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今日のアニメの徒然小道も、1970年代をうろついておりますが、今日は遡ること48年前、1974年の話ですよ。1974年といえば『宇宙戦艦ヤマト』が初登場するんです。この年はヤマトの前を素通りできませんね。本作TVシリーズとして初登場し、当時、僕たち若いもんが狂ったように徹夜で映画館に並ぶとか社会現象にまでなったんだ。
今日は、この作品が社会現象にまでなったのか、『宇宙戦艦ヤマト』の最大の魅力を歌や動画を交えながら語りますね。
【宇宙戦艦ヤマト(1974年TVシリーズ)・最大の魅力、感想】
宇宙戦艦ヤマトのファンの方は、1974年にテレビアニメで初登場してからというもの、シリーズ化され数多くの作品化されてきたことはご周知のとおり。(リメイク2199版他も含む)
最近では、昔のアニメのクオリティーについて話題にあがることがありますが、総じて作画の荒い昔のアニメの中で、この『宇宙戦艦ヤマト』初テレビシリーズアニメ作品の魅力・クオリティーは、どこからくるのでしょうか?
個人的には、はかない人類の運命と再生をかけたドラマであったこと、ここに『宇宙戦艦ヤマト』の最大の魅力とクオリティーがあったと感じている。このことは、ヤマトの発進シーンでキーワードとして描写されています。太平洋末期に登場した戦艦大和は、沖縄本土決戦に向けて片道の燃料だけを積み、帰らぬ出撃をしたこと・・・
当時、戦後生まれの私は中学生で父や叔父から、この太平洋戦争のことは、幼いころから聞いていてよく知っていました。当時の私達の世代の方は、親御さんとか何かにふれ、この戦争の話(悲劇、悲惨、はかなさ、虚しさ)を聞いたことのある方もけっこう多いのではないかと思います。
👆たった1枚の赤茶けた地球の絵が、このドラマを表現しています。いままでのありとあらゆる映像作品の中で、こんな地球を表現したのは『宇宙戦艦ヤマト』だけである。
👆YAMATO BGM 無限に広がる大宇宙
川島和子さんのスキャットが、宇宙を舞台にする本作のドラマ性を格調高く歌い上げた名曲です。
宇宙戦艦ヤマトは、戦艦大和をベースして作られ、帰らぬ出撃、ではなく絶対に帰らなければならないという人類絶滅に危機から、再生する運命を背負っていたというドラマ性、ここにすべてが込められているいっても過言ではありません。
テレビアニメのテーマで人類再生のドラマを描写した作品なんてそれまでアニメ以外の作品でも皆無でした。今までの映像作品とはけた違いのスケール内容をアニメーション作品の中で展開させたわけです。
👆漫画家の松本零士さんが、メカデザインを設定した。全体図をみれば、艦底部にある第3艦橋を除けば、戦艦大和のフォルムそのままである。艦内の設定は、第一艦橋に代表されるように、今までのアニメ作品と比べ、当時では想像することのできなかった秀逸のデザインである。このデザインは、観ている私たちに未来への描写の一つなのだと感じさせてくれた。
★この『宇宙戦艦ヤマト』のストーリーというのは、はっきり言って重いのです。それに人類絶滅のはかなさも漂っていると感じます。あと1年で地球人類が絶滅するという状況の中、はるか14万8千光年の離れたイスカンダルから"超高速波動エンジンを組み立て、放射能除去装置を取りに来いと”いうのです。という信じがたいメッセージを受ける。
必ず、いや絶対に地球に帰らなければならないという細い1本の糸を手繰り寄せるようなストーリー設定なのである。本作エピソード各部の冒頭部に必ず描写される絶滅に瀕する地球の姿。そしてエピソードの終わりに表示される人類絶滅までのカウントダウン。この繰り返される徹底した描写が、今までのアニメの作品の常識を覆しただけでなく、こんな壮大なストーリーの展開が、今までの作品とは一線を画したものだったのです。だからこそ、当時ネットも何もない時代に再放送を待ち、僕たちは、食い入るように何度もみたのです。
👉ヤマト発進シーン(YouTube 配信、7:47)
ヤマト(TVシリーズ第一作関連)の動画をみますが、上記のYouTube配信動画は、画質が上質であります。敬礼。名シーンです👍ヤマト発進シーン。このシーンにすべてが集約され表現されていると言っても過言はないと思います。すべてが手描きの時代、迫りくる超大型ミサイルを撃破すべく、ヤマト第一、第二、第三砲塔のすべてを軸線に乗せる時の砲門連動描写もすべてが手描きのアニメーションだ。発射してヤマトが、グッと船体を右に傾け、炎の中から赤茶けた地球を背にイスカンダルに向けて旅立っていく。名シーンだ・・・
