🔶今日のアニメの徒然小道では、『機動警察パトレイバー2 the Movie』は、1993年に公開された日本のアニメーション映画作品。2002年のパトレイバー世界を描いた。『パトレイバーシリーズ』完結篇的な意味を持つ作品でもあります。『機動警察パトレイバー2 the Movie』が公開されて今年でちょうど30周年となります。
【機動警察パトレイバー2 the Movie・作品の特長、概要】
本作では、特車二課第2小隊長の後藤を主役に据えているのが大きな特長です。これまでの特車二課のメンバーは後藤と南雲、ひろみとシゲらを除いて大半のメンバーが部署異動しています。首都圏を舞台に「戦争という状況」との戦いを描いています。
押井守さん独自の「都市論」という一つの考え方と思いますが、その都市論をベースに、東京に「戦争」という状況を作り出す思考実験を行った。毒ガス攻撃、治安維持出動、縦割り組織行政とその影響による機能障害、在日米軍、破壊活動防止法、デジタルメディアの信憑性など、今の現実世界で問題になっている多くの要素が30年前の本作に表現されています。公開当時からPKO協力法に基づく自衛隊海外派遣の問題点などを指摘する内容であった。
旧第二小隊のメンバーの登場割合が激減した本作品だが、後に『TOKYO WAR』というタイトルで押井守さん自身が手がけた小説版では映画では描かれなかった旧第二小隊のメンバーの様子が詳細に書き綴られています。
【機動警察パトレイバー2 the Movie・ストーリー】
1999年、東南アジア某国において、PKO部隊として日本から派遣された陸上自衛隊レイバー小隊が反政府ゲリラ部隊と接触し、発砲許可を得られないまま一方的な攻撃により壊滅する。独断で敵装甲車に反撃し、たった一人の生存者となった小隊長がそこで見たのは、異教の古代遺跡であった。
そして「方舟」の一件から3年後の2002年冬。かつての特車二課第2小隊は、隊長の後藤と山崎以外のメンバーは、新しい職場に異動していた。ある日、横浜ベイブリッジで爆破事件が起こる。当初は自動車爆弾かと思われたが、自衛隊のF-16Jらしき飛行機から放たれた一発のミサイルによるものであることがテレビ報道される。
情報が錯綜する中、南雲と後藤の前に陸幕調査部別室に属する「荒川」と名乗る男が現れ、ベイブリッジを爆撃したのは自衛隊機に見せかけた、擬装情報に誘導された米軍機であるという。元々この事件は、アジアの軍拡競争にも危機感を示さない日本を憂う国防族や米国勢力のグループが計画した軍事的茶番劇であり、実際に空爆を行う意思はなかったというのだ。荒川は、ベイブリッジを本当に空爆するよう改変した容疑者としてグループの創立以来のメンバーである「柘植行人(つげ ゆきひと)」という人物を捜索していたのだ。米軍から報告された真相の公表を迷い続ける日本政府、表立って警察の協力を仰げない状況下で荒川が目を付けたのが、各方面にパイプを持つ後藤であった。
荒川の真意がつかめない後藤は話を断ろうとする。そこに航空自衛隊三沢基地からF-16J三機が武装発進、首都圏へ向け南下中との急報が届く。百里基地と小松基地から要撃機が急行、先んじて接触した百里所属機は三沢所属機を捕捉できない。しかし、レーダー反応が消失したことで、三沢所属機に対する撃墜命令が下される。命令を受けた小松所属機は三沢所属機にロックオンしたが、その矢先、突如として三沢所属機のレーダー反応が消失し、撃墜されたはずの百里所属機が再び交信に応じた。当初から三沢所属機は発進しておらず、航空自衛隊バッジシステムへのハッキングと電波妨害で作り出された仮想状況に過ぎなかった。
後藤は、一連のハッキングや、柘植に関する情報交換になし崩し的に荒川に協力することになり応じる。元陸上自衛官の柘植は、レイバーの軍事的価値に着目して「柘植学校」と通称される研究組織を発足させ、戦場におけるレイバーの有用性を実証した人物だったが、自衛隊を去って行方をくらましていた。また、かつて「柘植学校」に派遣された南雲と不倫関係を結び、それが原因で南雲が特車二課に左遷されたことは、本庁では公然の秘密であった。
政府が未だに真相の公表を渋る中、警察上層部は警察の権限強化のため、三沢基地司令官を基地ゲート前で連行し、さらに自衛隊の駐屯地などを警備の名目で監視するという暴挙に出ることになる。このため各地の自衛隊基地や駐屯地が抗議のため、外部との通信まで断つ事態にまで発展する。在日米軍の圧力もあり事態の収拾を図ろうとする政府は、警察に事態悪化の責任を押し付け、警察の代役に「陸上自衛隊内の信頼のおける部隊」に東京への治安出動命令を出してしまう。都内各地に自衛隊部隊が配置され、東京の市街は戦時下の様相を帯びていく。戦うべき相手もわからぬ人々の間には、現実感のない奇妙な雰囲気が漂い始めるのだった・・・
雪が降る中、東京を舞台にした仮想的な「戦争」が創り出されていく・・・これは仮想的なことなのだろうか!?
