い時間歩けるようになりましょう」と励まされ、ハイジたちと再び会おうと、リハビリに専念する。
ロッテンマイヤー:麻生美代子
ゼーゼマン家の執事である中年女性。原作では、ゼーゼマンの妻(クララの母)が亡くなった後に、ゼーゼマン家の家事一切を差配し、使用人を監督し、クララの教育係を務めているとある。ゼーゼマン家の中で唯一、ハイジを洗礼名(本名)のアーデルハイドと呼んでいる。アーデルハイドとはハイジの実母の名で、洗礼名を問われた際に叔母のデーテが伝えたものである。ハイジのことを、他の使用人たちにお嬢様と呼ばせていた理由は、単にクララの遊び相手だからではなく、ハイジのゼーゼマン家における地位はロッテンマイヤーと同じ程度だからである。
髪型は常に夜会巻きで、鼻眼鏡をかけている。家事一切を取り仕切り、大富豪の執事に足る教養を持つ。簡潔にいえば、融通がきかない女性。そのため気さくなおばあさまとは気が合わず、他の使用人たちからの人望もあまりない。自由奔放なハイジとの相性は最悪と言える。決して悪人ではないのだが、生活の秩序を守ることや体の弱いクララを第一に考えているため、ハイジへの思いやりには欠けている。またクララの体が“これ以上悪くならない”ことばかりを考え、クララに無理をさせまいとしていることが、結局クララの意欲を削いでいたことにも気づいていない。また大の動物嫌いでもある。アルムを訪ねた時は、ヤギ達やヨーゼフを「けだもの」呼ばわりし、引っ掻き回されハラハラの連続だった。
学校に通っておらず礼儀作法を知らないハイジを、ゼーゼマン家にふさわしい人物にすべく、粘り強く厳格に教育する。しかし彼女のやり方が合わず、ハイジは様々な騒動を引き起こす一方でホームシック状態となるが、それに気づくことはなかった。おばあさまが別荘へ戻った後、ハイジもアルムの山へ戻るのではないかと憂うクララに配慮するあまり、ハイジに対して「以後、山に関する話題を一切口に出さない」ように言い渡す等したことで、結果的にハイジの心を破綻させ、彼女が夢遊病を発症する直接の原因を作ってしまう。尚、この仕打ちについてはセバスチャンら他の使用人たちだけでなく、優しく温厚なゼーゼマンをも怒らせてしまい、彼から「よくもあの子に残酷な仕打ちを……。貴方こそハイジを幽霊にした責任者だ!」と激しい叱責を受ける事となった。
ハイジがアルムへ戻った後、当初はクララが山に行くことを訝しく思っていた。しかし山でクララが歩けるようになったことから、フランクフルトに戻ったクララに屋敷の階段を使ってのリハビリに付き添う。一見厳しいながらも「来年山に行く為にも、もっと長い時間歩けるようになりましょう」と励ましており、最終的にはクララの山行きに理解を示し、むしろ勧めるようになるのです。
セバスチャン:肝付兼太
ゼーゼマン家の使用人の中年男性。
クララの身の回りの世話を全般的に行う。ハイジはセバスチャンを最初に見たとき「おじさん、ペーターに似ている」と話している。物分かりが良く、大らかな性格で、ハイジの良き理解者。ハイジの帰国時には仕事が忙しいデーテに代わってハイジをデルフリ村まで送ってくれた。デルフリでハイジと別れる際にも「山が嫌になったら、いつでもフランクフルトに帰ってきていいんですよ」と言う等、ハイジに対して、まるで父親が娘に接するような振る舞いを見せる。その為、ハイジにとってはおばあさまと並び、フランクフルト滞在時の心の支えとなった優しい人。
チネッテ:つかせのりこ
ゼーゼマン家の使用人の若い女性。ハイジが起こした騒動の後始末をすることが多く、そのためか無愛想でハイジに対して少々冷たいところがある。ロッテンマイヤーが所用でゼーゼマン家を空ける時、「あの婆さんがいなくてせいせいする」という言葉通り、どちらかというと彼女はロッテンマイヤーを嫌っている様子。ハイジの起こした大騒ぎでロッテンマイヤーが大慌てするのを見て、セバスチャンと一緒にほくそ笑んだり、ハイジに対するロッテンマイヤーの厳しすぎる躾を快く思わない素振りを見せる一面もあり、彼女自身は決してハイジが嫌いというわけではないようだ。
ヨハン(Johann):根本好章
ゼーゼマン家の御者。白い口髭を生やした小太りの男性で、シルクハットをかぶっている。
ゼーゼマン(Herr Sesemann):鈴木泰明
