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🎦今日ののぶちゃんの映画録は、1973年に公開されたアメリカのホラー映画『エクソシスト』(The Exorcist)の当時の劇場鑑賞録回顧や、TV放映、レンタル視聴、配信先動画視聴(UーNEXT)からの感想・考察記の投稿です。
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【エクソシスト:作品の概要】
本作『エクソシスト』(The Exorcist)は、1973年に公開されたアメリカのホラー映画作品です。 日本では1974年に公開されています。1971年の『フレンチ・コネクション』で知られるウィリアム・フリードキンが監督を務めました。
少女にとりついた悪魔と、自身の過ちに苦悩する神父の戦いを描くオカルト映画の金字塔的作品です。本作以降、さまざまな派生作品が制作されています。アメリカで1973年の興業収入1位を記録shています。
第46回アカデミー賞の脚色賞と音響賞を受賞しました。題名のエクソシストとは、英語で"悪魔払い(カトリック教会のエクソシスム)の祈祷師"という意味です。
【エクソシスト:ストーリー】
イラク北部で古代遺跡の発掘調査に参加していたランカスター・メリン神父(マックス・フォン・シドー)は、悪霊パズズの像を発見します。彼は「この邪悪な宿敵と再び対峙する日が近い」と予感します。
女優のクリス・マクニール(エレン・バースティン)は、映画撮影のため、ジョージタウンに家を借り、一人娘のリーガン(リンダ・ブレア)と幸せに暮らしていました。
ジョージタウンに住むデミアン・カラス神父(ジェイソン・ミラー)は、時々ニューヨークに住む母親のもとを訪れている。ギリシャ移民の母親は、小さなアパートで過ごしています。カラス神父は、そんな生活をしている母に申し訳なさを感じます。プラグマティストの精神科医であるカラスは、神父の仕事にどこか自信を持てずにいるのです。やがて母は体調を悪くし、入院しますが、設備の整った病院に移したいと思ってもその費用もなく、やがて母は亡くなり、カラスは更に自分を責めてしまう。
クリスの家では屋根裏から不気味な音が聞こえるようになるが原因がわかりません。やがてリーガンの行動に異変が現れる。ベッドが激しく揺れだし、リーガンの部屋だけが異常に寒くなるなど謎の現象も起こるようになる。又、近くの教会でマリア像を冒涜する事件が起きる。
リーガンは病院でさまざまな検査を受けるが脳などにも異常はなく、精神科医がカウンセリングを行うがリーガンはそこでも暴力を振い、まったく別の者の声に変わったかのように罵り始める。その矢先、クリスの友人で映画監督のバーク・デニングズがクリス宅の裏の階段で転落し、首がねじ曲げられた状態で死んでいるのがみつかる。キンダーマン警部補(リー・J・コッブ)が事件の捜査に乗り出しますが、真相はわからない。
リーガンに対する治療方法が見つからない病院の医師のひとりがクリスに対して、荒療治のひとつとして〈悪魔払い〉を提案する。患者が「自分は悪魔に取り憑かれた」と信じている場合、それによって心が平静を取り戻すこともあるというのがその理由だった。
しかしリーガンの異常はますますエスカレート。十字架で自慰行為をし、止めに入ったクリスを殴りつけると、首を180度後ろに向け、嘲笑う声は死んだデニングスの声そのものであった。リーガンが悪魔に憑りつかれたと確信したクリスは、カラスに悪魔払いを依頼します。
当初は悪魔憑きに否定的なカラスであったが、何度もクリスの家を訪れてリーガンの異常な姿を目にしたが、その醜悪な姿になった少女の深層心理から助けて欲しいというメッセージを受け取り、悪魔払いの儀式を行うことを決意。大司教に許可を求める。儀式の責任者には悪魔払いの経験のあるメリンが選ばれます。
霧の立ちこめる夜、クリス宅を訪れたメリンはカラスを従えてリーガンから悪魔を取り払う儀式に臨むのだった…
悪魔とエクソシストの闘いが始まったのです。
【エクソシスト:主なキャスト】
- リーガン・マクニール:リンダ・ブレア
- クリス・マクニール:エレン・バースティン
- デミアン・カラス神父:ジェイソン・ミラー
- ランカスター・メリン神父:マックス・フォン・シドー
- キンダーマン警部:リー・J・コッブ
- ジョセフ・“ジョー”・ダイアー神父:ウィリアム・オマリー
- シャロン・スペンサー:キティ・ウィン
- バーク・デニングズ:ジャック・マッゴーラン
- サミュエル・クライン医師:バートン・ヘイマン
- カール:ルドルフ・シュンドラー
- ウィリー:ジーナ・ペトルーシュカ
- タニー医師:ロバート・シモンズ
- チャック:ロン・フェーバー