【機動警察パトレイバー2 the Movie・主な登場人物(声の出演)】
篠原遊馬:古川登志夫
泉野明:冨永みーな
後藤喜一:大林隆介
南雲しのぶ:榊原良子
太田功:池水通洋
進士幹泰:二又一成
山崎ひろみ:郷里大輔
シバシゲオ:千葉繁
榊清太郎:阪脩
松井孝弘 刑事:西村知道
佐久間:仲木隆司
ブチヤマ:立木文彦
進士多美子:安達忍
海法:小島敏彦
山寺:大森章督
荒川茂樹:竹中直人
柘植行人:根津甚八
★『機動警察パトレイバー2 the Movie』・懐想記
物語としては物凄く面白いと思うのですが、広い意味で映画としては面白さが足りないかもしれません。ありがちな言い方をするならば、観る方の好みで作品の評価も分かれてしまう作品かもしれません。抽象的な言い方でわかりにくい言い方かもしれませんね。
本作はロボットアニメジャンル的な作品ですから多作から引用して表現するならば、ガンダムを名乗りながらほとんどガンダムが闘わないような作品である。ちょっと考えられないような作風の作品です。でもそんな作品でも、しっかり描写してやり遂げてしまうのが、押井守監督の素晴らしさなんだと思います。物語が複雑で難しくて、初見だとよく分からないまま、物語が終わりますといってもよいと思います。
それくらい解りにくいお話だが、作品に注視していると、日本の防衛面での脆さをここまで、繊細な描写をしているなと感嘆してしまうと思います。本作を観るといつも、日常の中に潜む戦争とか、架空の戦争を作りあげるとか、そんなこと、人生どう生きていたら思いつけるんだろうなってため息さえでます。
映画というものは、大衆娯楽性の強いものです。起承転結あり、ドラマあり、笑いありの作品などが受け入れられやすいと個人的には思っていますが、本作は、あまりにも静の描写が多いので若い方なら飽きちゃうだろうし、私のように高齢になれば寝てしまうと思います(笑)。本作は”傑作”だとも”面白い”とも思うのですが、どうしても”映画として面白い”と思えないんですよね。
でも、押井守監督作品は、不思議な味付けがしてあって、何故だか数年に1回は必ず観たくなる作品でもあるのです。不思議なことだとは思いますが。時間がたてばたつほど味わいがあります。当時と先日も配信先で視聴しましたが、現在視聴した方が新鮮な驚きがあるのです。当時では、虚構なのか現実なのかわからないような設定も、今の時代では当たり前の問題が本作には随所に見られます。当時から見れば、想像可能なほんのちょいと先読みした世の中や時代の中に、ドラマやキャラクターを投影させて、時には、コミカルという調味料や組織社会というリアリティーあるソースで見事に調和させているのが『パトレイバーシリーズ』のような気がしてなりません。
また、様々な作画や美術のセンスには幼い頃から昭和の古いアニメに始まり現在のあらゆる技術を駆使したアニメ作品を観てきた私にとっては、ただ驚かされるばかりである。
本作のハイセンスでリアリティーのある作画、美術にはただ驚かされるのは私だけであろうか?
ひと言添えるならば、本作は30年前のアニメ作品だったのである。
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【 機動警察パトレイバー2 the Movie:製作スタッフ、公開データ】
- 監督:押井守
- 企画・原作:ヘッドギア
- 脚本:伊藤和典
- 演出:西久保利彦
- キャラクターデザイン:高田明美、ゆうきまさみ
- メカニックデザイン:出渕裕、河森正治、カトキハジメ、藤島康介、佐山善則、伊東守
- 作画監督:黄瀬和哉
- レイアウト:渡部隆、今敏、竹内敦志、水村良男、荒川眞嗣、田中精美
- 原画:沖浦啓之、竹内敦志、水村良男、村木靖、岸田隆宏、江村豊秋、大川こうぎ、安藤真裕、川名久美子、丹沢学、濱名孝行、高岡希一、武田一也、オグロアキラ、荒川真嗣、はばらのぶよし、安東信悦、音無竜之介、勝亦祥視、石井明治、小森高博、星和伸、土器手司、井口忠一、渡辺すみお、橋本浩一、戸部敦夫、藤田しげる、菅沼栄治、高橋しんや、大上浩明、仲森文、児玉昌弘、高見明男
- 色彩設計:遊佐久美子
- 美術監督:小倉宏昌
- 背景:武重洋二、平田秀一、黒田聡、甲斐政俊、廣瀬義憲、田村盛揮、荒井貞幸、池田祐二(スタジオワイエス)
- コンセプトフォト:樋上晴彦
- 撮影:高橋明彦
- 音楽:川井憲次
- 録音:浅梨なおこ
- 編集:掛須秀一(JSE)
- プロデューサー:鵜之沢伸、濱渡剛、石川光久
- エグゼクティブプロデューサー:山科誠、植村徹
- コンピューターグラフィックス:オムニバス・ジャパン
- アニメーション制作:IG TATSUNOKO
- 製作:バンダイビジュアル株式会社、株式会社東北新社、株式会社イング
- 配給:松竹株式会社
- 公開:日本 1993年8月7日、日本 2021年2月11日(4DX)
- 上映時間:113分
- 製作国:日本
- 言語:日本語
- 製作費:4億円
- 配給収入:1.8億円
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