👆そして、この方、ヤマト沖田艦長である。この艦長のあきらめない精神には、脱帽である。この作中で、意外と沖田艦長と個の登場人物との会話は意外と少ない。多くは命令、指示調子である。ガミラスドメル艦隊との決戦において、かろうじて勝利を得たヤマト艦長にガミラスのドメル将軍は『あなたの勇気と決断と知恵に敬意を表する。ガミラスと偉大なる地球に栄光あれ!!』と宇宙に散っていった。過酷な状況の中でもヤマトとその仲間がいる限り、絶対にあきらめない姿に、当時私は中学生でしたが、若者を中心に今までになかった人類再生のドラマに酔いしれたのです。
終戦後、日本は敗戦という苦難から私たちの親は、何とか子供や家族のために、これからのためにと頑張る姿を高度成長期を親の背中をとおして見ていました。こうした経済成長期の中、社会では共働きによる鍵っ子とか生み出し、寂しい環境の子供もたくさんいた。
本作ドラマのラストで沖田艦長が『地球か、何もかもみな懐かしい・・・』と家族の写真を握っていた拳も力尽き果てる。この沖田艦長の今できることのすべてをやり尽くす姿に、単純なSFドラマを越えていると感じたものです。本作『宇宙戦艦ヤマト』を観ると、失敗してもあきらめない。必ず人生って再生できるのだというどこか温かいメッセージのようなものを感じたのは私だけであろうか。『宇宙戦艦ヤマト』テレビシリーズ1作の作品には、そんな空気が漂っている。
これはもう大人のドラマである。人生の中で、必ず再生できると信じて不屈のドラマを、当時のアニメーター達の皆さんをはじめ、多くのクリエイターさんたちも手描きでやり上げてアニメーションの世界の中に落し込んでいったのです。だからこそ、当時は粗削りな作画でも、今までになかった作品を創ろうとする情熱だけで制作できたのです。日本では大成功を収めた高いクオリティーで大切にされているドラマだと個人的には感じています。
👆故 宮川泰氏(1931年3月18日~2006年3月21日)
そして絶対、ヤマトで語られるべきは、音楽であると思います。音楽を担当した宮川泰さんは、このアニメドラマにオーケストラを持ち込みました。そして名曲『宇宙戦艦ヤマト』が誕生しました。『イスカンダル』や『無限に広がる大宇宙』「元祖ヤマトのテーマ』などオーケストラミュージックで見事本作品を演出しきったのは、お世辞でなく、もう神業としかいいようがない。
(宮川泰さんとヤマトのエピソード)
- 宮川さんは『宇宙戦艦ヤマト』のプロデューサー・西崎義展から「主題歌は『鉄』をイメージする曲を書いてくれ」という依頼を受け、困惑したと語る。また、西崎さんからの注文は「バラード調で」ということであったが、宮川さんはこの曲にふさわしいのは雄壮なイントロであると考えていた。テレビシリーズでは第3話までバラード調の歌い出しが使用され、第4話以降は一般的にも認知されている雄壮なイントロが使用された。
- 宮川さんの葬儀において、出棺の際に50人からなる吹奏楽バンドが盛大にヤマトのテーマを奏で故人を送った。これは生前からの本人の希望であった。知人の葬儀に参列した帰りのタクシーで「俺の時は(俺が死んだら)、『ヤマト』な」と息子(宮川彬良)に託していたと、音楽番組『どれみふぁワンダーランド』などで宮川彬良本人により語られている。
ウィキペディアより引用、抜粋
👆宇宙戦艦ヤマト (1) / ささきいさお + ロイヤル・ナイツ
👆☆ イスカンダル ☆ 宇宙戦艦ヤマト 交響曲👉
動画画像は、本作内容とは関連ありません。
★ネットなかった時代を浮上したヤマト(過去記事ですが、ご参考までに)
👉1974年にTV放送が開始され、2024年で50周年を迎えるSFアニメの金字塔『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ。その伝説の始まりとなるTVアニメの第1作。西暦2199年。地球は謎の星ガミラスの攻撃によって放射能に汚染され、滅亡まであと1年を残すのみ。「宇宙戦艦ヤマト」の乗組員たちは、地球を救うため、遥かな14万8千光年かなたの星、イスカンダルにあるという「放射能除去装置」を求めて宇宙へ旅立つ!
(1974年TVシリーズ・全27話)の配信先はAmazon Primeで配信中
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