🔶今日のアニメの徒然小道では、『あしたのジョー』です。ここでは、1970年にTVアニメ放送されていた『あしたのジョー』のエピソードを通しながら、前記事に続いて、力石徹と出会ってから、ジョーがドヤ街を去ってゆくまでの道のりの感想記を紹介します。
【あしたのジョー・感想記】
本作は、何といっても矢吹ジョーにとって、力石徹の存在があまりにも大きすぎるの一言に尽きると思う。この原作や第一作目のTVシリーズを見ていてそのことを感じずにいられないのだ。
矢吹丈が、鑑別所からマンモス西と共に野菊島東光特等少年院へ移されたジョーは、豚小屋掃除の際に、西の提案で豚たちを暴れさせ、脱走を試みた。だが、その矢吹を前を立ちはだかる男が現れた。力石徹である。
一撃だ！たった、一撃で力石は豚に乗って脱走する矢吹を粉砕する。自惚れの強いジョーが「初めてだ。あんな骨の髄までバラバラになるような一撃を喰らったのは！」と初めて自分の負けを認めたのである。
と同時に、力石徹が「おめえもつくづく変わった男だな。最初のジャブは、プロ級の腕を持ちながら、あとのパンチはまるでド素人並みだなんてな・・・つくづくわからねえ男だ・・」と吐き捨てるように言った。ただ茫然とするジョー。
力石のパンチは、矢吹のブライドまでズタズタに打ち砕いたのだ。
医務室を訪れた力石は、静かに語る。「最初のジャブ。俺は嬉しかったんですけどね・・・」「だけど、こいつは負け犬の目をしてねエ！」
力石徹・・・プロウェルター級６回戦ボクサー。１３試合連続KOを記録を持ちながら、観客の汚い野次に観客を殴り倒し、無期限出場停止を喰らう。戦いに餓えていた力石は、ゴロツキ相手に重傷を負わせ、あげくの果てにこの少年院にやってきたのだ。
『あいつを倒すんだ！！』矢吹にとって力石を倒すという生まれてはじめて、自分の『あした』を見つけたのだ。ジョーははじめて丹下段平に、明日のためのその2、その3を教えろと！！と告げる。
段平はヤル気になったジョーを応援すべく、白木葉子の少年院慰問とともに少年院にやってくる。ジョーは慰問に来た白木葉子を侮辱し、力石がジョーをまたぶちのめそうとした時、丹下段平は「リングの上で決着つけたらどうだ！？」と。
試合は、１週間後に決まった。
「１ラウンドじゃねェ！１分だ。１分でこの脳タリンを沈めてやる！！」
そして宿命の対決の時がやってきた。
何度も何度もジョーは力石に倒されながらも、一瞬にかけていたのである。
ジョーが、はじめての悔しさの中から体で覚えた必殺のパンチが唸った。
必殺のクロスカウンター！！ 両者ダウン！
だが、ジョーは力石を何とかねじ伏せるべく、防御まで身につけようとするが、宿命の対決が再戦されないまま、力石は先に少年院を出ることになる。
力石との再戦を望むべく、出所したジョーは、段平がライセンスを取り上げられていることをしり、ウルフ金串のジムへ乗り込み、わざとけしかけ、必殺のクロスカウンターでウルフを倒し力ずくでライセンスの復活に希望をかける。ジョーは記者連中を利用し、ライセンスを取得のために動いていくことになります。こうして、プロデビューし、フェザー級からバンタム級へ転向した力石との対戦を実現していくことになります。誇り高い力石は、ジョーと同じ階級で闘い、ジョーを粉砕することにかけたのです。
厳しい減量になることを覚悟した力石は、みずから、地下室に閉じ込め、減量と闘うことになります。減量による力石の変わりようは見られたものではなくなってしまいます。
そして、因縁の力石とジョーの対決がはじまる。両者の息をのむ激闘の末に、ジョーは敗れてしまいます。そして、その対戦直後に減量のためやせ衰えてしまっていた力石は、倒れ、息を吹き返すことなく永遠の眠りについたのである。
「終わった・・・何もかも・・・」
👆力石 徹のテーマ ／ ヒデ夕木
そのショックで、ジョーは対戦相手の顔面を打てなくなり、満足な試合を行えなくなってしまいます。
ジョーは何かにとり憑かれたかのようにさまよい歩き、復帰しても顔面を打てないボクサーになっていってしまった。
やがて、白木葉子が南米ベネズエラから、カーロス・リベラという秘めた実力をもつボクサーを招聘した。
カーロス・リベラ。矢吹の本質をすぐ見抜いた本物のボクサーだ。
お互いの野生を感じたボクサー二人は、リングで激しく打ち合うが・・・
矢吹にとって、カーロスは力石の幻に過ぎないのか？？・・・
ただ少し心が軽くなったのかもしれない。少しふらりと旅に出てみるか・・・
「おっちゃん、みんな。あばよ・・・」手紙だけを残し、
そして、ジョーはドヤ街を去っていった・・・
本作は、アニメが原作に追いつき、ジョーの最終戦までの製作に及ばなかったが、力石徹というライバル、いやそれを越えた存在として描かれていたことは言うまでも無く、ジョーのあしたという存在を表現した素晴らしい作品だと思います。原作でも『あしたのジョー2』でも、力石との闘いは、ジョーを成長させたライバルとして見事に表現されています。
配信先（U-NEXT）
👉『あしたのジョー』（1970年、全79話、見放題）
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