クララの父親。貿易の仕事で忙しく、パリに出かけているため滅多に家にはいない。そのためか、一人娘のクララを溺愛している。とても優しく、温厚で紳士的で、ハイジにもクララと同じ位に深い愛情を注いでおり、ハイジがホームシックと夢遊病を併発した時、その原因がロッテンマイヤーの厳しすぎる言いつけにあったことを知った際は珍しく激高し、ロッテンマイヤーに大喝を浴びせ叱責した。
ハイジがやってきてからの自宅内がうまくいっていないことを察し、実母であるクララのおばあさまをフランクフルトに呼び寄せる。ハイジがゼーゼマン家のあれこれを乱したから、というわけではなく、前々からロッテンマイヤーの少々行き過ぎた管理・躾などを是正するために、実母のおばあさまを呼び寄せたというのが実情と言える。
最終回で冬が近づいたためにクララを迎えに来たゼーゼマン家の一同の前でクララが自力で立ち上がり、短時間ながら歩いて見せた時には一同の中で最も驚きます。父親として感動のあまり大号泣し、アルムおんじに感謝の言葉を述べた。
おばあさま (Großmama):川路夏子
クララの父方の祖母。とても気さくかつ聡明な老婦人で、ロッテンマイヤーをも軽くあしらう。ハイジに挿絵つきのグリム童話の本をプレゼントし本を読み聞かせることで、本への興味を持たせ、字の読み書きを自発的に学んでいけるようにした。また、ホームシックのハイジに気晴らしをさせようと、郊外の森に連れて行ったりと、フランクフルト滞在時のハイジにとって、一番の心の支えになった人物。
クララ曰く、高齢ながら別荘で仕事をしているとのこと。アルムの山でのクララの生活ぶり、アルムおんじのクララに対する考えに感銘を受け、おんじにアルムでのクララの滞在を任せる。ペーターにも信頼をおいている。
原作によると、ゼーゼマン家の財を築いた人物とされる。
お医者様(Clessen):根本好章 / 中庸助(総集編)
ゼーゼマンに“冷たい水”を頼まれたハイジが、街中へ冷たい井戸水を汲みに行ったときに偶然出会った老紳士。実はゼーゼマンの友人にしてクララの主治医で、名はクラッセンという。ゼーゼマン家で幽霊騒動が起きたときには科学者の立場で立ち会い、騒動はハイジのホームシックが原因であるとして、ハイジをアルムの山へ帰すよう指示した。普段はハイジやクララ、ゼーゼマンなどの意を汲む温厚で融通の利いた性格だが、ハイジがホームシックと夢遊病を併発しているとわかったとき、一日も早くハイジを(アルムへ)帰すべきと忠言し、ゼーゼマンの「ハイジを元気にしてから、山へ帰そう」との言葉には、「ホームシックは粉薬や丸薬で治る病気と違う」、「今すぐに山へ帰さないと、手遅れになってしまいかねない」と医師として毅然とした態度を示す。
クララの体を治すのは、内服薬だけではなく、不便なアルムで懸命に暮らそうというクララ自身の意欲も必要であるということに気付いた。また、クララが実際にアルムに行き一定期間過ごせるのかを直接確認する為にやってきた時には、アルプスの大自然の美しさ、たまたま出会って山小屋まで案内をしてくれたペーターの朴訥で優しい心、意見交換をして知ったおじいさんの考えや心などにより「ハイジがホームシックになるのも無理はない」と、お医者様自身の五感で感じたことを素直な表現で感銘を受けたシーンがある。このことは、クララがアルムにおいて長期滞在をし、自分の足で歩くことが可能であるかもしれないと確信に至る1つのきっかけを作った重要な場面となる。
家庭教師の先生:島田彰
クララの家庭教師。丸眼鏡に灰色の髪の中年男性で、一人で様々な科目をクララに教えている。ハイジが来てからは、並行してハイジにも勉強を教えることになるが、字の読み書きもできないハイジにクララと同じ内容を教えるよう、ロッテンマイヤーに指示され苦心する。
人物:ウィキペディアより引用抜粋
【アルプスの少女ハイジ・製作スタッフ、放送データ】
企画:瑞鷹エンタープライズ
制作:ズイヨー映像、フジテレビ
シリーズ構成:松木功
音楽:渡辺岳夫
場面設定・画面構成:宮崎駿
キャラクターデザイン・作画監督:小田部羊一
演出:高畑勲
美術監督:井岡雅宏
撮影監督:黒木敬七
録音監督:浦上靖夫
制作主任:松土隆二
制作デスク:佐藤昭司、加藤良雄
担当プロデューサー:中島順三
プロデューサー:高橋茂人
放送期間:1974年1月6日~1974年12月29日 全52話
放送局:フジネットワーク
話数:全52話
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