- メアリー・カラス:バシリキ・マリアロス
- 悪魔の声:マーセデス・マッケンブリッジ
★『エクソシスト』・懐想、考察記
本作のような、ホラー映画は、はっきり見たいか見たくないの2極に分かれると思います。本音で申し上げて、当時、私個人は最初に観た時もう観たくはないと思いました。だけど、何か引っかかるものがあって2度ほどTV放映でとかで観ました。この『エクソシスト』という作品の雰囲気のなんとも恐ろしいと感じた部分を確かめたかったからです。
おおよそ、こうしたホラー系の悪魔的な作品において、悪魔は神と対置された位置づけで描写されることが多いです。悪魔や悪魔的な行為が人々を恐怖に陥れる際には、神による救いやそれに近い救いの表現があったりするものです。
しかし、本作では神はその姿や現象も一切現わしません。悪魔が超常現象を起こし、人格を変えたり、ベットを空に浮かし、人をも殺す。そんなことを何度行っても、一向に神の存在も所業も訪れません。悪魔祓いの儀式を行っているメリンとカラスの言葉が滑稽にさえ感じます。悪魔に対し効力を有しているように見える聖水さえ、水道水と同じような効果しかもたらさない。
最後の最後に悪魔を退けたのも、カラスによる挑発とカラスの意思の強さ、そして自死でした。
本作のどこにも神はいません。そして、このような信仰というものに疑問を問いかけるようなストーリーが、本作を恐ろしくしているように感じました。悪魔が存在するような非科学的と言っても良い世界ですらも、神は存在しない。
リーガン(リンダ・ブレア)のお腹に『Help Me』という文字が浮き上がってくるシーンがあります。
終始悪魔的なシーンが多い中、唯一リーガンの助けを求める叫びが、現れた瞬間、このシーンが印象に残っています。
本作を観た後に、突き詰めていくと人間の心は、人間とは何なのだ!?と考えさせられます。
本作は映画での話です。人を陥れる存在が在り、人を救うものはいない。こうした世界観が一般的でないことそのものが、宗教に対しある種の疑念を投げかけているようにも個人的には感じてしまいました。そしてそれが本当に恐ろしいことなのだと本作を観て感じ、考えさせられてしまった。
本作には恐怖という形だが、人間の存在というものを考えさせるだけの力があると思います。そういった意味ではほんとにホラー映画の金字塔的名作だと思います。
とり憑かれたリーガンの首が360°回転するシーン。最初に観た時、思わず笑ってしまった。このシーンがなかったら、もっと怖かったかもしれません。
▲悪魔祓いに臨むメリン神父(右)とカラス神父(左)
お勧め度👍👍👍👍👉
お勧め度は作品の面白さ、仕上がり度、充実度などを👍1個2点✖5個で満点ですよ~
👉は1点
個人的な好みや主観もありますけどご参考までに
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【エクソシスト:配信先(U-NEXT)視聴】
★『エクソシスト』
(1973年、アメリカ、122分、字幕、見放題)
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【エクソシスト:製作スタッフ、公開データ】
- 監督: ウィリアム・フリードキン
- 原作・脚本・製作:ウィリアム・ピーター・ブラッティ
- 製作補:デイヴィッド・サルヴェン
- 製作総指揮:ノエル・マーシャル
- テーマ曲:「チューブラー・ベルズ」(マイク・オールドフィールド)
▲エクソシストのテーマ曲
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- 追加音楽:ジャック・ニッチェ
- 撮影:オーウェン・ロイズマン、ビリー・ウィリアムズ(イラク担当)
- 特殊メイク:ディック・スミス
- 特殊効果:マルセル・ヴェルコテレ
- タイトル・デザイン:ダン・ペリ
- 製作会社:ホヤ・プロダクションズ
- 配給:ワーナー・ブラザース
- 公開:アメリカ合衆国 1973年12月26日、日本 1974年7月13日
- 上映時間:122分(劇場公開版)、132分(ディレクターズカット)
- 製作国:アメリカ合衆国
- 言語:英語
- 製作費:$12,000,000
- 興行収入:世界 $441,071,0111①、アメリカ合衆国 カナダ $232,671,011、日本 17億円(DC版)
- 配給収入:日本 27億3000万円(1974年洋画配給収入1位)②
②(『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』キネマ旬報社)
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